《絶対守護者の學園生活記》酒池林?
大型テーマパークで遅くまで遊び倒し、今日泊まる溫泉旅館へとやってきた。ここも中々の値段ではあるが金には余裕があるので全然問題ない。
そんなことよりこの旅館にはあるサービスがある。
「まだか……」
大きな天風呂に男一人、寂しく獨り言をらしながら湯に浸かる。熱めの湯が疲れたに染み渡り、このままだと寢てしまいそうだが、そんな勿無いことは出來ない。
これから俺が今回の旅行で最も楽しみにしていたと言っても過言ではないイベントが待ち構えているからだ。
それは――
「おっきいお風呂だー!」
「こらクー。走らないの」
一糸まとわぬ姿で元気よく走るクーを、タオルで辛うじて前だけを隠したカレンが諫める。その後ろから続々と妻達がカレンと同じような格好で姿を現す。
そう、ここは家族用貸し切り混浴天風呂なのだ!!!!!
夜の営みの時に全てを互いに見てしまってはいるが、それとこれとは話が別だ。貸し切り天風呂という俺達だけの空間、薄布一枚でを隠しつつし恥ずかしそうにをこませる。なんと素晴らしいシチュエーションだろうか。
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「中々良い場所だな」
「早くを洗ってしまおう」
……隠さないで堂々と曝け出しているのが二名ほどいた。無駄な脂肪が一切ないわがままボディをこれでもかと見せつけるアリスとソフィ。心の中で拝んでおこう。
「うぅ……恥ずかしい」
「私もこれは……」
対照的にミーナとリーゼさんはこっちと顔を合わせようとすらしてくれない。それが一般的な反応だと思います。心の中でグーサインを出しておく。
「ぎゅっと」
「あはーん」
シャルとリーフェさんが前屈みになって谷間をアピールしてくる。シャルは余裕そうに見えるがわずかに頬が染まっているのを俺は見逃さない。
そしてリーフェさん。あはーんは流石に古いというかなんというか……。心の中で涙を流す。
「結構髪びたわねぇ」
「……そろそろ切り時」
「ふふふ~ん」
見ていられず目を背けると、カレンとリリィがクーを洗っているのが目にる。
上機嫌に鼻唄をしながらゆらゆらと揺れているクーと、一生懸命洗ってあげてる妹が可すぎてお父さん辛いよ。
癒されるなぁ……一人だけ鬼が混ざってるけど。
「レオン、今何か変な事考えなかった?」
「なんでもないであります! カレン軍曹!」
訂正。プリティーなの子が混ざってる。
「それでよし」
「なんなの? 俺の心読んでんの?」
まさに一方的な以心伝心。々とおかしくない?
そんな一幕がありつつも、俺は二つ目の楽しみに移行する。
用意したるはとっくりとお豬口を乗せたおぼん。漫畫とかドラマとかでたまに見かけた溫泉に浸かりながら酒を楽しむアレだ。
貸切かつ都合の良いように進む神様補正があるからこそ出來ること。宿側に迷をかけないようにもちろん自己責任で。
「私にも頂戴」
ゆっくり飲みながら風を楽しんでいるとカレンにアリス、シャルにソフィリーフェさんが加わってきた。リーゼさんは俺達が酔いつぶれたりした時に介護する為と辭退した。
ミーナとリリィはクーを連れて一足先に出ていった。クーを長風呂させるわけにはいかないからな。
スタイルの良い達に囲まれて酒を飲む。酒池林、桃源郷、男の夢が詰まってる。
あ、一人ぺったんの奴が……いえ、なんでもないので殺気を引っ込めてください。
なんていうか、死ぬ気で頑張ってきてよかった……
「あらら、泣き蟲がいるよ。お姉さんがめてあげよう!!」
リーフェさんの包容力をじながら、幸せな一時は過ぎていった。
※※※
一足早く部屋へと戻ってきた僕達。
敷かれた布団の上にクーちゃんがダイブし、僕とリリィちゃんは腰を下ろす。
既にうとうとと眠そうにしているクーちゃんの頭をでる。レオン君が親馬鹿になるのも分かる可さだ。
ほとんど寢ているクーちゃんを除けば、ここには二人きり。
丁度いいと僕はリリィちゃんに相談を持ちかける。
「リリィちゃん。リリィちゃんは野生の勘って信じる?」
「……人でいう第六。それなら信じてないわけでははない」
「そっか……」
僕が獣人だからかもしれない。この前から違和をじているというか、本能的な部分が教えてくれている。
「その、僕ね……」
僕はお腹、いわゆる下腹部のあたりをりながらレオン君ににしていたことを明かす。
「できたかも、しれない……」
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