《職業魔王にジョブチェンジ~それでも俺は天使です~》閑話~運命の歯車が狂った日~

キャラの名前決まらない……。

クレアシオンが一杯の勇気を振り絞り盛大なフラグを建設していたころ、神フローラは絶じていた。世界の崩壊の音が、自分の死の足音がすぐそこまで來ている気がしていた。

神界の創造神の神殿より劣るが、それでも立派な神殿に一人だけいた。神殿があるのは神域の中だ。神域は敵に見つからないように認識阻害がかけられている。

神殿の食堂の大きな大理石の円卓……そこにある椅子は八つ。フローラの座っている椅子以外どれも空席だった。

一緒に世界を管理していた神はもういない。先日まで笑いあっていた友人達はもういない。

神界との連絡用水晶の淡いがフローラの顔を照らす。

「俺達が時間を稼ぐ」

「お前は隠れていろ‼」

「絶対にここを離れるな‼」

「邪神なんて倒してやるからよ」

「もうそろそろ、神界が異変に気がつくはずです。あなたは神界に報を伝えるために、生き延びてください」

「大丈夫よ、邪神と戦うのも世界を管理する神の仕事だから」

そういい、自分を守ってくれた者は誰も戻って來なかった。

皆優しかった。彼が管理者として、この世界に來て數百年、ずっとこの先も変わらないと思っていた日常。

だが、突然終わってしまった。

二百年以上前に倒されたはずの悪神が邪神と魔族を率いて別の世界から攻めてきたのだ。

一つの大陸を瞬く間に占拠され、その大陸は地獄と化した。魔族ののままに人々が殺されてしまった。絶させるために、徹底的に痛め付けられ、男は拷問の末殺され、は陵辱の果てに殺された。また、生きたまましずつ喰われた者もいた。

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さらに、その大陸を支配した魔族は別の大陸を攻め始めていた。

初めの大陸から攻めてくる魔族は數なので、人の國でも対抗出來ていたがそれも、時間の問題だろう。

最悪なことに、邪神側は、この世界の主権を奪うため、管理者の神域にまで攻めてきたのだ。

邪神側の主戦力は魔王だった。悪神が五もの邪神と魔王を率いてやってきた。戦力は圧倒的に向こうのほうが上。

  管理者たちはフローラを殘し、天使を率いて悪神と戦い、そして、負けてしまった。敵の僅かな隙をついて造った五つの神の試練ダンジョン――いつか邪神に立ち向かう者が現れたとき、その者の糧に反逆の狼煙になるようにと――を殘して――

今まで人が生き殘っているのは皮にも、悪神の殘さ故――

  フローラはたった一人、不安に飲み込まれそうにいた。

そんなとき、不意に水晶が輝いた。神界にいる彼の可い妹――――アリアから連絡がきたのだ。

最後に別れの挨拶をしようとしたが、アリアの口から出た言葉に驚く。

『フローラ姉さま!もう大丈夫ですよ!!クレアが神界の剣が今そっちの世界に転生しました!もうすぐ結界がはられます!!』

「アリア!?クレアシオンさんはあなたの好きだった人じゃないの?それに、この世界はもう……」

『クレアが大丈夫って言ったから、もう大丈夫ですよ。クレアは何だかんだ言ってやり遂げますから』

「でも、……この世界にはクレアシオンさんが倒したはずの悪神ベー――」

突然の破音、フローラが言おうとした悪神の名前はアリアには屆かなかった。だが、屆いたとしても余り意味は無かっただろう。運命の歯車はもう狂っていのだから。

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「見つけたぜ、最後の管理者!!」

破と共に表れたのは邪神と魔王たちだ。

「邪神……」

『姉さま!?どうしたのですか!?フローラ姉さま!?返事をしてください!!』

邪神は嫌らしい笑みを浮かべ、舐めるように上から下に品定めするように見る。無遠慮な視線に曬されたフローラは自分を抱き締めるのうに蹲る。恐怖からか震えが止まらない。

「最後の管理者が神とは、殘黨狩りをしろと言われたときは外れだと思ったが……これはついてた」

――と、自分たちのリーダーの悪神の愚癡を溢す邪神。元々、神界のルールが嫌で自分勝手な悪神にった者と悪意から生まれる自分勝手な邪神、それぞれが自分勝手にくので組織的なことは苦手だった。

それでもここまで邪神をかせたのは悪神が優れている証拠だろう。

「今までの神は戦爭で死んじまって、楽しめなかったがお前で今までの鬱憤晴らさせてもらおうか?神でもなかなかお目にかかれない上だ」

「ひっ」

『フローラ姉さま!?』

邪神の手がフローラに屆こうとしたとき、神殿に……否、世界に響いた。

――……【ジャッジメント・セイクリッド石を投げれば・メテオライト魔王に當たる】――

世界に剣を型どった大きな巖が降り注ぐ。

フローラに手をばしていた邪神のを落ちてきた巖が貫いた。それを皮切りに魔王達にも天井を突き破って降り注ぐ。

一応室と言うことでその配慮か普通の剣のサイズだった。

それでも、巖は神殺しと聖気を纏っており、邪神と魔王を一瞬で消し去っていく。

壊れた天井からがさす。天井のから地上に降り注ぐ破壊の雨が見える。その景は荒々しくも神的だった。

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フローラは茫然とその景を眺めて、そして、

「……クレアシオン様」

クレアシオンの呼び方が変わった。

『――なんでクレアが?』

アリアが知らないと言うことは、神界の神々の想定していたことではない。完全にクレアシオンの獨斷と言うことだ。結界を張ることとクレアシオンを転生させることでクレアシオンの力は使い果たすはずだ。余剰はない。

頬を染める親友と、獨斷でいたために必要なエネルギーが足りなくなったクレアシオン。確かに彼がかなかったら親友は陵辱の果てに殺されていただろう。だが、彼が転生出來なかったら本末転倒だ。

これからのことを考えて頭痛がするアリアだった。

邪神達を貫いた巖の剣から金屬が顔を出していたのに気づかずに――

◆◇◆◇◆

暗い空気の淀んだ黒い神殿の中で五人が円卓に座っていた。神殿が有るのは魔族が占拠した大陸にある。

辺りからは人の悲鳴と泣き聲、そして、それを嘲笑う魔族の聲が響いている。

「あとしだ。あとしでこの世界俺たちの手に墮ちる。手筈は整った。この世界で戦力を整えたら神界と戦爭ができる。あとは時間の問題だ」

ある男が地図を広げながら言う。その地図には真っ黒に染まった大陸とそこからびる矢印が他の大陸や島國を指していた。

負のは日に日に増えていく、悪意、恐怖、絶が悪魔を産み、魔王が産まれる。時間が味方している。

「だが、クレアシオンとか言う天使はどうする?」

「ああ、聞いたことがある。神域の魔を引き連れて邪神狩りをする魔王だろ?」

「神界の剣だそうだ」

男が自分の策が上手くいき、神界を手にれた後を空想していると、クレアシオンの名前が出てきた。彼の悪名は世界を超え、悪魔から邪神にまで恐れられていた。

「大した奴じゃないよ、中途半端に墮ちた偽りの魔王だ。あいつは俺の手の上でよく踴ってくれたよ」

そう言いながら、愉しそうに笑う。

「よく言うよ。そいつに殺されかけて、今まで二百年以上こそこそと隠れていたくせに」

「ただ隠れていた訳じゃないさ、俺は神界に居たときから、アイツを知っている。アイツが何を自分より大事にしているかもね、だから、アイツの壊しかたもよくわかっている。実際、あと一歩、あと一歩で神界にけしかけられた!!」

男は機に拳を叩きつけた。當時のことを思い出してか歯噛みする。と、そこで思い出したかのように

「なぁ、俺がこの世界を選んだ理由を知っているか?」

「ああ?武神がないからだろ?」

それ以外にあるのか?と訝しげに聞くと男は獰猛な笑みを浮かべながら、

「ここの世界の管理者のリーダーはクレアシオンが大事に大事にしているアリアと言う神の親友だ。そうなれば、アイツは來る」

「だが、障壁を張ってるから、力の強い者はれないはずだ」

神界から見付かるまでの時間を稼ぎ、見つかっても干渉出來ないように障壁を張ってるはずだ。

「何のために魂はり込めるようにしたと思う?」

「まさか?」

「ああ、そのまさかだ。奴は転生してでも來るだろう。転生した奴を殺すのは簡単だ。まぁ、來なくても問題ない。俺は七人の管理者を手にかけた。神界の奴等に出來ることはもうない」

その部屋に集まっていた者――悪神と邪神――の嘲笑う聲が響く、ここまで何重にも複雑に組上がった策だ。失敗するほうが難しいだろう。

そこに水を差すように聲が響く。

――おうおう、魔王増えすぎだな。石を投げれば當たるんじゃないか?――

突然虛空から響く聲、外からは自分たちの主を馬鹿されて、出てこい!!と、悪魔たちの怒聲が聞こえてくる。

「……クレアシオン!?」

「おい?どう言うことだ?」

悪神は、聞き覚えのある聲に嫌な予がする。奴は何かやらかす、と長年、奴に復讐しようと策を練り続けた勘がぶ。

だが、その聲は気にすることなく続ける。

――減らすか――

悪神と邪神は息が詰まり、背中に嫌な汗をじる。

――傲慢で強な魔王が綴る。傲慢な我が獨斷と偏見の元に裁きを與える――

「結界を張れ~!!」

「この大陸だけでいい、今すぐ全魔族に命令して結界を張らせろ!!」

悪神の指示に従い、邪神たちは近くの魔族に命じた。

「我々も結界を張ったほうがいいんじゃないか!?」

「ああ、念には念を、これはまずい!!」

「お前が喧嘩うるようなことするからじゃないのか!?」

そうしている間にも詠唱は続く

――星降る空に願うのなら、願え、生き殘れることを――

――それは絶より産まれし希――

――萬象よ、ひれ伏せ――

――破壊の波が全てを零に還す――

――我は世界の理をねじ曲げる者なり――

――我は正義を騙らない、全ては我の意志の元に――

――崩壊を促せ、破壊しろ――

――創造の前には破壊あり――

――我がむ世界を切り開くために――

――傲慢な我は鉄槌を下す。【ジャッジメント・セイクリッド・メテオライト】――

G重力式ジ加速広ェ範囲殲ッ滅型神ト聖魔法が今解き放たれた。しつこいゴ☆ブリも生息地ごと消滅可能!!面倒な死骸の処理も要りません。また、聖気をふんだんに使っているのでしつこい障気たまごも消し去り、再び湧き出るのを防ぎます。人には無害な分で出來ているので安心してご使用下さい。

轟音と共に破壊の雨が降り注ぎ、破壊の波が世界に広がり。世界に広がり侵略していた魔族たちを躙していく。

そう、狙い澄まされたように魔族のみを躙していく。魔族の支配していた大陸は邪神たちが結界を張ったにも関わらず、破壊の雨が降り注いだ。

魔法と超高高度からの重力による加速、空気抵抗を極限まで抑えた形、あらゆる要素が一つの目的に集約されるそれは極限にまで昇華された蕓作品に似たしさがある。

雨が止んだ時には約八割の魔族が死滅、邪神は力のほとんどを使い果たしていた。

さらに――タイミングを見計らったように魔族の大陸を結界が囲んでいく。その結界は死んだ魔族のエネルギーを強に吸収してより強固になっていく。これで強い負のエネルギーをもつ者は出られない。

「おのれ!!クレアシオン!!この結界が溶けたとき、お前の大切な者をお前の手で殺させてやる!!」

悪神の怨みがかったびが響く。二百年以上かけた計畫がゼロどころか足枷にされたのだ。尋常じゃないほどの憎しみが産まれる。その負のエネルギーは結界によって行き場を無くし、大陸の中を漂いはじめた――

◆◇◆◇◆

彼は言っていた。

――石橋を叩き壊して鉄橋に――

――用意されたが貧相なら、納得する形に創り変えたらいい――

――押してダメなら切り開け――

――運命の扉にむものがないなら、壁を切り開けばいい――

――敵が盤上を整えているのなら、素直にその盤上で踴る必要はない。その盤上世界を破壊してしまえ。さあ、零から始めようか?――

と、これがクレアシオンが魔王と言われる原因かもしれない。

◆◇◆◇◆

この日、全ての人が空を見上げた。暗雲を切り裂き差し込むを、空を切り、降り注ぐ流星群を――この世の終わりを現した様な景を。

そして見た。自分達を大切な者――する人、家族、友――を苦しめた魔族が空より落ちてきた巨大な剣を型どった巖に潰される様子を――

降り注ぐ暴力は山を砕き、地を砕き、海を荒らし、地形を大きく変えた。

だが、人への被害はほとんどなかったという。中には目の前に落ちてきたが不思議なに包まれ怪我一つなかった者もいた。

人びとには、救いに見えた。神が私達を救ってくれたと。巨大な剣を神の慈悲だと言い、【流星の聖剣】となずけ、教國を総本山とするフロリアル教會が主導して人びとはまつりあげた。種族に関係なく平等に魔族から神がお守り下さったとして……。

◆◇◆◇◆

まだ誰も知らない。クレアシオンの獨斷による行でクレアシオンが転生する時間がずれたことを。

クレアシオンが結界をより強固にした結果、魔族の大陸が蟲毒のようにったことを。

ある偶然から、【流星の聖剣】が割れ、中から強力な武が出現することを。その武たちは使う者を選ぶことから、【聖剣】や【魔剣】と呼ばれ、魔族への大きな対抗戦力になることを。

そして、クレアシオンは失念していた。道とは得てして製作者の意図しない使われ方をするものだ、と言うことを――

だが、言えることは、神々の策――人を他の多くの世界のため、神界のため切り捨てる――ではこの世界で生き殘れたのはクレアシオンとフローラだけだった、と言うことを、彼の行で遙かにましになったことを、だ。

これからの未來は誰にも想像できない。神々の想定も悪神によって曲げられた運命の歯車も彼によって、クレアシオンが転生用の魔法陣の上に乗った時點で狂わされていたのだから……。

ありがとうございました。

クレアシオンの暴走!!

神々の計畫 優先事項

神界の安全→他の數多の世界→神界の神々の安全→神界の天使の安全→迎撃準備→管理者を避難させる→クレアシオンの長するまでの安全(放置しても大丈夫だろ?)

ルイード達の計畫

クレアシオンを殺す→結界張る→クレアシオンの鬼狐を使って邪神倒す→アリアとイザベラGET→鬼狐のおでやりたい放題

悪神の計畫

①障壁で神界から管理者を孤立させる→管理者を殺して力を奪う→世界の主権を手にれ、宗教を設立→人からは絶と信仰心を魔族からは信仰を得て力を蓄える→クレアシオンが魂のみで來るのなら殺す→神界の獨立戦力鬼狐の指揮するクレアシオンがいなくなり、戦力が落ちた神界に乗り込む

②クレアシオンを殺せ無くても彼を神界から孤立させる→人びとをりクレアシオンと殺し合わせる→クレアシオンの心を壊して神界と戦う様に洗脳→神界と戦爭

③クレアシオンが來ない→今のうちに魔族を産み出し、戦力をあげる→人びとを苦しめ、恐怖、絶を與え、不安から犯罪率上昇→負のから魔族生まれる→魔族の信仰から邪神生まれる→神界と戦爭

クレアシオンの優先事項

アリア、イザベラの安全→管理者の安全(アリアと約束したから)→人びとの安全(イザベラの様な人を増やさないため、あと、単純にクレアシオンが気にらないから)→できる限り人にも自分のを自分達で守らせる→神界は自分たちでガンバ(いざとなれば鬼狐がなんとかするだろ?)

クレアシオンは単獨戦力は最上級神より上、保有戦力《鬼狐飲み友》は神界最大戦力だった。

並の神より戦力をもつ天使。

ルイードの計畫ですが、鬼狐はクレアシオンを倒しても従わないので破綻してます。

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