《努力という名の才能を手に異世界を生き抜く〜異世界チート?そんなのは必要ない!〜》遭遇
俺は初めて家を出て街の中をウォンさんと共に歩いている。
とても賑やかだ、いろんな店が建っており見たこともないような商品が並んでる。
とても活気よく店の人が客と見れる相手と話しすているがこちらに気づくと顔をしかめる。
それが一度なら別に気にしないがそれが何度も立て続けに起きるので気になって仕方がない。
「ねえウォンさん」
「ん?どうしたギル坊。なんか食べたいのでもあるのか?」
「そうじゃないんだけどなんか街の人たちの様子がおかしいなって」
ウォンさんはこれを聞いて
「あー、多分俺のせいだろう。不快な気持ちにさせたか?それだったら悪いな」
「いや別に不快ってわけじゃないんだけどなんか気になって」
「どうせ街の奴らは俺のこと奴隷か何かだと思ってるんだろう」
ウォンさんが寂しそうな顔をする。
「奴隷?どういうことなの?」
「よく街を見ればわかるさ」
俺は言われた通り街を見渡す。
すると店の中をよく見ると首をつけた獣人を見つけた。
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「あれは…」
「あれが奴隷だ。奴隷商に売られ買われを繰り返しも心もボロボロになっていく。最後にはゴミを捨てるかのように命をも狩られる」
「なんで獣人が奴隷なんかに…」
「俺たち獣人は人間には見られないんだよ…いや獣人だけじゃねえ、他の種族も奴隷にされていることもある。人獣はまだ人間として見られることも多いから學校にも行けるし街で難なく暮らすこともできるが獣人は違う。俺たち獣人は家畜として見られてるのさ」
「獣人だって人間じゃないか。俺あの人を助けます!」
俺が奴隷のいる店に駆け込もうとするとウォンさんに服を摑まれ持ち上げられる。
「ちょっとウォンさん!?」
「やめとけやめとけ、そんなことしても何も変わらないぞ?また新しい奴隷が來て終わりだ」
「でもあの人が助かるなら!」
ウォンさんは持ち上げた俺を自分の鼻先まで持って來て
「ギル坊…お前に俺の技を教える前に1つ言っておきたいことがある。ギル坊が今振りかざしているのは正義だ。そうだろう?」
「…うん」
「その正義は確かにすごい。誰にでもできることじゃないだろう。だがな?力無き正義は向けられた相手にとってはただのお節介なんだよ。やるならそれをする覚悟と徹底的にやれる力を1つにつけろ。圧倒的な暴力でもよし。もしくは権力を使ってねじ伏せてもよし。何かするにはそれなりの覚悟と力が必要なんだ。わかったな?」
「…わかった」
ウォンさんは俺をおろし牙を剝き出して笑う。
「よし!分かりゃいいんだよ、じゃあ辛気臭い話は終わりだ。さっさと俺の里まで行くぞー」
「うん」
俺たちはその後街を出て外に出る。
「道はちゃんと整備されてるんだね」
「ああ、馬車が通るときとかでこぼこ道だと大変だからな。この道を進むぞ」
ウォンさんの里か…1人くらい転生者がいそうでやだな。
できれば転生者と思わしき人を見つけたら観察してどう言う人なのか見定めてから接して行きたいと思ってる。
この世界に來てイカれるやつとかいそうだしな。
「ウォンさんの里まで何時間かかるのかな?」
「何時間?何言ってんだ?2日はかかるぞ」
え、そんな遠いのかよ。
…引き返そうかな
俺の気持ちを察したらしくウォンさんは意地悪な笑みを浮かべる。
「男に二言はないよな?ギル坊」
「な、ななに言ってんの?ないにき、決まってるじゃん」
「じゃあ手っ取り早く行くか。ギル坊俺の背中に乗れ」
ウォンさんが中腰になる。
俺はウォンさんに言われた通り背中に乗ると
「よし、ギル坊振り落とされるなよ」
「どういう意味…うわっ!」
俺はどう言う意味かと聞こうとすると突然視界が真っ白になる…いや速すぎて景が見えないんだ。
「うわーー!!!ウォ、ウォンさんー!!!」
「ガッハッハ!!!」
「なんで笑ってんだよー!!!」
「どんどんスピード上げてくぞー!!!」
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」
……
「どうだ?楽しかったか?」
「あれで楽しいと思う方がどうかしてるよ!」
「まあまあ、2時間でついたんだ。修行の時間が増えたと思えば悪くはないだろ?」
「そうだけどさ…え?2時間でついたの?」
「ああ」
「2日はかかる距離を?」
「それは普通の人の速度で考えたらだ」
この人のの構造はどうなってんだろう。
一回この人の細胞やら何やらを研究したら人類は新たな進化を遂げられそうな気がする。
「ほれ、行くぞ」
「あ、待ってよ!」
俺はウォンさんの後を追い里へと向かった。
里のり口には門番らしき獣人が2人槍を持って立っている。
ウォンさんは門番の1人に向かい話しかける。
「おう、ガウ戻ったぞ」
「どうもウォンさん。…その人族の子供は?」
「ああ、知り合いの息子なんだがな。俺の弟子にすることにしたんだよ」
「え!?ウォンさんの弟子ですか!?今まで全く取らなかったのになんでまた人族の子供なんかを」
「こいつの目を気にっただけだ。で?っていいか?」
門番は敬禮をして
「もちろんです!おりくださいウォンさん」
「おう。行くぞギル坊」
「う、うん」
俺はウォンさんの橫に並び歩く。
「ウォンさんってこの里の中でも偉い人なの?」
「まあまあだな。昔よく暴れてたからこの里の大人どもは俺のことよく知ってるがな」
それって問題児として見られてるんじゃないの?
しばらく歩くと他の家より一回り大きい家の前でウォンさんが止まる。
「ここが俺の家だ。帰ったぞー」
「お邪魔します」
「あんたよくぬけぬけと帰ってこれたね!」
「うおっ!?」
「え!?」
ウォンさんが家にるやいなや家の中から飛び蹴りで誰かが突っ込んできた。
ウォンさんはそれを間一髪で避ける。
「おい!コン落ち著け!」
「これが落ち著いていられるかい!黙って勝手に出て行きやがって!」
「ちょっと急用があったんだよ!」
「はっ!帰ってきて最初から言い訳かい!」
コンと呼ばれた人は目にまとまらない速さでウォンさんに向かって蹴りをいれ続ける。
「わ、悪かったから!俺が悪いからもうやめっブッ!!!」
ウォンさんはコンさんの蹴りが顔面にり吹き飛んで行く。
「ふう…ああスッキリした。であんたは?」
「え?」
ウォンさんが空の彼方まで飛んで行き唖然としている俺に向かって突然話が振られ頭がショートする。
「あんたの名前だよ!」
「は、はい!エ、エギル・ルーカスです!」
コンさんは俺を睨んでいる。
コンさんは狐?の獣人なのだろうかしつり上がっている目が特徴的だ。
俺が名前をいうと睨んでいた表が一変フニャと顔を緩める。
「そうかいそうかい!エギルって言うのかい!可い子だね!」
コンさんは俺を抱きしめて持ち上げる。
ウォンさんのしめのとは違いコンさんのはふわっとしてとてもらかい。
「え、えーとコンさん?」
「なんだい?」
「ウォンさんはいいんですか?吹き飛んじゃいましたけど」
「あんくらいじゃすぐ戻ってくるわよ。ほら」
コンさんの目線の先を見ると土煙を上げウォンさんがとてつもないスピードで走ってくる。
「じゃあ中にってゆっくり喋ろうね」
「あ、はい」
俺はコンさんに降ろしてもらい家に上がらせてもらう。
家にるやいなや玄関に俺と同い年くらいの可らしいが立っていた。注目すべきは耳と尾だ。
貓のような耳と尾が生えている。
「紹介するわ。私の娘のミアよ。可いでしょ?」
コンさんに紹介されたミアというに俺も挨拶をする。
「俺はエギル・ルーカスって言うんだ。よろしくね…え?」
俺が手を出すとミアは俺の手をはたき落とす。
「…私はミア。ミア・ガドロノフよ。私ガキとは馴れ合いたくないの。これ以上は私に関わらないで。汚い花火になりたくなかったらね」
「どこの戦闘民族の王子さまだよ」
「え?」
「え?…あ!」
俺は急いで口を手で覆うが遅かった。
ミアはこっちを見て元々大きい目をもっと大きく広げる。
しまった!つい反応してしまった!
ヤベェ、こいつ…転生者だ!
俺がついつい反応してしまったこの一言で俺とミアは切っても切れない縁で繋がってしまった。
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