《絶対守護者の學園生活記》兄妹

學園祭は二日目を迎えていた。

本日最初のデートの相手は俺の最の妹であるリリィだ。最近はスイッチがると、モードになるという恐ろしい屬まで追加された。その結果俺は襲われ最後までいってしまい、責任を取ることになってしまった。が繋がっていないのが幸いだった。これで実の妹だったら俺に対する世間の目が大変なことになっていたであろう。

既に學園祭は始まっている時間ではあるが、俺とリリィは屋敷に殘っていた。

「そんじゃ行くか」

「……うん」

リリィと手を繋ぎ、転移をする。

そして俺達は開けた地へと來た。周りを森に囲まれており、どことなく懐かしくじるような匂いを風が運んでくる。

「ボーン村……前にここに來てから半年しか経ってないんだよな……」

「……私は五年ぶり」

そう、ここは俺達の故郷でもあるボーン村があった・・・場所だ。

ここで俺は生まれ、父であるレオナードと母であるリンに育てられた。一歳になる頃にはリリィも家族に加わり、馬鹿(譽め言葉)な大人達と一緒に暮らしてきた思い出の地だ。そしてカレンとも出會った地でもある。

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俺が今の義理の両親であるダルクさんとユフィさんの元で鍛えてもらい、王都へ旅立つ前にここに寄り、俺が元気でやっていることを伝え、今度やって來た時はお土産話を持ってくると誓った。

リリィはそもそも人が多い場所は苦手だから學園祭にはあまり興味はなかったらしく、ちょうどいいしこの時間を使ってボーン村へとなったわけだ。それに報告ならここで育ってきたリリィも連れてくるべきだろう。

村の跡地の中央に立ち、手を合わせ黙禱。

それが終わると俺はこれまでのことを話し始める。リリィはそれに細かく補足をれてくれる。

例をいくつか挙げると

「前にここを去ってからすぐに魔に襲われていた第二王様を助けたんだ」

「……おっぱいが大きくて、人。レオ兄の婚約者」

不機嫌そうなリリィ。俺はぺったんも好きだぞ。

他には

「娘が出來たんだ。実の娘ってわけじゃないけど、めちゃくちゃ可い」

「……五歳児くらいなのに、わたしよりおっぱい大きい。でも可いから許す」

コンプレックスなの?俺はぺった(ry

さらには

「魔族と戦ったんだ。どうにか勝てたよ」

「……私は天使だった」

リリィちゃんマジ天使。ネットスラングでもなんでもなく本の天使だった。

濃い時間を過ごしてきたなぁと苦笑してしまう。

「……レオ兄の妹で良かった」

「ん? 急にどうした?」

突然リリィが嬉しいことを言ってきた。兄冥利に盡きるが、どうしたのだろうか?

「レオ兄の妹になったおかげで、皆と出會えた。んな楽しいを知れた。好きな人といれる喜びを知れた。私だけだったらきっと何も出來なかった。いつかカレンとも別れることになって、あの男の妻にされて、ただただ空虛な日々を過ごすだけだったと思う。だから、レオ兄の妹で良かった」

いつも表現が乏しかったリリィの表が、可憐な笑顔に変わっていた。守りたい、この笑顔。

俺は隣に立っていたリリィの頭にポンと手を置く。

「というわけだ、父さん、母さん。俺達は元気にやってるよ。もう何も失わないように俺は全力を盡くして皆を、世界を守る」

二人にも俺の決意を聞いてもらいたかった。だから堂々と告げてやった。

すると不意に、頭の中に聲が響いた。

「う……うぅ……立派になりやがって……」

「あらあら~泣かないで~」

この聲は……!

隣を見るとリリィが目を見開いて驚いていた。リリィにも聞こえているみたいだ。

前にも同じようなことがあった。アリスと想いが通じあったあの時にも聞こえたこの聲は、俺達の両親の聲。加護の力ではないかと思っているが、真実かどうかは分かっていない。

「レオン! リリィを泣かせたら承知しないからな!」

「二人とも、ファイト~」

……分かってるよ、任せとけ。

聲は聞こえなくなった。言いたいことだけ言って消えてしまったようだ。

「レオ兄、今のは……?」

「父さんと母さんだよ。あれを言うためにしの間だけこの世に戻ってくるなんて、とんだ親バカだよな」

「っ!」

俺の言葉を聞いたリリィの目には涙が溜まっていた。本當は最初から分かっていたのだろう。あれが両親の聲だと。

「泣くなって。父さんに怒られちまう」

そっと涙を指で拭ってやる。

「ファイトって言われたし、頑張らないとな」

「……うん。レオ兄の為に、私はなんでもする」

リリィの瞳には、力強いが宿っていた。

「なら森でも散歩するか。ついでに湖にも行こう」

「……分かった」

俺達は手を繋いで森へと向かった。その時に吹いた風が、俺達の背中を押してくれた気がした。

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