《絶対守護者の學園生活記》男同士の語り合い

マルクとシェリーちゃんが我が家に來た夜のこと。俺はマルクと二人で客間にいた。

シェリーちゃんの闇を見てからはあっという間に時間が過ぎた。お客さんとはいえ、知り合いであるため特に接待などをするわけではなく、いつも通りのんびりしていた。

マルクとシェリーちゃんは屋敷の中を歩き回り、カレンとミーナの作ったご飯に舌鼓を打ち、大浴場で癒された。そのせいか俺達もここに住みたいと言い出すほどだった。

そして寢るだけとなり、自室へ戻ろうとした俺はマルクに呼び止められた。

なんでもシェリーちゃんがお姉さんたちと子會してくると言ってどこかに行ってしまい、しばらく待っても戻って來ず、暇になったから話でもしないかとのこと。

子會? そんなのやってたのか……

そんなわけでマルクと二人で客間に來たってわけだ。

まあ男だけの空間で話すことなんか決まってるわけで。

「……レオン。夜の話をしよう」

「……しょうがないな」

いかにも今から大事な話をするかのような雰囲気を出す俺達。まあ容はしょうもないものだが。

「ぶっちゃけ、もう辛いんだが。十歳に手を出すわけにもいかないし、どうすればいいんだよ」

「そりゃそうだよな」

逆に手を出してたらマルクと絶していただろう。そうか、マルクも俺と同じような悩みを抱えていたか……

「俺もそうなんだ。まだ人してないのに責任取るのは厳しいからなぁ」

まだ就職をしておらず、今の稼ぎとしては冒険者ギルドと王様から貰った屋敷を貰った時に一緒に渡された報酬金だ。今の生活を続けるならこれでも充分やっていけるだろうが、家族が増えるようであれば厳しいであろう。

………なんでまだ學したての學生である俺がこんな將來設計してるんだろう。いや、複數の嫁を持つ者としてしっかり考えないといけないことではあるが。

それにこれだと俺が盛りのついた猿みたいではないか。そりゃしたくないわけではないが、相手の気持ちが何よりも優先だ。無理矢理なんていけない。

「お前も辛いんだな……しかも同じとこに住んでいて、生殺し狀態じゃねぇか……」

「分かってくれるか!」

俺はガシッとマルクの両肩を摑む。

「ああ同士よ! こうなったら行くしかないな! 桃源郷へ!」

「桃源郷?」

「綺麗なたちが一夜限りの素敵な夢を見させてくれる場所だ」

それってつまり……そういうことをする場所だよな。

「でもそれは彼たちを裏切ることに……」

「俺だってシェリーを裏切りたくはない。だが抑えきれなくなって襲ってしまうことになるのはもっと駄目だとは思わないか?」

「そ、それは……」

その通り、なのか? たしかにこの前にミーナを思わず怒鳴りつけてしまったし、結構重大な問題なのではないか?

行くべきか? 俺は行くべきなのか?

「ほら、お試しで行くのもアリなんだぞ? 行ったからって最後までしなくてもいいわけだしな?」

悩んでいる俺に、マルクがをしてくる。

………よし、決めた。

「漢おとこレオン! 行きます!」

気分は出撃するパイロット気分だ。俺は一足先に大人になるんだ……!

俺とマルクは雄びを上げる。これからの戦いに向けて士気を高めるために。

そして俺達は客間を出たが

「何処に行こうというのかしら、レオン?」

「………マー君?」

そこには、般若カレンと阿修羅シェリーちゃんが待ち構えていた。

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