《努力という名の才能を手に異世界を生き抜く〜異世界チート?そんなのは必要ない!〜》俺が父親だ

ジュンスとレイナを違う部屋で寢かせると俺は元の部屋へと戻っていく。

部屋に戻ると親父と母さんがミアと話し込んでいた。

「そんな!じゃあお父さんはそれが理由で…お母さんはそんな理由で…」

「すまないが考えていくとそれしか考えられないんだ。魔王軍もウォンという戦力を確保しておきたく、コンさんという敵を排除したかったんだ」

「なんで!お母さんは引退したんでしょう?なのになんで殺されなくちゃ!」

しでも危険だと思うものは排除する。それが今の魔王の考え方らしい」

「うう…そんな、お母さん…お父さん」

ミアはその場で泣き崩れる。

俺は走ってミアに駆け寄る。

「ミア!どうした!?…親父!ミアに何をした!」

俺は親父を睨みつける。

たとえ親であったとしてもミアを傷つけるなら容赦しない。

俺を視線をけると親父は

「おいおい。落ち著け。俺はただ真実を伝えただけだ」

「真実?」

「そうよギル。だからそんな殺気立たないでちょうだい」

母さんも親父のフォローにり俺に話しかける。

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「わかったよ…父さん、真実ってなんですか?」

「ははは、また元の口調に戻ったか。さっきみたいな本當のギルの話し方の方が俺は好きなんだがな…まあいいか。話そうじゃないか。立ち話もなんだギル、座りなさい」

「…はい。ミア、立てるか?」

「…うん」

俺はミアを支え靜かに椅子に座らせる。

俺も座ると親父は口を開いた。

「何から話そうか…そうだ、まずその前に俺とシエルが昔何をしていたかを話した方が早いな」

「ええ、そうですね…ギル、ミアちゃん。私たちは昔勇者の仲間として一緒に活していました」

「え?母さんと父さんが?」

俺の質問に2人は頷く。

「そうだ。俺たちは第39代目勇者パーティのメンバーだった。その頃の功績のおかげで今は侯爵なんて呼ばれているが元庶民だから使用人なんてつけてないんだ」

「あの時はあなたも不落の騎士王なんて異名をつけられていましたよね」

「シエルだって癒しの天なんて呼ばれていたじゃないか」

「そうでしたっけ?」

2人でフフと一度笑うと笑みを崩し真剣な顔に戻る。

「その39代勇者パーティのメンバーにコンさんがいたんだ」

「コンさんが?」

「そう。そして私とグラド、コンそれに勇者ストラの4人で國と協力し魔王軍と戦っていたの」

「そんなある日俺たちの元へある男がきた。それがウォン…ウォレイン・ガドロノフだった」

親父は窓の外を眺め懐かしそうに目を細める。

「あいつは強かった。今まで戦ってきた相手の中でやつより強かったものはそうそういなかった。だがそれとともにやつは優しく仲間思いだった」

「彼と私たち勇者パーティ…特にコンが意気投合して私たちは魔族と他の種族を和解させようという意見まで話し合ったの。だけど無駄だった。もう遅かったの」

母さんは悔しそうに下を噛みしめる。

「何があったんですか?」

俺が母さんに質問すると母さんの代わりに親父が話を進める。

「魔王が代替わりしたんだ。昔の魔王はまだまだ話し合いをできる相手だったんだがな。今の魔王、アレミアによって討たれたんだ。それによって魔王軍はさらに手がつけられなくなり様々な國や街、里、村を滅ぼしに行った。それを見てウォンはついていけなくなり魔王軍を逃げ出したんだ。元々あいつは昔の魔王だからついて行ってたからな」

母さんが続きをミアの顔を見て話し出す。

「そしてウォンさんはコンと結ばれミアちゃん、あなたが産まれたのよ」

「…私…が」

「そう。とても喜んでいたわ。俺の子だ!見ろこんな可いぞ!ってね」

母さんは下手くそなウォンさんのモノマネをしてミアに見せる。

「私もちょうどその頃にギルを産んだから同じ気持ちはよくわかったわ。正直うっとおしいななんて思っていた所もあったけど」

「フフ…お父さんそんなこと言ってたんだ」

し場が和むがすぐにが生まれピリピリとした空気が場を包む。

「そんなウォンさんは魔王に連れ去られたんだ…」

俺はつい口から発してしまう。

それを聞いて親父が

「ああ、そうだろうな。逆に今まで狙われていなかったのが不思議なくらいだ。強い奴を連れ戻したいなら全盛期のうちに連れ去ると思っていたが…」

「お父さんを助ける方法はないんですか!?」

 

ミアは機を叩きつけて前かがみになる。

「私助けたいんです!お父さん生きてるんでしょう?だって強い人を集めてるってだけなんですよね?生きてるんですよね?」

「そこまではわからない…」

「そんな…」

「だが落膽はするな。ウォンは生きていると自分の心に刻み込め」

 

「グラドさん…」

「俺だって辛い。友人が1人消え…仲間が1人死んだんだ。ストラだけでなく…コンさんまでも……。だから俺は自分を信じる。ウォンが生きているという事実を自分で作り込む!その思いを心に刻め!そうすれば必ず…必ずウォンは帰ってくる!」

「…はい…私、信じます。自分自を!」

親父の言葉によりミアの絶していた目にはが燈っていく。

「それがわかればいい…さあ話は終わりだ!もう日も落ち外は真っ暗だ。2人とも早く寢なさい」

親父はそう言うと急かすように俺とミアを片手ずつで持ち上げる。

「うひゃ!?」

「ちょっ!自分で戻りますよ!」

「フフフ、いいじゃない。今日くらいお父さんらしいことさせなさい」

「そうだぞ。ギル俺はお前の父さんなんだからこれくらいはさせろ。今日は歩いて疲れているんだろう?…それにミア、お父さんがいない間は俺たちに頼っていいんだぞ。ウォンがいない間は俺たちがミアの親だからな」

「グラドさん…ヒッグ…あ、ありがどうございます…」

「ははは、泣くな泣くな」

「だって〜…ヒック…グズっ…」

俺たちは親父によって同じ部屋に放り込まれ鍵を閉められ外部から完全にシャットアウトされた。

「…ミ、ミア。俺は床で寢るからミアはベッドで寢ろよ」

俺はそう言うとミアに背を向けすぐに床に寢転がる。

「……エギル」

「なんだ?」

「一緒にベッドで寢ようよ」

「へ!?」

俺は思わず振り向く。

そこにはいつの間にか薄著になっていたミアがベットに座り込んでいた。

俺は生唾を飲み込む。

「どうしたの?いつもなら喜んで世紀の大泥棒も驚くような綺麗な飛び込みをするのに」

「…いや…ミアは昨日今日辛いことばっかりだったろう。ゆっくり休め」

俺は再び床に橫たわる。

ミアの聲が聞こえなくなり寢たのかと思ったら何か溫もりをじるものが背中に著する。  

何かと思い振り向くとミアが俺の背中に顔を埋めて寢ていた。

「ミ、ミアさん?」

「今日だけ…」

「え?」

「今日だけ…一緒に寢かせて」

「ミア…」

「あ、明日からはいくら頼まれても一緒に寢ないからね」

ミアはそう言うと寢息を立てる。

「…はいよ…おやすみ」

俺は返事は返ってこないだろうと思いながらもミアに話しかけ眠る。

「…おやすみ…フッ」

「ヒウッ!?」

不意に耳に息を吹きかけられビビる。

「フフフ…ありがとね」

「何がだ?」

「なんでもなーい」

「?変な奴だな」

「えへへ」

ミアは俺の背中に顔を埋め眠った。

俺もミアに続き眠りにった。

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