《存在定義という神スキルが最強すぎて、異世界がイージー過ぎる。》第0話 「プロローグ」
「─── 本當に良いんですか!?」
視界がぼやける様で良く分からないが、聲から察するにの聲が聞こえた。
「あぁ、もちろん」
俺は無意識にそう応えていた。
「では ─── お願いします!」
そのの言葉と共に、俺の意識は消えていった ────
◇◆◇◆
「……て………ば」
「起きてってば! お兄ちゃん!」
「うわぁぁああ!?」
「うわぁぁ!? ってなにってるの!」
「……すまん」
妹 ──── 來島希らいじまみきが俺を起こしに來てくれたのだが、寢ぼけてをっていた様だ。
……結構らかかった。
もう一度ってみても。
「なんで、私のに手をばしてきてるのかなぁ、お兄ちゃん?」
顔を上げると、手を組んでムスッとされている希様。
……この場合は。
「もう一度っても?」
「駄目に決まってるでしょうが!」
「うわぁぁあああああああ」
「もうっ! お兄ちゃんはっ! いつも! こうなんだから!」
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「怒りながら、俺の上を飛び跳ねないでくれぇ!」
こいつ!
まるでトランポリンでもしている様に、人の上をポンポン飛びやがる。
──── ドスッ!!
「うぇぇえ!!」
「はぁ〜。すっきりした」
「……全然、俺はしてないんだが ───」
「してるよね」
「だから、全然して ────」
「してるよね」
「はい! してます!」
「よし、許そう」
「ははぁ〜」
……なんでこんな茶番をしているのだろうか。
っていうか、こいつ俺を起こしに來たんだよなぁ。
絶対、當初の目的忘れてるだろ。
「しん〜希ぃ〜。早く下に起きてきなぁさ〜い」
下、もとい1階から母さんの聲が聞こえてきた。
……遅いことを心配してたんだろうなぁ。
「は〜い! お母さん! 今、お兄ちゃん起こしたから〜」
「……起こされた記憶はないんだが」
「起こしたよねぇ」
「はいっ! 希様に起こされました!」
「それでよし!」
はぁー。
何故、俺はこいつにを敷かれているのだろうか。
……分からねぇなー。
そしてこれからも分からねぇんだよな、絶対。
「早く! 下に行くよお兄ちゃん!」
「はいはい」
希は、そう言って俺の部屋から出て行った。
そのあとを追おうとした時、ふと俺はあることを思い出した。
何か。
それは ──── 夢だ。
今日見た夢は朧そかにしか覚えていないが、何か変だった気がする。
何か、あんな夢みたいなのをどこかで験した気がするのだが……。
まぁ、気の所為かな。
……考えても無駄か。
腹も減ったし、さっさと下、行こう。
「はぁ〜味しかった」
「だな」
「そう言ってくれたら作った甲斐があるよ」
「えへへ」
親子仲が大変よろしい様で。
ただ……どう考えても、いやどう見ても親子というよりは兄弟だった。
妹の希は、背が高いと言えば高いのだが、それでも中學生としての高い方だ。
言っても150センチちょっとだろう。
問題は母さんだ。
名前は來島敬子らいじまけいこ。
職業は今、主婦をしている様だが、昔は今でも良く名前を聞くほど有名なモデルだったようだ。
その名殘りというか、母さんはとても人だ。
……いや、違うな。
母さんはとてもだ。
何言ってんだと思うかも知れないが、本當にそうなのだ。
初めて母さんを見た人は「お前の雙子の小さい方の妹、スッゲェ可いよなぁ」と良く言う。
そう、母さんは中學生の妹よりも背が小さく、そして顔がいのだ。
まだ長しきってないようなじなのだが、どこか大人っぽいという。
まさに天使と言うべき人なのだ。
その二人が仲良くしていると、の俺もどこかこそばゆくなる。
何か百合っぽいものを見ているようで。
「あっ、そうだ」
デカい方の妹……。
──── ギロッ
訂正だ。
俺の妹が何か気付いた様に言った。
……訂正した理由はれないでほしい。
ただ、言えることは母さんがこっちを向いていたということだけだ。
「急いで食べなくて良いのお兄ちゃん?」
「なんで?」
「だって、今日ってお兄ちゃん補習だよね?」
「あっ………………………あぁぁぁああああ!?」
そうだった!
あの先生から今日は俺の為の補習をするとか言われてたんだった。
「急にばないで!」
「すまん。けど……やべぇー。行ってくるわ!」
「「行ってらっしゃい」」
椅子にかけてあったカバンを急いで取り、俺はパンを口に挾んだ。
「ひぃってひぃんんすぅ」
「遅刻したら駄目だよ〜」
「ふぅっせぇぃ」
「先生、悲しむから〜」
何故、そこで先生が出てくるんだろうか。
……まぁ良いや。
さっさと行かないと。
「はぁはぁ………ギリギリ間に合った」
俺は膝に手をつき、教室前で立ち止まった。
ゆっくりと深呼吸をする。
すぅ〜はぁ〜
よし!
「失禮しやーす」
返事は無かった。
……職員室にでも何かを取りに行ったのだろうか。
まっ、ゆっくりと待っておくとしましょうか。
──── 30分後
「って、流石に遅いだろ!」
先生の様子でも見に行こうか。
しっかりと俺は座っていた椅子を直し、読んでいた本を後ろの本棚に直して、俺はドアの前まで來た。
ドアに手を掛ける。
「ん? んんんー?」
全然、ドアが開かない。
鍵は閉めていないし……どうしてだ?
ガンガン! ガンガン!
叩いてもビクともしない。
これは、もしや……。
『やっぱり勘が鋭いですねぇ〜』
「………………!?」
どこからだ。
今の聲はどこから聞こえたんだ!
『ここですよ。ここ。ここ』
「分かるわけないだろ!」
『あっ、ナイスつっこみ!』
「あんがと」
って、違ぁぁあうう!
「お前は一誰なんだ!」
『あれ、覚えてないのですか?』
「えっ。知らないぞ」
いや、ガチ目に。
こんな聲の奴は聞いたことがない。
『昨日、夜にお會いしましたよね?』
約束もしましたし。
と聲の奴は言った。
「すまない。昨日の事はあまり覚えてないんだ」
これは事実だ。
朝と晝のことは覚えているのだが、そのあとのことをさっぱりと言っても良いほど覚えていない。
『そうでしたか……。って! ああぁ! そいうことでしたか』
「えっ、ええ。何がそいうことなの?」
『ああ、すみません。勝手に一人で納得してしまって』
そう言うのなら早く説明してほしいものだ。
『私と貴方様は昨日會っているのですよ。夜に踏切の所で』
聲の主が言ったことには全くに覚えがない。
ただ、何故かそれが本當の事の様にじてしまう。
『その時にある約束をして別れたのですが、私には《記憶除去》というスキルがありまして』
スキル?
スキルってあのスキルの事だろうか。
『貴方様の考えられていることであってます。そのスキルの効果で、別れた後に私の記憶を除去するというものがあり、その効果は貴方様もけられて覚えてないのでしょう』
「そいうことね。納得したわ」
『理解力が早くて良かったです』
まぁ、そいうゲームみたいなのは良くしているからな。
「じゃあ質問良いか?」
『はい。どのようなことでも』
「俺とお前はどんな約束をしたんだ?」
一番ひっかかっていたことだ。
この約束というものが、多分、今こいつが俺の前にいる理由だろうし。
『それはですね ──── 私の世界を救うという約束です』
聲の主が言ったのは、なんともとんでもない容だった。
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