《職業魔王にジョブチェンジ~それでも俺は天使です~》伽噺と謀論
最上級神様にも並ぶ力を手にれた天使は神界で、次々と実績を上げ、信頼を得ていきました。しかし、それを面白く思わない神がいました。天使がこのまま、実績を積み上げ、地位を確固たるものにしてしまうと、神に格上げされてしまう。そうなれば、自分達より、強く実績がある天使は自分たちより高位の最上級神様になってしまう。それを許せない神様がなからずいました。
実際に、天使の神格化の話が最上級神様たちの間で議題に上がっていました。もし、このままいけば、自分たちがこき使っていた天使が自分たちより偉くなってしまう。しかし、今、天使を殺そうとすれば、返り討ちに合い、下手をすれば悪神の烙印を押されてしまう。どうしようか、と悪い神様達は相談しました。
そして、あるものが言いました。
「天使を墮天させればいい」
と言いました。墮天させれば、こちらに大義があるとその神様は言いました。その言葉に他の悪い神様たちは、墮天した天使を殺せれば、自分たちの手柄になる、と考え、その案に賛しました。
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しかし、あの強い天使をどうすれば殺せるのか、と誰かが言いました。すると、
「神界を恨むように墮天させればいい。天使が神界を襲撃すれば、他の最上位神たちが殺してくれる」
と、天使を墮天させる案を考えた神様が言いました。その神様の言う通り、神界が攻められれば、神界の神々が反撃に出ます。いくら、天使が強くても、天使より強い神様たちが數で攻めれば、確実に殺せるといいました。
自分たちで殺せないことに、神様たちは殘念がっていましたが、自分たちの命には代えられない。天使が死ぬならいい、と意見が一致しました。
「では、どうやって墮天させるのだ?」
全部、天使を墮天させた後の事ばかりを言っていて、誰もそこまで考えていませんでした。返りに染まる天使は確かに悪魔のように見えますが、天使は神界の仕事をしているだけです。墮天するどころか、他の天使の仕事を代わりにしたり、とても墮天するようには見えませんでした。
「全て、私と彼がやりましょう」
と、天使を墮天させる案を考えた神様が言いました。その後ろの邪悪な神様を指さしながら……。
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そして、悪い神様は早速、悪い勇者と邪神を倒してきた天使に話しかけました。
「やってほしい仕事があるんだ」
天使は疲れているから、嫌だと答えました。でも、それを知っての言葉でした。悪い勇者も邪神もそれをクレアシオンが倒しに行くようにしたのは悪い神様が仕組んだことだったからです。
それに、天使は疲れていたり、嫌なことがあって、神が弱っている時、飴をボリボリと噛んでしまう癖があるのを知っていたのです。
「大丈夫、すぐ終わる」
天使は神に言ってから行くと言いましたが、悪い神様は自分から言っておくから大丈夫だと言いました。天使は何かおかしいと思いましたが、悪い神様の言葉を信じてしました。
悪い神様は天使の師匠の友達だったからです。悪い神様は何回か會ったことのある師匠の友達が困っているなら、助けてあげよう、と考えた天使の優しさを利用したのです。
天使は悪い神様の言った場所に転移しました。そこで、天使は驚きました。キラキラとるお城の中に転移してしまったからです。周りには王様やお姫様、鎧を著た騎士にローブを纏った魔師がいました。
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天使は足元を見て召喚の魔法陣に気づきました。王様達は勇者召喚をしていたのです。
「おお!!勇者s――――」
「――そういうのいいんで」
そう言うと、天使はスタスタと魔王を倒す旅に出ようとしました。しかし、王様達は出ていこうとした天使を全力で引き止めようとしました。それはもう、全力で。
疲れていた天使はめんどくさいと次から次に出てくる騎士や兵士たちを千切っては投げ、千切っては投げ、塞がれた道を切り開きました。そしてついに、
「わかったから、分かりましたから、案役として一人だけでもいいので、騎士を連れて行ってください」
王様は引き止めるのを諦めました。そして、全ては神様のお告げだと言って、一人の聖騎士を案役にしました。そう、全ては悪い神様が仕組んだことだったのです。天使一人ではすぐに魔王を見つけ出し、倒してしまうでしょう。だから、天使が人間と関わりを持たざるを得なくしたのです。
こうして、天使と聖騎士は二人の旅が始まったのでした。二人は行く先々で悪魔を倒し、國々を救っていきました。
天使は救った人々に謝され、仲良くなりました。
しかし、何年も何年も魔王を探しても見つかりません。人々の被害も大きくなるばかりでした。
天使は焦っていました。それは、魔王が見つからないから、だけではありませんでした。次々に仲良くなった人が皆、悪魔に殺されていくからです。
いくら強くても、天使のは一つしかありません。天使がいない間に、大切な人がどんどん殺されていきました。
天使は神界からの援軍がいつまで経っても來ないことに対して、神界を疑い始めました。天使が地上に降り立ったその日からずっと試している神界への連絡がつかないことがさらに天使の疑いを強めました。
そして、ある日、天使は教會に【魔王】の烙印を押されてしまいました。天使と聖騎士は追われるになってしまったのです。
天使と仲の良かった人達は異端者として、教會の聖騎士達に殺されてしまいました。天使は何度も何度も助けようと手をばしましたが、その手は屆く事はありませんでした。間に合わなかったのです。
天使は力を求めました。今までより強く強く、力をみました。
魔族と人間に追われ、大切な人達を殺され、二人は心ともに弱っていきました。そして――――聖騎士が同じ教會の聖騎士と神達に殺されてしまいました。それは不意打ちでした。
天使は回復魔法を必死に使いましたが、聖騎士は死んでしまいました。悪い神様は知っていたのです。天使が今まで、一人で戦っていたため、他の人の怪我を治した事が無いことを……。
悪い神様の思い描いた通り、天使は墮天してしまいました。
悪い神様は喜びました。これで神界と天使が戦って、天使が殺される、と。そして、弱っている天使を見て、悪い神様思いつきました。
このまま、天使を殺してしまおう、と。悪魔と天使と人に天使を殺すように言いました。
そして、一緒になって襲い來る悪魔と天使を見て、天使の疑いは確信に変わりました。――――邪神と神は手を組んでいる、と。
神界を、神界で一番偉い創造神を倒そうとする天使を見て悪い神様は計畫が全てうまくいったことを確信しました。
 しかし、悪い神様の計畫には沢山の誤算が有りました。それは、天使を追い詰めすぎてしまった事と、その神界の枠の中に自分が含まれていることに気づかなかったのです。そう、天使が一番恨んでいたのは悪い神様だった事です。 悪い神様は真っ先に墮天した天使に殺されてしまいました。
その後、天使は悪い神様の思った通りに、たった一人で、神界に攻めて行きました。
墮天した天使はとても強く、どんなに強い神様でも天使を止める事は出來ませんでした。
しかし、創造神様を殺そうとした天使は、神様達の武で中を貫かれ倒されてしまいました。
◆◇◆◇◆
「……そんなことが」
リーフの語りが終わり、ソフィアは重々しく口を開いた。おとぎ話と言われているが、その容はとても子供に聞かせられるものではないだろう。事実、神界でも子供には前半だけを話し、諦めないことの大切さと上手くいかないときは、回り道をしてもいい、他人を僻んだり、邪魔したりしないで、自分を磨かなければいけない、ほかの人に何を言われても、邪魔されても負けずに頑張る大切さを説いていた。
そして、その続きは子供が大きくなった時、善悪の判斷がつくようになった頃に伽噺としてではなく、教訓や歴史の一つとして語られてきた。
悪いことをすれば、必ずその報いをけることになる。報は必ず味し、その信憑を必ず確かめなくてはならない。大勢に流されたり、與えられた斷片的な報を鵜呑みにすると、いいように利用されてしまう。そして、最後の一文は『どれだけ強くとも、神界に勝てるものはいない』と言うメッセージが込められていた。
「では、ご主人様は神々の神で貫かれて死んだということですか?」
このおとぎ話を聞くと、クレアシオンは神々の神に貫かれ、死んでしまったように思える。しかし、
「いいえ、クレア様が今なんで転生しているのかわからないけれど、なくともその戦いで死んでないわ」
「どういう事ですか?」
リーフの発言にソフィアは首をかしげた。彼の【叡智】によれば、神とは神のみが持つことの出來る神の象徴であり、力であり、その半。神は神や【神殺し】でしか殺すことができず、神は神を壊し、あらゆるものを死に至らしめる武だ。
その神に中を貫かれたはずのクレアシオンがそのあとも生きていとことにソフィアは疑問をじたのだ。
「この伽噺は、真実の神が見た過去を元に作られた・・・・・・お話しなの」
「真実の神が見た過去を元に作られた……?」
ソフィアが疑問に思うことをあらかじめ知っていたかのように答えたのはリーフも疑問に思ったことがあるからだろう。
「そう、まさか、『神界がたった一人の天使に負けました』何て言えないでしょ」
クレアシオンと神界との戦いには多くの謎があり、々な憶測が飛びっており、神界でも事実を知っているものは當事者のクレアシオンと創造神、そして実際にクレアシオンと戦った者しかいないとされ、事実を知る者は一様に當時のことを口を閉ざしたままだ。
そのことがより、議を醸しているのは言うまでもないだろう。あるものはクレアシオンが勝っていた。神界の悪神が次々に粛清されたのがその証拠だといい。またあるものはどちらも深手を負い、これ以上の戦いができないため、一時休戦していて、今も休戦中で、お互いに戦力を集めているのだ、といい。神界の威厳を守る為、『あのクレアシオン』に勝った、と言う話しを作り、それを伽噺として広げたのだ、と言う者もいて、果てには実はクレアシオンと神々は協力して、何かを倒そうとしていた、と言う荒唐無稽な『第三の敵』説や謀論までが出る始末だ。
「昔、父が言ってたわ。『クレアシオンが道化のように振る舞うのは、戒めや強い意思表示かもしれない……』って」
「戒めや意思表示?」
「ええ、『俺は二度と手のひらで踴らない。俺を踴らせれるものなら、躍らせてみろ。踴るのはお前らだ』って、あくまでも、自分の意志で踴るのだと」
リーフや彼の父親もその手のひとりだったのだろう。
ありがとうございました。
神界に通しているリーフの父親とは一……。※本編でれる予定はありません。
リーフが以前言っていた【ムケツノ魔王】とは、無欠?無?クレアシオン結構抜けているし、無欠はないかな……。
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