《絶対守護者の學園生活記》確かめる想い

「なんやかんやで久しぶりの子會始めるわよ!」

「「「…………」」」

「うおおおおおおおお!!!」

うん、皆が黙る理由も分かるわ。なぜか子會なのにダルクさんがいるし、やたらテンション高いしね。

それに今回はリーゼさんもいる。

……皆から説明を求める視線をひしひしとじる。

「えーと、今回はダルクさんから大事な話があるらしいの」

武闘大會での魔族との戦いも終わっていまだにレオンは目を覚まさない。誰よりも前に立とうとして、しかも人助けまでしようとして。レオンが頑張ってたというのに、私達は相手の不意打ち一つで全滅してしまった。

リリィの力が無ければ私達はそのまま死んでただろうし、レオンがどうなったか分からない。シャルから聞いた話だと相當まずい狀態になっていたらしい。

レオンを支えたいだなんだと思っておいて、むしろ足を引っ張るかたちとなってしまった。

私達は本當にレオンを支えられているのだろうか?ただの重荷になっているのではないか?

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そのような疑問が湧いて出てきた。

そんな時にダルクさんから聲をかけられた。レオンについて大事な話があると。

だからこそ、この場に呼び出した。

大事な話――勘だけど、私達にとってはこの先のレオンとの関係に深く関わってくる気がする。

「いやー、それにしてもマジでばっかりだな。後で一発ぶん毆っとくか、あの馬鹿息子」

深く関わってくる気がする……多分。

「よし、早速始めるか。まずは一つ聞きたい。《想いの加護》を知ってるか?」

《想いの加護》……聞いたことないわね。他の皆も首を橫に振っている。

「あいつ、まだ話してなかったのか………。《想いの加護》ってのは、所持者の想いの強さに応じて効果を発揮するものだ。例えば、守りたい大切な者を想うことにより、短期間でありえないと思えるほどの力をにつけることが出來たりな」

それって……

ダルクさんが私を見て、頷く。

「そう、レオンはこの加護によってあの力を手にれた」

そんなカラクリがあったのね。

「あいつは死に狂いで修行に勵んだぞ? カレンとリリィを守るんだってよ」

その言葉を聞いて、顔が熱くなった。私はレオンに大切にされてるってのが普段からとてもよく伝わってくる。それが、そんな前から想われていたとは。

リリィも表からは分かりにくいけど、頬がし赤く染まっている。

「それでここからが本題だ。この前の戦いで俺はほぼ傍観してただけだったが、そこで気付いたことがある」

「気付いたこと?」

「レオンが・想うことによっても加護の効果は発揮されるが、レオンを・想うことによっても発揮されるってことにな。そこの子……リーゼちゃんだったか? が告白した後、レオンのきが格段に良くなったからな」

想いをぶつけられたことにより、加護が発して能力が上がったってことかしら。

「ま、あくまでも推測の域を出ないけどな。でも試す価値はあると思う」

「試すとは?」

「想いが強くなればなるほどあいつも強くなる。だから君達にはもっとレオンとの想いを、まあ要するにを深めてもらいたい」

嫌じゃなければ、な。そう最後にダルクさんは付け足した。

私達は固まってしまう。義理の父となる人にもっと息子とし合えと言われれば誰だってそうなる。

そんな私達を面白そうに見ながら、ダルクさんは話を続ける。

「もちろん節度は弁えてくれよ? やることやってるのかは知らんが」

「やっ……!?」

「おっ、その反応は分かりやすいぞミーナちゃん。レオンも隅に置けないな。俺はユフィが重でご無沙汰だからなぁ、羨ましい」

の子の前でも堂々とこういう話ができるのは凄いわね。尊敬できるかどうかは別としてだけど。

「とまぁそういうわけだ。これは強制じゃない。でも君達なら分かるだろ? レオンがここで止まるような男じゃないと」

レオンはきっと魔王に立ち向かう。きっと止めても無駄なのだろうってことは分かる。

「答えを待つことも出來るが、どうする?」

ダルクさんが私達全員を見渡す。

「頼む、あいつの傍にいてやってくれ」

頭を下げるその姿は、息子を思いやる父親そのものだった。

問われている、頼まれているのは私達が今後もレオンの傍にいて支えてあげるということ。

英雄であるダルクさんが不確定な要素であるにも関わらずに加護の効果を頼っている。

つまり魔王の力がそれだけ強大であるということ。

そんなのにレオンが挑むのだから、敗北もありえる。

仮にその、を深めたとして、結局レオンが負けた時は私達がより辛くなるだけ。

様々な可能が思い浮かぶ。レオンが負けても、その後世界の全勢力をぶつければ魔王に勝てるかもしれない。一対一より一対多の方が勝ち目はある。

そうなったとして、レオンがいない平和な世界が出來る。その時の私達はどうなってしまうのだろうか。

あくまでそれは可能の話。そして、私が、私達が選ぶべき道は――

「私達は、レオンを信じてますから」

はっきりと、自信を持って告げる。

私に続いて、皆も次々と口を開く。

どれもが、レオンと共にあるという言葉。

それを聞いてダルクさんが俯いて目を腕でごしごしとる。その腕は濡れていた。

「ありがとう。息子を頼んだ」

返事はもちろん決まっている。

「「「はいっ!!」」」

レオンに思い知らせてあげるわ。積極的になったの子の凄さをね。

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