《絶対守護者の學園生活記》同棲生活の始まり
「ここがあの男のハウスね」
俺は一軒の屋敷を前にしてそう呟く。これは王様が手配してくれた俺達用の屋敷だ。なんでも馬鹿王子が勝手に手にれた屋敷らしく、あいつにはもう要らんからと王様が沒収していたらしい。
対策會議の最後にて、王様が放った言葉に驚愕した俺だったが、よく考えてみたらそっちの方が都合がいいことに気付き、承諾した。住む場所など諸々は王様にすべて任せた。
その後、カレンにアリス、ミーナとリリィを集め一緒に住まないかと提案した。魔族の事は話していいかどうか分からなかったため、襲撃者から生徒達を守った褒として屋敷を貰ったからと説明をした。
すると彼達は俺に聞こえないようにし離れて話し合い始めた。まあ急にそんなこと言われて即オーケーとは流石にいかないよな。
話し合いが終わるまでしばらく待っていると、意見がまとまったようで代表としてカレンが俺の元へ來た。
「返事は明日でいいかしら?」
「ああ。焦らなくていいからな?」
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結局決まらなかったようだな。の子は準備とか々あるんだろう。
そしてカレンは戻っていった。戻り際に何か呟いていたみたいだが、第三回という言葉しか聞き取れなかった。いったい何の事であろうか。
そんなわけで翌日、彼たちの承諾を得たので、放課後に引っ越しを始めた。家などの必需品は既に用意してあるらしく、皆は最低限の荷のみだ。
「立派な屋敷ね……」
カレンが俺達がこれから住むことになる屋敷を見上げ、嘆の聲をらす。
カレンの言う通り、かなりの豪邸だ。
大きな庭に噴水、建のことについて詳しくないから分からんが、見たじかなりしっかりとした造りをしている。明らかに貴族様用の屋敷であろう。
立地に関しても、學園からも王城からも程々に近く、周りに他の家が存在していない。まあ元は馬鹿王子が使う予定だったからこんなじになっているのだろう。平民と一緒には過ごせない的な。
「とりあえず中にってみるか」
彼たちを連れ、中へとる。
「広すぎだろ……絶対部屋とか余るぞ」
ってすぐのホールから、全を見渡す。正面には階段があり二階へと繋がっているのであろう。左右には何かの部屋に繋がるであろう扉がある。なんだろう、バイオハ○ードの洋館みたいで興してきた。
それはともかく、詳しく調べるために手分けして探索をすることにした。
その結果リビングにキッチン、さらには大浴場があり、客間と主人用であろう大きな個室に、普通の個室が八部屋あった。
部屋割りを決めようとしたところ、主人用の個室は俺が使うべきだと押し切られ、決定した。他は適當に分けるらしい。ミーナの顔がなぜか赤かったが何かあったのか?
とりあえずは自室を確認する。階段を上がってすぐ目の前が俺の部屋となる。
「おお……」
部屋にると、寮の部屋の3倍はあるんじゃないかと思うほど広かった。タンスもあるし機も椅子もある。さらにはちゃんとベッドも……
「王様、やってくれたな……」
そこにあったのはキングサイズのベッドであった。どう考えても一人で使う大きさではない。
そこで俺は気付いてしまった。
最初に同棲を提案された時はただ大切な人たちを守りやすくなると思っていたが、よくよく考えたら嫁とはいえ良い年頃の男が一つ屋の下というのは、まずい。
俺だって聖人君子じゃない。そういうというのは人並みにはある。
そしてこの屋敷には誰が聞いてもと答えるであろうの子が四人いる。
……耐えられるのか? 俺。いや、耐えなきゃいけないんだが。
仮にもまだ學生だし、人だってしてないからな。アリスに至っては王族によくある婚前渉は止とかいうのもあるだろう。
……考えれば考えるほど意識してしまう。そうだ、気分を変えるためにリビングでも行ってみるか。ついでにお茶でも飲むか。
自室を出て、リビングへ向かう。
リビングに著くと、ミーナがいた。
「あ、レオン君。お茶をれたから、皆を呼びに行こうかなってちょうど思ってたところなんだ」
「そうか。だったら俺が呼んでくるよ」
「うん、お願い。……あ、ちょっと待って!」
「?」
皆を呼びに、リビングを出ようとしたところで呼び止められ、もう一度ミーナの方を向く。
すると、ミーナが俺のへと飛び込んできた。
「えへへ……」
あらやだなにこれ可すぎ、おっもちかえりー!
……ここマイホームだわ。既にお持ち帰り狀態だ。いや、お持ち帰りした訳では無いが。
いわゆる覚醒ミーナ狀態だ。
俺にぎゅっと抱き著きながら、元に顔をり付けながら匂いを嗅いでいるミーナ。どうもこれがお気にりらしい。ででのオマケ付きだとけるような顔になる。
覚醒ミーナ狀態となるには二人きりの空間という條件もあったりする。他の人には見られたくないのであろう。
だがそれよりも今は切実な問題がある。
もちろんらかな二つの兇も當たってるわけで。
さっきまで耐えれるかどうかと考えていた俺にとっては非常に辛い。
俺の中に眠る(襲う)可能の獣が起きてしまう。
だがそんな狀況も、すぐに終わりを告げる。
「ふーん、やっぱり男は大きい方がいいのね」
「………ギルティ」
二人の鬼が、そこに立っていた。カレンとリリィだ。もしかして思ってる事が顔に出てた?
いや、今はそんなことよりやらなければいけない事がある。
それは……
「すいませんでしたああああああああああああああああ!!!」
俺の伝家の寶刀、土下座だ。しかも今回はジャンピング土下座だ。俺は日々長しているんだ。そんな長必要ないだろとか言わないでくれ。俺だって分かってるから。
土下座をしながらチラッと二人の様子を覗き見る。そして二人の口から紡がれるのは
「だーめ♪」
「………処す」
父さん、母さん。僕は元気にやっています。例えロープで足を縛られ宙吊りにされていても、僕は元気です。
そんなこんなで、同棲初日は波の幕開けとなるのであった。
ちなみにアリスはというと
「大きい方とは何だ? 長か? しかしミーナは小柄な方だと思うのだが……」
と、まさかの天然ぶりを発揮していた。
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