《職業魔王にジョブチェンジ~それでも俺は天使です~》グルマンディーズ~暴食の剣~

クレアシオンは再び、真夜中に森のなかに來ていた。最近、オークやゴブリンが増えてきているので、早めに狩り盡くそうと考えたからだ。ゴブリンやオークは悪魔の尖兵と言われている。個ではそれほど強くないが、繁力がすごく、數が多いからだ。また、繁の仕方から、悪魔に好まれて使われる。他種族の雌を連れ去り、犯し、子供を産ませる。この時、多くの絶が生まれ、負のエネルギーから悪魔が生まれるからだ。

その前に、クレアシオンは【創造】を使う。

「ご主人様、何を作るのですか?」

「武をな……」

そう言いながらあらゆる金屬を出していく。

「【神創造】を使わないのですか?」

「このあと、レベル上げをするから、魔力をあまり使いたくない」

「そうですか……」

ソフィアはし殘念そうにする。神を創る所を見たかったのもあるが、創ってほしい武のモデルをクレアシオンの武の知識から持ってきていたのだ。

クレアシオンは金屬を並べ、魔力を籠めだした。黒い風が彼に集まり、紅いクレアシオンの魔力に換わっていく。

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「って、伝説の金屬ばかりじゃないですか!?」

「今、集中してるから」

「――申し訳ございません」

ソフィアは頭を下げて一歩下がった。だが、ソフィアが驚いたのも當たり前だろう。伝説の金屬――オリハルコン、ヒヒイロカネ――の他に、ミスリルやアダマンタイト、マナタイトなどの珍しい金屬の他に金や銀等の貴金屬など、々な金屬が大量にあったからだ。

彼が魔力を籠めると金屬は溶けだした。黒い輝きを放つ魔法陣が紅い雷のような魔力を放つ。金屬は混ざりあい、白いまばゆいを放ち出した。

ソフィアはその景に見惚れていた。

白いが落ち著いた時、金屬は丸い形をしながらクレアシオンの前に佇んでいた。彼の額には汗が吹き出している。この魔はそれほどまでに集中が必要で【眷屬創造】と違い、魔素を魔力に変換して使うので保有魔力を使わなくていいが、きついのだ。

彼は白い金屬に魔力を籠めた魔法陣を描いていく。その魔法陣はとても複雑だった。

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魔法陣が書き終わり、金屬に吸い込まれていくと、金屬がフラッシュのように強いを放つ。ソフィアは余りの強さに目を隠してしまう。

おそるおそる、ソフィアが目を開けるとそこには大量のインゴットが積み重なっていた。

「――手に持ってもよろしいですか?」

「はぁ、はぁ、……ああ、……いいぞ」

クレアシオンは息も絶え絶えに答えるが、彼はインゴットを手に取り、息を飲んだ。……しい、と。

白銀の金屬に黒い茨の鎖のような紋様が現れていた。

「これは……」

「魂魄金屬だ」

生きている者は皆、魂を持つ。それは神も同じ。魂魄金屬とは者の魂の波に合わせた金屬の種類と比率で作り上げる合金だ。魂ごとに使える金屬の種類が変わり、同じ種類を扱っていても比率が違う。籠める魔力が違う。それ故、同じ魂魄金屬を作れる者は誰一人として存在しない。

魂魄金屬はシビアな魔だ。混ぜる金屬の割合がしでも狂うと完しない上に、魔が自が複雑で魔力を大量に必要とする。

「鑑定……」

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【ゲファレナ・ゼーレ】 クレアシオン=ゼーレ=シュヴァーレンの魂魄金屬。稀な金屬がふんだんに使われており、特殊な質をもつが、まず目につくのはそのしさだ。どの様に加工してもその紋様だけはなぜか変わることがない。

魔力親和が極めて高く、魔法や魔を付與すると効果が通常より高くなる。しなりがあり、丈夫で武の素材としてここまで適した金屬はない、と加治の神が太鼓判を押す。

魔法職の持つ杖に、理職の持つ武に使える金屬。この金屬でナマクラを打てる者はいない、と言われている。(打とうとしたら加治の神が全力で、そいつに打たせるぐらいなら、俺に打たせてくれ!!と嘆願するからだと言われている)

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「よし、作るか」

クレアシオンがインゴットを手に取り、土魔法で竃をつくり、溶かしていく。その間、ソフィアは固まっていた。

◆◇◆◇◆

「よし、できた。なかなかのだな」

「はっ!?」

クレアシオンが作り終えてからソフィアは正気を取り戻した。それほどまでに【ゲファレナ・ゼーレ】の鑑定結果が凄すぎた。そして――

「なんで、こんな金屬でそんなが出來るのですか!?」

「こんなものとはなんだ!!鑑定してから文句を言え!!」

クレアシオンがずいっと、包丁を差し出した。

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【グルマンディーズ】 クレアシオン=ゼーレ=シュヴァーレンが魂を込めて作り上げた萬能包丁。永久の時を生きた古龍の鱗をも紙のように切り裂く。伝説の勇者の剣に打ち勝つ包丁。

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【グルマンディーズ】、暴食、食道楽と名付けられた白銀の刃に黒い紋様のある包丁。

「な?一生ものだろ?」

一生ものどころではなかった。永久保存され、世界の危機に選ばれし勇者が使うべき剣――――いや、【伝説の勇者のドス】とされてもいいだろう。……そんな勇者は嫌だが。

加治の神たちも泣いていた。俺がクレアシオンと同じ魂魄金屬を作ることが出來たのなら、もっとましな使い方をするだろう、と言われていたほどだ。

「武を作ってください!!」

加治の神達は全員同意しただろう。ゲファレナー・ゼーレを作り上げるまでの行程が凄く仰々しく、彼の期待を上げていたにも関わらず、蓋をあけたら包丁だったのだ。

クレアシオンに魂魄金屬を教えた加治の神――――クレアシオンの鍋を作った神も彼の魂魄金屬には驚いていた。必要な金屬の種類も稀さも圧倒的だったからだ。にも関わらず、彼が最初に作ったは包丁やはりだった。加治の神も激怒したが、

――せめて、最初に作る刃は人を喜ばせる為にありたい。

そう言われて、矛を納めた。その神は知っていたからだ。魔王と恐れられようと、クレアシオンが力を振るうときは誰かを守る時だけと――。多くの命をひろいこぼしてきたクレアシオンの言葉は重みが違った。全て救える訳ではない。なら、せめて、初めてつくる刃は敵を殺す、という目的ではなく、誰かを喜ばせるためにつくりたい、と。

◆◇◆◇◆

「――出來たぞ」

「これは?」

信じられない速さで作り終えた、クレアシオンの手には彼のの大きさに合わせられた小さな剣と大きな杖、短剣があった。そのうちの杖と短剣をソフィアに差し出していた。

「お前は魔法を主に使うだろ?それと、接近されたとき自衛ができるようにこれも持っとけ」

「……ありがとうごさいます」

ソフィアは震える手で【ゲファレナ・ゼーレ】で作られた杖と短剣をけとる。恐らく最高峰の合金で作られたものだ。鑑定出來てしまって、その価値を知ってしまっているので、自然と手が震えてしまう。

杖は赤い石が浮かんでいた。どれもシンプルながら蕓品のような意匠が施されている。最早、武と言うよりは蕓と言っても過言ではないだろう。

「よろしいですか?私にこのようなものを……」

「死なれちゃ困るからな」

ソフィアの武は丁寧に作られていたが、クレアシオンの武はなんの裝飾もない質素な剣だった。それでも、金屬じたいのしい模様はあるが……。眷屬の自分が主より、いい武でいいのか?そうソフィアは考えたが、クレアシオンは長するし、今日、使えたらいいや、と考えていたので簡素に作っていた。包丁の方が時間をかけていた程だ。

そう言って彼は自分の剣を振るう。その剣筋はとても洗練されていて、四歳児のきではなかった。

二、三度剣を振るい、剣の調子を確認した彼は……。

「これ、アイテムボックスに閉まっておいてくれ」

「かしこまりました」

ソフィアはアイテムボックスをひろげ、そこに殘りの大量のインゴットを収納していく。大量に作ったのは一度に作っておいた方が楽だからだ。魔法陣を書き込むのに骨が折れるから。

ソフィアが収納し終わるのを見屆けてから、

「往くぞ、狩りの始まりだ」

三日月のように裂けた笑みを浮かべ、黒い目視できるほど濃な魔素の風を纏い、飽和した魔力が紅いスパークとして迸り、待ちきれないように、背後には魔力でできた紅い口だけの龍達がゆらゆらと揺らしながらオーク達がいつもくる方角に歩みを進めた。

それをみて、ソフィアは無意識に一歩下がってしまった。圧倒的なプレッシャーが放たれていたからだ。

【捕食者の威圧】……。それがほぼ無意識で発するほど、彼の【暴食】はえていた。沢山食べなければ飢え死にする訳ではないが、食べれば食べるほど、誤差のような小さなだが、相手のステータスが手にはいる。――――そう、【力】にえていたのだ。

出來るだけ早く力を付けてアリアとイザベラに會いたい。拾ってくれたアニスとサラを守りたい。理不盡な世界でエレノアには傷ついてしくない。その為には【力】がいる。

もう、あの時のように失わないように……。

ありがとうございました。

とある魔王城で勇者と魔王が激しい攻防を繰り広げていた。連れ去られた姫を助けるため、勇者は魔王に挑んでいた。

「へへっ、これで終わりだ!ヒャッハー!!」

勇者の刺突が魔王の心臓を穿つ。

「グハッ!?」

魔王はを吐き出す。刺されたからは留めなくが溢れる。

「こんな、こんな奴に殺されるとは、だが、覚えておけ、俺を倒したところで第二第三の魔王がお前を……」

「へへっ、覚えておいてやるよ」

勇者は魔王の忠告を素直にけ止めた。武に付いたを舐めながら……。

魔王は力盡きた。そして、勇者は開いている魔王の目をそっと閉じた。

「ヒャッハー!!助けに來たぜ、お嬢さんヒャッハー!!」

幾度となく死にかけ、旅の途中で心が折れそうになったこともあった。だが、一人でここまできたのだ。全ては姫を助けるため……。だが……。

「きゃー。モヒカン、肩パッドよー!!世紀末よ!!」

姫は逃げてしまった。

「……へへっ、馴れてるよ……」

そう、天井を仰ぐ勇者。彼は助けたはずの相手からよく怖がられていた。

彼の手には【伝説の勇者のドス】が握られていた……。

彼は誰にも認められず、それでも助けるために行してきた。彼の頬に一筋の涙が……。

彼はドスに寫る自分の顔を見て、頬を叩いた。勇者がこれでどうするんだ!!と自分を叱咤して、

「……へへっ、誰かが俺を呼んでいる!!ヒャッハー!!」

今日も、ドスを手にモヒカンをなびかせ、肩パッドで風を切り、困っている人の元へ駆けつける。……お禮なんて要らないさ。だって、勇者だから。

無償の人助けをするのが勇者だから。勇者は今日も認められず、だが、腐らずに一人旅を続ける。敵にじゃなくて、助けたはずの人々から心を殺されそうになりながら……。彼は旅を続ける。見返りを求めない人助けをしながら旅を続ける。

歴史上、ここまで善意のみでく勇者はいなかっただろう。なくとも、地位や名聲など無くとも人助けを続けた者はいなかった。彼以外は……

何をやったか、じゃない。誰がやったか、だ。後の歴史家はこう、涙ながらに語った。

これは、名前の殘らなかった伝説の勇者のドスに選ばれた勇者の語。

【ノーネーム・ブレイブ】より抜粋。

誰か!!溫かいスープと布を彼に!!彼の姿は世紀末だけど、彼の心は氷河期よ!!

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