テストロは1人椅子に座り外を眺める。

「ブフフ…そうかあの2人は王族の護衛に出ていたのか。まあ當然だよね王の誕生日パーティだったからね。ならあの家には子供とミアたんしかいないわけだ…出來れば夜を狙いたいが夜は流石にあの2人は帰って來るしそれに加えて神無も帰るだろうな…だったらチャンスは夕方しかないか…おいサントラ」

「はい」

テストロの橫に突然男が1人現れる。

「ルーカス家に人獣族のがいる。それを生きたまま捕縛してここに連れてこい。他の家にいるものは殺しても構わないぞ」

「はい。かしこまりました…我が主人よ」

男は一度敬禮するとその場から消えていなくなる。

「ブフフやっぱり便利だなぁ。この力は」

……ミア視點

私の右手を握りブンブン振り回すジュンス君と左手を軽く握るレイナちゃん。

「ねえねえミア姉ちゃん！エギル兄ちゃんはいつ帰って來るの！」

「お父様とお母様も…まだですか？」

「んー私にもちょっとわからないかなぁ？でもほらもうそろそろ日も暮れるしきっと帰って來るよ」

「そうだよね！レナその間遊んでよう！」

「うん…何して遊ぶんですか？」

レイナちゃんが首を傾げジュンス君と向かい合う。

ジュンス君はんーと唸りながら腕を組み考え込む。

か、可い！

私は2人のあまりの可さに見ることも困難になり顔を手で隠す。

「よし！レナが好きな遊びにしよう！…レナってどんな遊びが好きなんだ？」

「あたしはお人形さんで遊びたいです」

「よーし！じゃあ人形持ってこようぜ！」

「うん」

2人は手を繋いで部屋までトコトコと歩いていく。

「あ、私も運ぶの手伝うよ」

「ありがとうミア姉ちゃん！」

ジュンス君はニコリと笑って純粋に喜んでくれる。

「ありがとうございます。ミア…姉様？さん？様？」

レイナちゃんもし恥ずかしそうだがお禮を言ってくれて私の呼び方をどうすればいいのか小さな手で頭を抱えてクラクラしている。

私はそんなレイナちゃんの頭を優しくで

「あははレイナちゃんの好きな呼び方でいいよ」

「そ、それじゃあ…貓さんでいいですか？」

レイナちゃんは恥ずかしそうに上目遣いでモジモジしながら私を見る。

可さに悶え苦しみそうになるのを我慢して私は笑う。

「もちろん」

私の言葉を聞くとレイナちゃんは花が咲いたような無邪気な笑顔を浮かべ貓さん貓さんと何度もつぶやきながら歩いていく。

可いなぁと思いながら廊下を歩いていると屋の上に人の気配をじた。

私は不思議に思い上を見上げ闘気を薄く家全域に渡るように広げる。

「なんだろ？…え！！？」

「？どうしたのミア姉ちゃん」

「貓さん？」

「2人共！私のにしっかりつかまって！」

私の聲に驚き2人は私を見る。

私は2人に近づき2人を擔ぎ全力のスピードで１つの部屋へとりドアを閉める。

「どうしたの？いきなり走って」

「び、びっくり」

「ごめんね驚かせちゃって…でもちょっと今はそうしなきゃいけなかったから…」

「どういうこと？」

私はジュンス君とレイナちゃんをベットの下に隠れるように言う。

2人は素直に聞いてくれてベットの下へと潛り込む。

「とにかく2人はここでを潛めて隠れて…いい？絶対に音を立てちゃダメだからね」

「う、うん」

「…わかりました。貓さんは？」

「私はちょっと家の外を見て來るから2人はここで…」

「それで本當に良いのか？ミアよ」

「え！？」

私は突然後ろから聲をかけられ勢いよく振り向く。

そこにはドアを開けた姿勢で立っているアドラさんがいた。

「アドラ…さん？」

「そうじゃよ。また會ったなジュンスにレイナよ」

「アドラだー！」

「…アドラさん」

2人はベットの下から這い出てアドラさんに駆け寄る。

「相変わらず冷たいな！」

「ひんやり」

「はっはっは！2人共、妾に寄るのではなくミアのところへ行ってくれぬか？」

アドラさんの言葉に2人は頷き私の元へ駆け寄る。

「あの…いったいどう言うことなの？」

「ミアよ。今この家には何人の気配をじ取れた？」

私は質問をすると質問を仕返されし戸いながらも答える。

「え…えっと私たちを合わせて２０人。そのうち1人が私たちの上にいる」

「正解じゃ。妾は上のものを殺るからミアは2人の護衛を頼むぞ」

「他の１５人は？」

「安心せい。その5人は妾たちの仲間じゃ」

アドラさんは窓に近づき窓を開ける。

そこから手をかけ窓から上へ楽々と上がって行った。

「いったいどうなってんの？」

私はジュンス君とレイナちゃんを抱きしめながら呆然とアドラさんの出て行った窓を眺めた。