《絶対守護者の學園生活記》またこの場所で
二日目の文化祭も終了し前世の學校などでもやるとこはやっていたであろう後夜祭が始まった。容は後夜祭の代名詞と言っても過言ではないキャンプファイヤーだ。まあ自由參加なので俺達は參加せずに屋上に集まっているが。
すっかり辺りも暗くなり空には星が輝いている。それでも下から聞こえてくる賑やかな聲は途絶えることはなさそうだ。
俺達は床にシートを敷いてその上に寢転がりながら星空を眺めたり、元々屋上に備え付けられたベンチに座りながら學園祭での思い出などを話していた。
そうして思い思いの時間を過ごしていると
ひゅ~~、ぱぁん!
という気が抜けるような音の後に破裂音が響いた。
花火だ。前世のと見た目などはほとんど一緒だが、魔法の応用によって作ってあるらしい。
皆はその綺麗な花に見惚れ、嘆の聲をらしていた。
「パパ! すごいの!」
俺の膝に座っていたクーが興した様子で話しかけてくる。花火よりクーのニコニコ笑顔の方が俺には効くってことがよく分かった瞬間だった。
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「ああ、すっごい可い!」
隣に座っていたカレンがクーの魅力にやられたらしく、クーを俺から奪いとって抱きしめている。クーもきゃっきゃっとはしゃいでいて楽しそうだ。
そんな微笑ましい景を見ているとカレンとは逆に座っていたシャルに袖を引っ張られた。
「ん? なんだ?」
「その、カレンとクーを見ていて気付いたのですけど……」
なぜかし不安そうにしているシャル。
「ほら、弟がいなくなってしまったでしょう? 亡くなったかどうかは分かりませんけど、そうすると跡継ぎの問題が発生するなぁと。父は娘にはあまり継がせたくないようなんです」
確かに、王位継承権一位のクソ王子がいなくなると、順番的にシャルが王位を引き継ぐことになる。そんでもってシャルとアリスが継がないとなると……
「父にもう一人息子がいればよかったのですけど……」
王様は今は亡き奧さん一筋だ。となるとそれは難しいだろう。そうなると……
あれ?まさか……
「俺、このままだと王様になるのか?」
なんとびっくり、第一王の婿である俺がいるではないか。これで王家も安泰。やったね!レオンくん!――――って、んなわけあるかあ!
「あのーシャルさん? 俺、王様なんてやりたくないんですけど?」
「分かってますよ。他の方法はちゃんとあります」
なぜか頬を赤らめもじもじし始める。これから言おうとしていることがそんなに恥ずかしいことなのだろうか?
「父にはもうしの間頑張ってもらわなければいけませんけど、私とレオンの間の……子に、ですね……」
「そ、そうか。その手が……って、え?」
別に理解できなかったわけではない。ただ、その言葉の意味することに、衝撃をけたからだ。
「父は私とアリスの為に々と手を回してくれました。だからしでも早く楽にさせてあげたいのです。なので、作るなら早めの方が……あ、もちろん全てが終わってからで大丈夫ですからね!?」
いつも余裕そうなシャルがこんなに慌てているのは珍しい。容が容なだけに相當恥ずかしいのだろう。俺も沸騰しているかのように顔が熱い。
それでも、の子にこんなことまで言わせといて返事をしないわけにはいかない。
「大丈夫。遅かれ早かれはっきりしなきゃいけなかったことだしな。うん、任せとけ」
安心させるように頭を髪を梳くようにしてでる。シャルも笑みを浮かべてくれた。
そのまま見つめ合い、自然と顔が近づいていく
「じー……」
「おおう!?」
気付けばシャル以外の皆にジト目を向けられていた。じーと口で言ってしまうぐらいに不満な様子だ。
「ちょっとレオン、し目を離した隙になに良い雰囲気になってるのよ」
「実の姉と夫とのキスを見るのはなんともいえない気分だ……」
「……節無し」
「あはは……」
「レオン、私ともしよう」
「はうぅ……」
すごく居づらい。何とも言い難い空気が流れている。だがそんな時、クーからの助けがった。
「流れ星!」
空を見上げると確かにいくつもの流れ星が目にった。
「消えないうちに願い事でもしましょ」
カレンの言葉を聞いて皆が空を向きながら目を閉じた。そんな皆の橫顔を見た後に俺も目を閉じる。
何を願おうかと考えたが、ありきたりなものしか思い浮かばなかった。
大金持ちになりたい……卻下。幸せになりたい……既に幸せだ。世界が平和でありつづけますように……これは俺が頑張る。
何を願うか悩んでいると、ふと先程見た皆の橫顔が浮かんできた。皆は何を願っているのかは分からないが、葉ってほしいなと思う。
……そうだ、俺の願いはこれにしよう。
(またこうやって、みんなと一緒に星空を眺められますように)
またこの場所で、大切な皆と共に――――
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