《絶対守護者の學園生活記》楽しんでいこう

今回の旅行の目的地である大阪へ辿り著いた。初日はそのまま宿へと直行し、二日目からが本格的な観となる。ホテルは金に余裕があるので當然高級ホテルだ。こっちの世界の金を余らせたって仕方ないからな。

そして二日目の今日は世界的にも有名なテーマパークへとやってきた。映畫の世界を舞臺にしたアトラクションが売りで、例としては蜘蛛男や魔法使いや鮫や恐竜のアトラクションなどがある。

これまた金にを言わせてあまり並ぶことなく優先的にアトラクションに乗ることの出來る優先券も買った。クーあたりはあまり待たせると可哀想だしな。

そんなわけでまず最初にやってきたのは翼竜に俺達お客さんが捕らわれてしまい、空中を暴に連れ回されるという設定の元で出來たジェットコースターだ。ジェットコースターお馴染みの落下はもちろんのこと、席が上下左右に回転もする。もちろん高速なので慣れない人が乗ると絶対に調を崩すこと間違いなし。

でも俺達なら大丈夫だろう。この前行ったアミューズメント施設で俺達は異世界人補正を持ったチート集団だと分かったからだ。翼竜なんて雑魚だ雑魚。

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俺達はちょうど偶數人なので二人ずつ座っていく。俺の隣はリーゼさんだ。片手は落下防止用のレバーを摑み、もう片方の手でリーゼさんと手を繋ぐ。

「楽しみましょうねリーゼさん」

「レオン君と一緒なので尚更楽しめそうです」

ふふっと微笑むリーゼさん。気品をじさせるその笑みを見てジェットコースターへのとは違う別のドキドキがやばい。綺麗だなぁ……

見惚れている間にジェットコースターはき出した。皆のきゃー!という恐怖ではなく興の聲が聞こえてくる。楽しんでくれているようだ。

楽しい時間はあっという間に終わる、ということで次のアトラクションに向けて移を開始する。途中で飲みやお菓子を買う。子供らしく甘いもの好きなクーがニコニコ幸せそうに食べる姿はいつ見てもらしい。

 次に乗るのは人喰いザメのアトラクションだ。ガイドの説明を聞きながらボートツアーを楽しんでいたその時、突然人食いザメが襲い掛かってきて……という設定。

「鮫か……相手にとって不足は無いな」

「大きさはどれくらいなのだろうか」

なんか二人ほど気盛んな人がいるが気にしない気にしない。

ボートに乗り込みいざ出発。最初は何も起こることなくまったりとボートは進んでいく。膝の上にいるクーの頬を軽く突いて遊んでいると、し離れた場所で大きな水しぶきが起きた。

「何かいる!」

クーが聲を出して指さした方を見ると、水中に大きな影が見えた。

「思ったよりは小さいな」

「殘念だ」

アリスにソフィ、戦うわけじゃないからね?

ゆっくりと近付いてきた影が水中から勢いよく飛び出し、ボートの上を越えていく。屋がついているので濡れはしないが、予想以上のアクロバットさにはし驚いた。鮫ってあんなに飛ぶもんなの?

ガイドの人が大慌てで連絡を取る演技をし、足元に置いてあった銃のレプリカを手にする。

「皆さん! すぐに助けが來ます! 時間稼ぎは私がします!」

そう宣言して鮫のいる方へ銃を向けて引き金を引くと、著弾したと思わしき場所に大きな水しぶきが上がる。これを何回か繰り返すと飛んできた水で俺達も割と濡れてしまった。

演出とはいえ中々倒さないので焦れてきた。それはあの二人も同じだったようだ。

「……こっそり魔法を撃ってもバレないんじゃないか?」

「……試すか?」

「やめなさい」

暴走寸前の二人を抑えてるうちにガイドの機転を利かせた撃退により平和は訪れた。なんか純粋に楽しめなかったのが殘念だ。

気を取り直して次の――といきたいところだが、混む前に早めの晝食にしようと思う。十人の大所帯だと席が取りづらいだろうしな。

「? 何かあったのかな?」

食事処への移途中、ミーナの言葉通りなにやらあったようで人だかりが出來ていた。

「どうやら喧嘩みたいね」

「私、気になります!」

どこぞの古典部部長みたいなことを言ってシャルが野次馬へと加わっていく。連れ戻すために俺も仕方なくシャルの後を追う。

「どうやらナンパ師対カップルの男の口喧嘩みたいですね」

漫畫などでよくある彼を守るべく立ち塞がる彼氏とチャラ男の言い爭いか。見たじチャラ男はそのまんまチャラいじでの子は清楚系人といったところか。聲をかけるのもなんとなく分かる。

それで彼を守る男らしい彼氏さんは……

……えっ?

その男には見覚えがあった。

「攻一……?」

杉谷すぎや攻一こういち。

俺が前世で一緒に馬鹿ばっかりやっていた唯一無二の親友がそこにいた。

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