《絶対守護者の學園生活記》祈りの行方は

レオンが出ていった後、私達は屋敷の庭に集まっていた。今の私達に出來ることは何も無い。ただレオンの無事を祈るのみ。

ただじっとしているのも落ち著かなかったから、外の空気を吸いにきた。

私はぼーっと空を見上げていた。

「レオンくんは無事に帰ってくるでしょうか……」

不安げに呟くシャルの聲が聞こえた。皆も聲には出さないが、気持ちは同じようだ。誰もが不安そうにしている。

そんな皆を見ていると、どれだけレオンのことが好きなのかが伝わってくる。

アリスはこの中で一番レオンを想っていた期間が長い。まだ私のレオンに対する気持ちが曖昧だった頃から、とっくに好きになっていたようだ。たしか初めて會った時からだったかしら?し羨ましくじてしまう。

リリィはレオンと一緒にいた時間が一番長い。近くでレオンを見続けてきて、他の人は知らないであろうんなことを知っている。例えの繋がりがない妹だとしても、周りの反応は厳しいかもしれない。それでも傍に居続けることを決めたのだから、相當なものだ。

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ミーナは前の二人とは違って、過去のレオンを知らない。それでもレオンによって過去のトラウマを克服し、惹かれた。ミーナにとってレオンは救世主で、惚れてしまうのも仕方ないと思う。それに私にとってもミーナは良い子だし、可いと思う。

ソフィは私たちの中で最もレオンに積極的だ。特殊な過去を持ち、一度は諦めた生をレオンによって失わずに済んだ。生きる意味となり、希となってくれた男と添い遂げる。レオンと一緒にいる時のソフィは凄くいい笑顔をしていて、本當に幸せなんだなと思う。

シャルは普段はレオンをよくからかっている。けど心底レオンのことを想っているのは、誰の目から見てもわかる。十年以上苦しめられた呪いから救われ、まぬ結末を迎えずに済み、さらにそこからする人と結ばれたのだ。語じみた過程を考えれば、そりゃそうなるだろうと思う。

リーゼもレオンに救われただ。かつて大戦を起こした魔王。その魔王に仕えていた魔族に脅され、馴染を人質にされていた。そんな絶的な狀況で、死を覚悟していたのに、こうして今も何事もなく過ごせている。謝の気持ちを超え、までいってしまっても不思議ではない。

そして私。私は元々は盜賊に囚われていただった。たまたまレオンの故郷の近くに盜賊が拠點を構えていて、たまたまその盜賊達を討伐出來る冒険者が故郷を訪れていて。偶然に偶然が重なった結果レオンに會えた。あの時はまだかったから心というのがよく理解出來ていなかったと思う。でも今なら自信を持って言える。誰にも負けないくらい、私はレオンをしていると。

……こう改めて振り返ってみると、狙ったかのように皆可い子ばっかりだ。なんかムカつくし帰ってきたら毆ってやろうか。

それはそうと、私達はケンカはほとんどしない。一夫多妻が認められてるとはいえ、普通なら他のの子と仲良くしてたら嫉妬なりするものだ。

そんなの無益だとか、誰も得しないとか。そんなものではなく、なんというか、私達皆でレオンの嫁というか。

とにかく私達は仲がいい。

そんな私達の中心にいるのはやっぱりアイツで。

まだ學園が始まってから一年も経っていないのに、面倒ごとに巻き込まれまくっている。

……とんだ質ね。もうアイツがいない方がいいんじゃないかとさえ思う。

もちろん冗談。いてほしいに決まってる。

そしてそれは、ここにいる皆の共通の気持ち。本當に罪作りな男だと思う。

私は再び空を見上げる。

學園祭最終日にレオン含め皆で見た星空。今は晝だから星は見えないけど、またあの空を皆で見たいと思う、あの時はそんな素敵な時間だった。アイツも同じことを考えてたりしたのだろうか?もしそうだったら嬉しい。

だからこそ、アイツが戻ってきたらまずは毆ってやろう。その後、抱き著いてこう言ってやろう。おかえりなさい、と。

その為にも祈ろう、アイツのために。

私がそう決めた、その瞬間だった。

空が一瞬発した。眩しさのあまり目を閉じてしまう。その後目を開き、空に視線を戻すと

を貫かれたアイツの姿が、そこに映っていた。

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