《絶対守護者の學園生活記》レオン、父になる

「パパ~。なんでお姉ちゃんたちは怒ってるの?」

「な、なんでだろなぁ」

「ママ~。なんでなんで?」

「わ、私も分からん」

俺の膝の上に座っているが俺とソフィ先輩に問いかけてくる。そう、俺がパパでソフィ先輩がママである。

そして俺達の正面には怖い顔をしたカレンにアリス、それにミーナが立っている。リリィはいつもの無表であるが俺には分かる。あれは絶対に怒っている。

四人に睨まれて、俺もソフィ先輩も冷や汗をかいている。

どうしてこうなったんだっけか……?

※※※

「さて、そろそろ帰りますか」

「そうだな、説明もしなければならないしな」

俺の告白から數分。興狀態から戻った俺は今後の事を話し始める。

「流石にこの場所は見逃せないですからね」

「この男の話もしなければならん」

実験なんてまさに忌だろう。隠れるようにして存在していたこの場所は恐らく國も知らないであろうし報告一択だ。それにソフィ先輩が殺してしまった男のこともだ。男がやってきたことを考えれば死刑は確実であっただろうし、何かお小言はいわれるだろうがソフィ先輩が罪に問われることはないはずだ、多分。あの王様ならこれをダシに俺に何か頼みごとをしてきそうでし怖いが。

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そして二人で部屋を出た瞬間

ガシャーン!

何かが割れる音がした。

「あっちからだな」

俺達は音のする方向へと歩を進め、一つの部屋へと足を踏みれた。

そこには中が空ではあるが、人がれそうな大きさのカプセルが並んでいた。恐らくこれが割れた音だろう。そして割れたであろうカプセルを探した。

探しはすぐに見つかった。しかし、その周りには緑が広がっていた。

そのの上には、一人のの子が立っていた。

の子……?」

「もしかしてアレは……」

ソフィ先輩は何かに気付いた様子だったが、それを言い出す前にの子がこちらを向いた。

の長髪に琥珀のくりっとした瞳。まるでソフィ先輩をそのまま小さくしたような四歳くらいのの子。つまりこの子も実験による被害者ってことだよな、これ。

の子はソフィ先輩の方を見つめ続け、そのまま駆け出して近づいてき

「ママ!」

そう言って抱き著いた。抱き著かれたソフィ先輩は驚きのあまり固まってしまっている。

そして今度はそのくりっとした目を俺に向け

「パパ?」

あらやだ可すぎ。

それはともかく……これは々と大変なことになりそうだなぁ。

俺は今後の事を思い、ため息をついた。

※※※

この場にいても何も始まらないということでの子を連れて屋敷へと戻ったが、當然その子は誰だとなったわけで。そりゃそうなるわな。おまけにソフィ先輩に似てるわけだし。

そしてまず、どこで何をしていたかの質問からった。これから同じ仲間としてソフィ先輩が加わるわけだから隠し事などするつもりはないので、ありのままを話した。

ソフィ先輩が人工エルフであったこと。その研究所にさっきまでいたこと。俺がソフィ先輩に告白して結ばれたこと。そこでこの子を発見し、恐らくはあの研究所に殘っていた人工エルフであるということ。

……改めて並べてみると、々と凄いな。

それを聞いた四人は最初の方はしだけ驚くような表を見せたがすぐに落ち著き、れてくれた。ソフィ先輩は皆の優しさにれ涙を流していた。

ここまでは良かった。そう、ここまでは。

この後にの子が発した言葉が問題だった。

「パパ~ママ~。お腹すいた~」

ピキン、と空気が凍る音が聞こえるかのようであった。

そして四人が一斉に激おこモードになったんだ。

そうだ、こんな流れだった。

「パパ? ママ? どういうことなの、レオン?」

般若襲來。心なしかカレンの般若のス○ンドが長を遂げているような気がする。いつもよりさらに怖い。

「た、多分だが同じDNAを引き継いでるからソフィ先輩のことを母親だと認識したんだと思う。俺がパパって呼ばれてるのは、初めて會った時にソフィ先輩の隣にいた男が俺だったからだと……」

というかこれしか思いつかない。

「まぁ大は分かったけど……その子はどうするつもりなの? 孤児院にでも預ける?」

「やっ! パパとママといるの!」

カレンの言葉に拒否の意を示したの子は俺の膝の上でくるっと回転してこっちを向き、ぎゅーっと抱き著いてくる。

「はぁ……無理矢理追い出すのもアレだし、ここで世話するしかないわね。名前はどうするのよ」

そうか、名前か。

「それなんだが……クーフィなんてどうだろうか」

ソフィ先輩がしもじもじしながらも、そう提案してくる。

クーフィ……いいじゃないか。

「よし! 今日から君の名前はクーフィだ!」

「クーフィ……クーフィ! クー!」

あらら、喜んでもらえたようだけどすぐにあだ名作られちゃった。でもクーってのもいいな。俺もそう呼ばせてもらおう。

こうして俺は一児クーの父、ソフィ先輩は一児クーの母となったのだった。

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