絶対守護者の學園生活記 第150章
とある屋敷の一室で、い子供二人に絵本の読み聞かせをしている男の姿があった。
「こうして魔王は倒され、世界に平和が訪れるのでした――――おしまい。どうだったか?」
「ぜったしゅごさまかっこいいー!」
「むにゃ……」
「あらら、カリンは寢ちゃったか」
話を聞いて興する男の子と寢てしまったの子の頭をでながら男は苦笑する。自分と妻との間に出來た子供だ。どんな姿も可く見えてしまい、甘やかしてしまう。もうすぐ出かける予定があり、途中ではあったが絵本を読むのを終わろうとした。しかし最後までと読んでほしいと子供に頼まれて付き合ってしまった。外で一緒に出掛ける相手が待っているのにだ。きっと相手は怒っているに違いない。
「いつまで待たせるのよ!! 早く來なさい!!」
――ほらきた。怒鳴り聲が部屋にまで聞こえてくる。すやすやと気持ちよさそうに寢ている娘を軽く揺する。
「カリン、ママが呼んでるぞ」
「……ママ? ……パパだ~」
寢ぼけまなこで男に抱き著く娘。あまりの可さに抱き締めてしまう。
「にゅふ、くるしいよパパ~」
「カリンが可すぎるのがいけない!」
「パパ、ぼくは?」
「レンもだ!」
「やったー!」
息子と娘を抱き締めて頬りする。子供達はキャッキャッと嬉しそうにはしゃいでいる。
親子の微笑ましいじゃれあい。しかしすぐに終わりが來てしまう。
「もう! 何してんのよ!」
桃の髪を揺らし、馴染であり妻でもあるが部屋に乗り込んできた。
「ママ!」
とことことこと男の子が母の元へ歩いていく。
「ほら行くわよ」
「ママ、手つなご!」
「はいはい」
きゅっと手を繋いで部屋を出ていく妻と息子の後を夫と娘が遅れて付いていく。
「カリン! きょうそう!」
「まって~」
外に出ると子供達が元気に走り出す。子供達の後ろ姿を夫婦は並んで見ていた。
「……なぁマイハニー。今幸せか?」
「突然どうしたのよダーリン。ていうか……」
妻が夫の手を摑み、指を絡ませる。
「流石にマイハニーって呼んでくる男は嫌ね」
「俺はダーリンでもいいぞ? 結構好きだこれ」
「名前変えたら? ダーリン=ガーディア。いい名前じゃない」
「それ本気で言ってるか?」
「んなわけないじゃない」
見つめあい、笑う。こんな冗談をえた會話を気軽にわせるのが、凄く楽しく思える。
「ママ! パパ!」
イチャイチャし始めた夫婦に息子の呼ぶ聲が屆いた。
「レン様がお呼びだぞカレン・・・」
「レン様がお呼びよレオン・・・」
再び軽く笑いあうと、妻が夫の前に出て振り返ってくる。向き合い、長差から自然と見上げる形になる。
「私は今、すっごく幸せよ!」
惹きつけられるような眩しい笑顔。それは護ると決めた時から変わることのない、魅力的なものだった。
親子が去った部屋に置かれていた絵本――『絶対守護者の學園生活記』のページが、換気の為に開いていた窓からってきた風によって捲られる。そして開かれたページはその絵本のネタの元になった人からのメッセージが載せられたページだった。
―――――――――――
読者の皆様どうも、レオン=ガーディアです。本日はお日柄も良く……なんかこれ違うだろ。おい何笑ってんだシャル。え? 代わりに書いてあげるからそのまま話せばいいって? リリィは偉いなぁ。どこかの悪とは大違いってシャルさん? 萬年筆は刺すものじゃなくて書くものだよ? だから振りかざすのは止めようね?
……ゴホン。どこまで話したか忘れたぞ。あ、リーフェさんおかえり。
今更だけど子供達が読むであろう絵本に堅苦しいこと書いても仕方ないと思うんだよな。それにもうすぐアリスとソフィとクーと出掛ける予定だし。
 それにカレンがミーナをもふってるのが羨ましすぎて早く俺もそっちに行きたい。だからこれだけは伝えようと思う。
あくまで個人的な考えだが、人は護るものがあると強くなれると思うんだ。その人、その、その場所の為に戦おうという想いこそが力になる。だから頑張れ若人たちよ! ……これも何か違う気がするがまあいい。
最後に俺の決意表明でも。
俺は護るべき者の為に戦い続ける。それが『絶対守護者』としての、俺の使命だから。
―――――――――――
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