《絶対守護者の學園生活記》新たな命

後書きにお知らせがあります。

「レオン君、し相談が」

「……んぁ?」

嫁に囲まれながら溫泉に浸かり、更に酒を飲んでいたせいでシャルに対して俺は気の抜けた返事をしてしまう。もうしで寢てしまうところだった……

「相談って俺だけにか?」

「いえ、出來ればここにいる皆さんにも」

先程までとは違って真剣な表をしているシャルに、俺達も緩んだ気を引き締め直して言葉を待つ。

「違和……とでも言うんですかね? 今日のミーナちゃんを見て何かいつもと違うなと思いまして」

「それは私もじたわ」

カレンがシャルの言葉に賛同するとほぼ同時に、他の皆も同じことを思っていたのか頷いている。

「俺は特に何もじなかったけどなぁ」

「レオン君が見ている間はその違和が消えていた気がします」

俺の前でだけは普段通りに振舞うようにしてたってことか? それってつまり……

「レオン君に隠していることがある、ということでしょうか……」

「そういうことだよなあ……」

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リーゼさんの推察に頷く。

違和、ということは普段とはほとんど変わらないわずかな変化であり、ミーナには俺にはどうしてもバレたくはない何かがあると。

俺が困ること……浮気?たしかに嫌だけど、それは俺の努力が足りなかっただけだろうし……いかんいかん、こんなこと考えるのはよそう。

皆も思い當たる節がないのか首を傾げている。

「こうなったら直接本人に聞いてみよう! レッツゴー!」

ザバン!と音を立てて溫泉からリーフェさんが出ていく。この行力は見習いたいところだ。

皆も異論はないらしく、部屋へと戻ることになった。

※※※

「さあミーナ、とっとと吐きなさい」

部屋へるとカレンが我先にとミーナへ詰め寄る。突然の出來事にミーナは目を白黒させ、尾がピーンと立っていた。

「え? なに? 急にどうしたの?」

「私達に何か隠してることはない? 正直に話しなさい」

「こ、怖いよカレンちゃん……」

カレンのかなりの迫力にミーナがし怯えている。普段は超仲良しの二人だ。だからこそ隠し事をしているミーナをカレンは許せないんだろう。何かあれば友である自分を頼ってほしいと、そういうカレンのミーナへの想いがその姿からよく伝わってきた。

「……私が代わりに話す。だからミーナを離してあげて」

「そう」

見かねたリリィが間にると、カレンはすぐに離れた。

話を聞くべく思い思いの場所に腰を下ろす。皆の表は真剣そのものだ。

「……まずはレオンに確認。最近避妊はちゃんとしてた?」

「…………はい?」

なにか重大な話をするんだろうと俺含めて誰もが思っていただけに、リリィの問いかけはまさに意表を突くものだった。さっきまで真剣な表してた皆もぽかーんとしている。

「ちょ、ちょっと待ってくれ。思い出すから」

嫁達の前で夜の営みを思い返すなんて、それどんなプレイ?と思いつつも頭を働かせる。

しっかりと避妊はしていたはずだ。ただ考えなしに嫁達とそういう行為をするのは相手にとって失禮だからというのと、ただ単純に俺達が學園を卒業したばかりでしっかりとした生活の基盤というものが出來ていないから子供を作る余裕が無かったんだ。

いや、金銭的には全然余裕だったけどそれぞれが將來を見據えた新しい道を歩み始めたんだから落ち著くまでは、ね?というのが皆の共通認識だ。行為を止めなかったのは気持ちを確かめ合うのと、ただ単に互いの三大求の一つを満たすためであって。

それはともかく、対策はバッチリしてたはずなんだが……

「あの……」

おずおずと手を挙げるミーナ。どうやら般若の恐怖から……失禮、とっても可の子からの質問に戸っていたがやっと落ち著いたようだ。

「レオンくん、ごめんなさい! その……僕がわざとデキるようにしてました!!」

「はい? デキる……?」

何ができたんだ……?

………!?

っておいおいおい!そういうことかよ!てか話の流れからして早く察してろよ俺!

「うおおおおおおおおおおおおおお!!!! やったなミーナ!! やばい、超嬉しい!!!!」

「お、怒らないの?」

「怒るわけないだろ! 新しい命だぞ!! 俺達の子供だぞ!!」

そりゃ相談もしないで勝手に決めてたのはアレだけど、俺に遂に息子か娘が出來るんだぞ!!前世と合わせると大四十歳の俺にしてみたら待ちに待った瞬間なんだよ!!

「えへへ……そっか」

ミーナは俺の反応を見て、嬉しそうに微笑みながら下腹部をでている。俺もでさせてもらおう。

「元気に生まれて來いよ」

「きっとレオンくんに似て格好いい子が生まれてくるよ」

「ミーナみたいにかわいらしい子でもいいな」

二人で語る未來図に、二人そろって幸福に満たされる。庭で追いかけっことかしてみたいなあ……

そんな妄想トリップをしていると、トントンと後ろから肩を叩かれる。振り返るとそこには……

「ねぇあなた? 私達を放っておいていいと思ってるの?」

「ひっ」

般若がいた。とてもしい笑顔を浮かべているはずなのに、俺の背中からは嫌な汗が溢れてくる。

「な、なんでございましょうか……?」

「勝手に二人でいい雰囲気作ってたとか、ミーナに子供が出來たのはまあいいわ。むしろ朗報だし、私達も嬉しいわ。そこで私から聞きたいことがあるんだけど」

「なんでも答えます! サー!」

「ミーナとの間に作ったんだから、私達とも作ってくれるのよね? その、こ、子供……」

言うのが恥ずかしかったのか、般若は鳴りをひそめ、もじもじしだすカレン。可すぎて惚れ直しをしてしまった。

ふと、他の皆の反応を確認する。

「子か……剣を教えてみるのも面白そうだ」

「その時は相手として私の子と互いを研鑽させるのはどうだろうか」

ノリノリで子供への教育方針を考え始めるアリスとソフィ。脳筋にならないようにしっかり勉強を教えてあげようと自分に誓った。

「……皆同學年で一緒に學園に通わせたい」

「そうすれば友達の心配もないもんね!」

リリィとリーフェさんの將來の子に対しての思いやりが見えた。……その分俺が勵まないとその目標は達しないんだけどな。頑張ります……

「わ、私……嬉しい……凄く幸せです……」

「シャル……」

極まって涙を流すシャルを、リーゼさんが溫かく見守っている。國を導く王として決められた道を進むしかなかった、呪いによって過酷な運命を背負った彼が摑んだの子としての幸せだ。俺まで泣きそうになる。

しの人達との、の結晶。當初の想定とは全く違ったタイミングでの事態だったが、きっとこれも含めて俺達らしさなんだと思う。

例えどんな苦難が待ちけていようとも、こうして幸せそうな彼達を見ていれば不安なんて一切起きない。

皆で手を取り合って、必ず輝かしい未來へと辿り著ける。そう信じているから。

どうも、いまいちノベルバの使い方が分からない若鷺です。

『絶対守護者の學園生活記』ですが、ここで一旦完結とします。しかし、絶対守護者の子育て生活記とか良くない?と思ってる自分もいます。親馬鹿レオンの暴走とか面白そう(若鷺並)

今後どうなるかは気長にお待ちいただけたらなぁと。

當作品がノベルバランキングの上位?の方にっているみたいですね。読者の皆様方に圧倒的謝を。

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