《絶対守護者の學園生活記》復活の兆し

孤児院にったはずが、俺は見覚えのある白い空間にいた。これはそう、転生する時に訪れた場所。

つまり――

「俺は呼ばれたってことでいいんだよな?」

(……うん)

俺の頭に響く聲。

どうやら予想は當たってたらしい。俺は神様に呼び出されたようだ。

とりあえず呼び出した理由を聞いてみる。

「それで、一なんの用だ?」

(……魔王の気配が強くなってきた)

魔王?それって大戦の時に親父が倒したっていう、魔族を統べる王のことだよな?

「もしかして復活するってことか?」

(……その可能は高い。恐らく、あと一歩というところまできてる)

一大事じゃねぇか……

魔族の活が活発化してるのもこれが理由だろ、絶対。

アリスやシャルを狙った理由はこちらの戦力を削るためだと思ってたが、魔王が蘇るとなるとその説が濃厚になるな。

魔王が蘇ると同時にこちらを攻めてくるのだろう。

「なぁ、魔王が蘇るまであと一歩って言ってたが、條件か何かがあるのか?」

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(……これも推測になるけど、依り代となるを求めてる可能がある)

「なっ.....!」

おいおい、もしそれが當たってたとしたら……

「アリスやシャルは、魔王の蘇生の生贄にされたかもしれないってことか?」

(……依り代の條件に當てはまったのがあの二人だったのかもしれない)

俺の心が黒く染まっていく気がした。怒りでどうにかなりそうだった。

神様の言う通り推測の域を出ないが、俺の大事な人を生贄にして世界を滅ぼそうとするんだとしたら。

そんなの、絶対に許すわけがねぇだろ!

(……私も力を蓄えてる。だからお願い、それまでどうにか持ちこたえてほしい)

「神様も手伝ってくれるってことか? それは心強いな。でも神様が出る前に終わらせてもいいんだよな?」

(……本當に頼もしい)

ふふっと神様が笑ったような気がした。が、俺は神様の言葉に違和じた。

本當に頼もしい。その言葉はまるで普段の俺を知っているかのような口振りで。

……神様だし下界の様子は見れるからとかか?やだ覗き?事務所の許可取った?

そんなくだらないことを考えていると、俺のが段々薄れていく。どうやら時間のようだ。

「とりあえずやれるだけやってみるよ」

(……うん)

神様にそう告げ、そういえば神様の喋り方ってリリィに似てるなぁと思いつつも、俺のが完全に消えるその瞬間

(私の子を、リリィをお願い……)

どうして神様は毎回意味深なことを最後に言うんだよ!

そのツッコミをすることは間に合わなかった。

どうやら無事に戻ってこれたようで、いつの間にか閉じていた目をゆっくりと開く。

目の前には俺を心配そうに見つめるユウちゃんがいた。

「レオンお兄ちゃん、大丈夫?」

「あぁ.....もう大丈夫だ」

どうやら神様と會っていた間、俺はぼーっと突っ立っていたらしい。そんな俺を見つけて心配してくれたようだ。

安心させるためにもユウちゃんの頭をでてあげると、えへへと可い笑顔を浮かべる。

……この笑顔を守る為にも、魔族に好き勝手はさせられないな。

その後、俺はクーを連れて屋敷へと戻ったのだった。

※※※

「魔王の復活、それに私の子リリィか……」

夜となり、後は寢るだけとなった俺はベッドの上で大の字に寢ながら考え事をしていた。

容は當然、神様との會話についてだ。

魔王が復活するということ、それは即ち大戦の発を意味している。魔族の活が活発になっていたことにより、こちら側にも多の心構えが出來ていただけ前回よりはマシだろうか。

魔族の居場所を探っている親父からの連絡が無い以上、俺達はけに回るしかない。

この世界の存続に関わることだし、また後で王様と親父を通して回しをしないとな。

そして神様が終わり際に言っていた、私の子リリィという言葉。

リリィは神様の子供だったってことだよな……?

たしかにリリィは拾い子だから本當の親が誰だかは分からない。だからといって神様の子供だったのかと簡単にれるのも、普通なら難しい。

でも本人……神だから本神?に言われたら信じるしかないよなぁ。

でもそうするとリリィの神がかった可さにも納得が出來る。リリィマジ天使がある意味本當のことになってしまった。

……神様の子供だからリリィも神様なのか?リリィマジ神様……語呂がし悪いしリリィマジ天使のままでいいや。

とにかく今日は疲れたしさっさと寢よう。クーの武闘大會出場メンバーりに神様との衝撃の會話で神的に疲れた。

俺はベッドに潛り込み、そのまま寢ようとしたが――

コンコンと、部屋の扉を叩く音が聞こえた。

なんだろなぁ、俺が何かしようとすると直前で止められることが多い気がする。

それはともかくこんな時間に誰だろうか。

「レオン君、しいいかな?」

「ミーナか。っていいぞ」

ガチャ、とミーナが部屋の中へとってくる。寢間著だろう、生地の薄い服を著ているからか二つの膨らみが目に毒だ。思わず目が見てしまう。

「レオン君、目がえっちだよ?」

「待て、これは男のさがなんだ。許してくれ」

「許すも何も、最初から怒ってないよ? それに、今日はその、そういう目的で來たんだから」

「目的?」

「合宿で約束したでしょ!」

あぁ、あの鬼ごっこの時の約束か。

別に忘れていた訳では無い。たださっきまで考え事をしていたのと、寢る瞬間だったから睡眠モードにっていたせいですぐに思い出せなかった。

つまりミーナは、夜のおいに來たってことだよな……?

約束したからというのもあるが、何よりミーナと繋がりたいという気持ちは俺にもある。

俺が忘れているのではと勘違いし、ミーナは悲しそうな表をしている。

「ほら、ここ座れ」

俺はベッドの端に腰掛け、隣をポンポンと叩く。

頷いたミーナがちょこんと座る。

「忘れたわけじゃない、これは本當だ」

「……なら、誠意を示すべきだと思うよ」

ミーナがこちらを向き、を突き出してくる。ぷるぷるとが震えているし、顔も真っ赤だ。かなり張しているのだろう。

ミーナを安心させるために、優しく抱き締めちょんと軽くれるだけのキスをする。

が離れる時の、ん……とミーナがらす熱い吐息の影響か、比較的い外見をしているミーナが艶めかしく見えた。

「その、るぞ?」

経験があるとはいえ、やはり張してしまう。俺はミーナのの前に手を出し、許可を求める。

ミーナはさらに顔を真っ赤にしていたが、こくんと小さく頷いた。

そして指が服越しのミーナのれる、その瞬間――

「レオン、明日なんだが……」

室の許可を取らずに、ソフィ先輩のまさかの登場である。

俺もミーナも、固まってしまう。

そんな俺達を見て、々と察したようでソフィ先輩の顔がにやける。

「ほうほう、私は邪魔だったようだな」

「そ、そそそそんなことないよ! ね!? レオン君!?」

「そ、そうだな」

ミーナの慌てぶりが半端ではない。あまりの剣幕に、俺は肯定することしかできなかった。

「でもわろうと……いや、えっちしようとしていただろう?」

「そそそそうだよ! えっちしようとしてただけだよ! ね!? レオン君!?」

「.....そうだな」

こんだけ目の前で慌てられると、逆に俺が落ち著いてきた。

というかソフィ先輩は絶対面白がってるだろ。

これ以上ミーナを放っておいたら何を言い出すか分かったもんじゃないし、とりあえず止めよう。

「なぁミーナ、そろそろ落ち著「そうだ!ソフィ先輩も一緒にしませんか!?」……は?」

え?今なんて言ったこの子?一緒に?

「む? いいのか?」

「いいですよ! ね!? レオン君!?」

「いや、よくな「いいよね?」はい!」

思わず答えてしまった。

なんというか、逆らってはいけないオーラがミーナから出ていた。まるでカレンの般若のような……

「レオンの為にいろいろと學んだんだ。期待していてくれ」

「頑張りましょうね! ソフィ先輩!」

……もういいや、流れにを任せよう。

こうして、三人での激しい夜は更けていった。

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