《職業魔王にジョブチェンジ~それでも俺は天使です~》Q【墮天の使徒】は魔ですか?Aいえ、魔です。
四階層に降りる階段の前でクレアシオン達は夜営をしていた。クレアシオンはこれまで狩ってきた魔で味の良いもので料理を作り、食べ、味の悪いものや、本來食べられない魔を暴食のアギトで食べ、ステータスを上げ、エネルギーを蓄えている。
ソフィアはクレアシオンの食べる量に呆れながらも、彼に魔力と普通の食事を貰っていた。何だかんだで、今までは、主と眷屬の間にあるパスを通して活に必要な魔力を貰っていたので、これが初めての食事だった。
「……味しい」
「おかわりいるか?」
余りの味しさに、手が止まらず食べていると、クレアシオンの視線に気がついた。彼は嬉しそうにニヤニヤとして、おかわりをいるか聞いてきた。
彼は、し咳払いをし、顔をそらしながら、誤魔化す。
「変なばかり食べていたので、以外だっただけです」
「しでもつよくるのに必要なんだよ」
彼は手に持つ大きなの固まりにかぶりつきながらそう言った。彼とて、好き好んでゲテモノを喰らっている訳ではない。力が必要だから何でも食べている。
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「……そんなに強くなって、……どうするのですか?」
ふと、その様な疑問をソフィアはじた。クレアシオンは強さに並みならない執著を見せている。強さを手にいれて何がしたいのか。一応、邪神倒す、とは聞いてはいるが、それは頼まれたことだ。頼まれたことにここまで執著するか、と言われれば疑問が殘ってしまう。
「何もしない」
「……何も……ですか?」
ソフィアは呆気に取られる。しは何かあると考えていたからだ。
「強いて言えば、のんびり暮らしたい」
◆◇◆◇◆
クレアシオン達がご飯を食べている間、集まってきた魔をアレクシスが殺し、食べていた。スライム種なので、比較的何でも食べれるので、レベル上げのついでに自分で狩をしていた。
クレアシオン達がご飯を食べ終わった所で四のゴーレム達が集まってくる。所々、傷をおっている。
「……これは、數で攻めても無駄だな」
追加でゴーレムを作らず、ゴーレムを作る分の魔力を他に回した方が良いと彼は考えた。魔力とエネルギーを使えば、ゴーレムを再び作り出す事が出來るが、今の彼ではこれより、強いゴーレムを作れず、作り出した分だけ彼が弱化してしまう。
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數でどうにかなる相手なら兎も角、求められるのは個の強さ。蟻を何匹集めようと、象には勝てないのだ。それなら、クレアシオン自を強化した方が賢い選択だと言えるだろう。
「俺は出來るだけ溫存したいから、お前たちには明日も頑張ってもらう」
『ゴ!』
ゴーレム達はに手を宛てて敬禮をした。
――やっぱり、意思があるんじゃ……。
◆◇◆◇◆
「……すごい」
ソフィアは目の前の景に驚きを隠せないでいた。マップでゴーレム達があり得ない早さでダンジョンを進んでいたのは知っていたのだが、実際に見るのではまるで違う。
手練れと言ってもいいだろう。襲い來る魔を倒しながら、一晩経って復活した罠を素早く解除しているのだから。魔法や魔を使わずにこれほどける者はない。
だが、
「やはり、邪に屬する魔が多いですね」
「ああ」
昨日まで、クレアシオン達が相手にしていた魔とは全く異質な魔で溢れ返っていた。魔と言うより、悪魔に近い者が多い。
植型の魔は食蟲植や、るだけで毒に犯される様な種類に置き換わり、蟲型の魔は生理的恐怖を煽る様な姿になっている。
だが、ゴーレム達が倒して行くため、クレアシオン達は基本戦闘に參加しなかった。
クレアシオンはゴーレム達を倒した魔を倒す為に、エネルギーを溫存し、ソフィアとアレクシスはしでもレベルを上げる為にゴーレム達がわざと殘した魔を殺し、レベルを上げている。
「ご主人様はレベルを上げなくていいのですか?」
いくら、力を溫存しなければならないとは言え、しはレベルを上げた方が良いのでは?と聞くが。
「……このゴーレム達はは魔じゃなくて、魔だよな?」
「……そうですね?疑わしいですけど。」
本當に魔かどうか見れば見るほど疑わしくっていく。もう、あれはゴーレムを作る魔じゃなくて、何処からかゴーレムを召喚して隷屬させている、と言われた方が信憑が高い。
「ファイアーボールで敵を殺したら、経験値るよな?」
「……何がいい――――ハッ!?」
回りくどい言い方に、何が言いたいのか聞こうとして、気がついてしまった。
ソフィアはまさか、と思いながら勢いよくクレアシオンの方を振り返る。
武で敵を殺しても武のレベルは上がらない。魔法や魔で敵を殺しても魔法や魔自には経験値はらない。武で敵を殺した人が、魔法や魔で敵を殺した人がレベルを上げる。
つまり、クレアシオン達のゴーレムが敵を殺した場合、それはファイアーボールが敵を殺した時と何も変わらない。彼に経験値がる。
違いが有るとすれば、ファイアーボールは當たると消えてしまい、ゴーレム達はクレアシオンが消すか、倒されるかするまで、任務を遂行し続けると言うことだけだ。
ソフィアの予想が當たっていたのだろう。クレアシオンは、そっと頷いた。
これが、例えゴーレム達に意思がある様に見えても、彼が魔だと言い張るもうひとつの拠り所だ。
魔法や魔が使えない。レベルが上がらない。クレアシオンに経験値がる。これが、【墮天の使徒】が魔である証明だった。意思が有るかどうか、【墮天の使徒】達にしかわからない。もし、意思が有るのなら、クレアシオンは【生命創造】と【魂】いう【創造神】の領域に片足どころか、ズカズカと土足で踏み荒らしていることになる……。
◆◇◆◇◆
 その後、クレアシオン達は順調に各階層をクリアしていき、遂に問題の九階層の扉の前に著いた。
禍々しい重厚な扉は來るものを拒むように閉じられていた。辺りは不自然なほど靜まり帰っていて、命をじることは出來ない。
なぜなら……。
「……ご主人様。これは……」
ソフィアは扉の方を指差しながら、油をさし忘れた機械人形の様に後ろにいるクレアシオンを振り替える。
「食料」
扉の前には魔の死が幾つもの山をしていた。それはもう、扉を多い盡くす様な勢いで積まれていたのだ。命をじられる訳がなかった。扉の前に有ったのは、大量の魔の死食料と【墮天の使徒】殺戮兵だけだったのだから。そこに命なんてあるはずがない。
今なお、ゴーレム達は食料を守りながら、邪に屬する魔を狩りに行っていた。つまり、ここにある魔の死はゴーレム達が一階層から八階層までに殺した魔と扉の前に待機している間に、生まれた魔と言うことになる。
そうなれば、これ程までの山が出來ていてもおかしくはなかった。
「ここまで來たら、食べてステータスを出來る限り上げるしかないからな」
時間は待ってくれない。レベル上げをする時間はないのだ。レベルを上げれば薬草は確実に手にはいるだろう。だが、エレノアは間に合わない。
ゴーレム達がわざと狩り殘したのは、しでもを馴れさせるためだ。
昨日と同じように、クレアシオン達は食事をとった。中ボスを倒す事が出來ても、その後ろにはダンジョンボスが存在する。
「よし、明日の作戦を言う」
食事が終わった所で、クレアシオンが話を切り出した。
「俺とゴーレムだけでやる」
「なっ!?」
ゴーレム達が束でかかって勝てなかった相手だ。クレアシオンが一人加わった所で勝てるとはソフィアにはとても思えなかった。それに、
「相手は、恐らくAランク以上の魔のです。死ぬ気ですか!?」
【敵知】を持つソフィアには分かってしまう。扉の向こうに存在する魔の強さが。【鑑定】を使っていないから、詳しくはわからないが、【敵知】のスキルレベルが上がったからか、何となくだが、敵の強さが覚で分かるようになっていたのだ。
「死ぬ気ならここにいない。アレクシスとソフィアには俺が死にかけた時に俺を逃がしてしい。アレクシスは俺が指示するまで、影に潛んでいてくれ。そして、アレクシスが闇屬魔法で目眩ましをしている隙に、ソフィアは転移で逃がしてくれ」
クレアシオンとゴーレムが戦闘をし、アレクシスとソフィアは急時の逃げ道を確保する。もし、クレアシオンが戦闘不能に陥った時は、彼より戦闘経験のないソフィア達が無事な訳がない。だから、戦闘には參加せずに、迅速に撤退出來るよう、控えた方がいい。
「……かしこまりました」
その事を理解して、ソフィアはしぶしぶ、引き下がった。
ありがとうございました。
タイトルを『邪神の計畫を世界ごと壊してみた結果~魔王様が逝く、勇者を率いて邪神狩り~』に変更しました。
タイトルを決めた時は、転生の場面が強く印象に殘っていたので、『魔王様が逝く~勇者を率いて邪神狩り~』にしたのですが、今思えば、『逝く』のはプロローグの最後の一回だけだと言うことに気がつきました……。
そこで、タイトルを練り直すことに決めました。(そんなことしてる暇があるなら、もっと中をよくしろなんて言わないで……)
タイトルはいいのを思い付けば変えるかも知れません。
一応考えた候補です。⬇
『墮天転生。邪神を倒す為に転生したはずが、魔王にジョブチェンジしていました。』
『バグ天使がバグ魔王にりまして。』
『誓いの魔王。』
『傾國(理)の魔王。』
『神に勇者を鍛える様に言われたけど、このままいけば敵対ルートデス。』
『邪神が何か企んでいたので、その計畫を世界ごと破壊して見ました。』
『鬼狐の魔王』
『魔王様が逝く~邪神の計畫を世界ごと潰してみた~』
『職業魔王にジョブチェンジ~周りは妥當だと言ってきます~』
『職業魔王にジョブチェンジ~日頃の行い、だそうです~』
『邪神の計畫を世界ごと潰した結果~魔王様が逝く。勇者を率いて邪神狩り~』
あと、三人目の眷屬を【狼】の魔か【優しいお姉さん系のの子】の魔、どっちがいいですか?
【狼】は擬人化ないです。【優しいお姉さん系のの子】かな?やっぱり。ソフィアとバランス取れると思うし……。
評価・想・ブックマークよろしくお願いします。
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