《絶対守護者の學園生活記》支え合い

屋敷に引っ越した翌日。今日は學園もなく、久しぶりにのんびりしようかなと思っていた矢先、事件が起きた。

「正座」

「はい!」

二度寢を決行しようとしていた俺を突然部屋にってきたカレンがベッドから引きずり下ろし、リビングへと連れていかれた。要するに拉致られた。

そして正座の要求。……俺、何かしたっけ?

「あの、カレンさん?俺何かやっちゃいました?」

「屋敷」

「屋敷?」

「なんでこの屋敷を貰ったの?」

として……ってそんなことを聞いてるんじゃないだろうな。本當にそうではないと思ったうえで聞いてきているのだろう。

なんで昨日聞いてこなかったのかって昨日はそれどころじゃなかったもんな。ロープで吊るされるなんて初めての験だった。

「一応言っとくが、あくまでこの前の褒で貰ったんだからな?」

「そんなわけないでしょ。あんたがそんなの求めるような人じゃないってのはここにいる皆が知ってることよ。こ、婚約者なんだから」

最後の方は照れながら言うカレン。恥ずかしいなら言わなきゃいいのに……。

しかしそうか、普段の俺を知ってればそう思うよな確かに。

でも本當の理由は言うことは出來ない。魔族が攻めてくる可能もあり、それから君達を守るためだよなんて真正面から言うのは恥ずかしすぎる。俺のこのピュアハートにはきつい。

そもそも、魔族のことについて話していいかどうか王様に確認を取っていない。軽々と話してしまい、混を招くのは避けたいだろう。

というわけで俺が選んだ答えはこれだ。

「マイホームにあこが「噓ね」れ……はい」

即バレた。カレンの後ろにいる三人も流石にそれはないわーと目で語っている。

別にいいだろ! マイホームしがるお年頃なんだよ! 前世の話だけどな!

「ほら、さっさと本當の事話しなさい」

「いや、でも……」 

「話せ」

「承知しました!」

ごめんよ王様。俺はどうやら嫁には勝てないらしい。だって怖いもん般若出てるもん。

後で孤児院に行って子供達に癒されようかな……。

そうして嫁の脅しに屈した俺は、真相を話し始めた。

それを聞いた嫁達とリリィの反応は

「馬鹿ね」

「馬鹿だな」

「……馬鹿」

「馬鹿だね」

まさかの罵倒であった。もうやだレオンお家帰る! 既にお家だったわ。

それにしても流石にひどくないか? 男の子だって泣く時は泣くんだぞ?

「なんであんただけでそんなの抱え込んでんのよ。しは私達を頼ろうとかは考えないの?」

「……お前らが傷付く姿は見たくない」

カレンの問いに、俺の本心を告げる。大切な人達がいなくなってしまうのなんて、もう嫌なんだよ。巻き込んでしまえば、安全な生活を送れるかは分からなくなる。俺は皆に笑って過ごしてしいんだ。戦いとは無縁な生活を送ってしい。

しかしカレンは深くため息をついていた。

「まーた変な事考えてるわね。私達だってレオンが傷付く姿は見たくないのよ。この前の時だって、レオンがボロボロなのを見て私達がどれだけ心配したと思ってるの?」

この前の襲撃者と戦った時のことか。人質をとられ、一方的に攻撃をけたせいでかなりボロボロだったからな。

そうか、心配かけちゃったか……。

「たしかにレオンの実力からしたら私達は必要ないのかもしれない。邪魔になっちゃうのかもしれない。それでも、私達は好きな人の力になってあげたい。支えてあげたい。だから……」

「だから?」

「この家にいる時だけでも、気を遣うのはやめて、私達に甘えなさい。こんなに可い子達と一緒に過ごせるのよ? 謝しなさいよね!」

ニコッと笑いながら話すカレン。他の皆も優し気な笑みを浮かべこちらを見つめている。

……ほんと、適わないなぁ。俺はどうやら相當な幸せ者みたいだ。

「なんで上から目線なのか分からんが、よろしく頼む」

俺は呆れ笑いをしながらもそう答える。するとカレンは三人に目配せをし、こちらを再び向いた。

「任せなさい!」

カレンの宣言と同時に、四人が一斉に俺に飛びついてくる。

……ありがとな、皆。

こうして、嫁達との絆が深まったのであった。

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