(*´꒳`*)ここから本編です。

今日はサナが大凡おおよそ一日中実化する日だ。なので何も出來ない俺は暗い空間にいる。魔剣視點でもいいのだが、つまらないし、気分的に眠たいからこの空間にいた。

そして夢を見た。

「ここは……俺の部屋？」

気が付くと辺りはあの真っ暗な空間ではなく、前世の俺が住んでいた家の寢室だった。俺はその部屋にポツリと佇んでいた。

覚は夢を見ているようなのだが、腕を抓ると痛みがあった。更に、景には所々にが抜け落ちて、モノクロ狀態の空間があった。だが、抵抗も無く前世の日常のレールに沿って進んでいる気がする。

「……取り敢えず學校に行くか」

何気ない日常。いつも通り參拝してから學校に向かう。登校すれば、學校にはいつもの活気があり、いつもの授業があり、いつものバイトがあった。しかし、その何気ない日常に俺はなぜか違和を覚えている。

「何かが違う………」

チク、タク、チク、タク、と音を立てているバイト先の時計を背景に、俺は本の整理をしていた。店はレトロな雰囲気が漂っていて、更に客がないので秒針の音が店に木霊している。

「そもそも何をしていたんだっけ………ん？」

ボーッとしながら店を歩いていたら、外に何かの影が見えた気がした。こんな都會では、まずニュースに載る位の型だった気がする。だが、巡回しているパトカーの警察おろか、通行人ですら気が付いていないようだった。

「誰も気が付いていない？……と言う事は見間違いか」

誰も辺りを見回していないし見間違いだったのだろう。きっと大柄で熊みたいなむくじゃらだったに違いない。と言うか絶対にそうであってしい。あ、でも絶対は存在しないか。

お店の自ドアが開いた。って來たのは現代では目立つ様な古い西洋の、平民の服裝のだった。簡単に言えばファンタジーに良くある村人の服裝だ。だが、誰もがそれが普通の様に気にも留めていない。

は俺の方へと近付いて來る。距離がまるにつれて、俺の心には恐怖が湧き出て來た。

そしては俺の前まで來ると、優しい笑顔と聲で言った。

「貴方の所為よ」

その瞬間、整理してた時に持っていた本が黒くなり、砂の様に崩れ落ちた。そして俺の足元から床が崩れ落ち、俺は意識を失った。

目が覚めると、そこは自分の部屋だった。そう、いたって普通の俺の部屋。外とは違い何も違和がない。

「さっきまで俺はバイト先に居たはず……」

時計を覗けば時刻はとっくにバイトが終了し、家に著いて自室で勉強している時間だった。だが今日ははもう洗ってしまい、特に課題も無いのでもう寢ることにした。

翌日の朝。特に問題無く學校に來れた。學校にもバイト先と同じ雰囲気が漂っていて、どこかおかしい。そして擔任が教室にって來て朝のHRが終わった。

授業は普通に進み、晝休みになった。俺はいつも通り自席で、ボッチで・・・・自炊の・・・弁當を食べていた。

教室を観察しながら弁當を食べていると、廊下で大きな狼が歩いていた。それなのに周りの生徒はソレが存在しないかの様に會話している。

そしてその狼が俺の前に來た。その瞬間、教室とその教室にいた生徒たちは消えて、代わりに荒野が広がっていた。俺の目の前にいる狼はそのまま俺を見つめて、荒野からは次々と黒い皮に変した部分の持つ人間たちや見たことも無い魔が集まって來る。それら全員は苦痛の表で涙を流していた。

そして聞こえてくる。その大人たちの苦痛の聲、子供たちの泣き聲、吠える魔たちの聲、唸りを上げる魔たちの聲、衰弱する魔たちの聲。

どの聲にも共通して、俺に恨みのを抱いている。その恨みに自分の魂が押し潰されそうになる程苦しい。

「どうして僕たちが死ななきゃいけないの？」

「私たちは何もしてい何のに……」

“我々はただ、生きたいだけだったのに……”

次々と彼らは俺に問いかける。これはおそらく、魔剣が喰らった魂達なのだろう。見たことのない人々、見たことのない魔達は、古い書の登場する者達と容姿が酷似していた。

そこに一頭の龍が降り立った。その龍は黝くろく、艶やかな鱗を持ち、瘴気を口から垂れ流していた。

“我はニドヘッグ。汝、我が一部により創られた魔剣とお見けする”

突然話しかけられた。周りにいた人々や魔達はもういない。幻想の様に跡も殘さずに消えてしまっていた。しかし、不思議と龍への恐怖をじない。

「もし、違うと言ったら？」

“カッカッカッ、それは無い。汝は魔剣だ”

「それってどう言う、っ　︎」

そこで急に視界が明るくなった。そして思わず目を瞑り、両腕で顔を覆う様になあらがった。暫くして目を開くと、目の前には彼がいた。肩までの黒髪で、赤い瞳の釣り目。間違い無い、彼はアトラク＝ナクアだ。

「ここは俺の心象風景の……」

「危なかったな、あともうしで喰われるところだったぞ？」

「喰われる？何を？」

「それはお前の魂に決まっておろう」

この會話の覚、懐かしい……會ってから期間が長くは無かったが、なぜか懐かしかった。

「俺の魂がか？」

「あゝ、そうだ。お前達二人が喰らった魂が、まだ弱いお前の魂を喰おうとしておったのだ。ま、そいつらは遙か強力な邪龍の魂に負け喰われ、次に邪龍がお前の魂を喰おうとしたのだ」

邪龍……ニドヘッグの事か。ニドヘッグは確かニーズヘッグっていう龍で、世界樹のを喰らっていた邪龍の名前だっけ？ま、今は流しておこう。

「へー。そうだったんだ。そういえば、外は今どれくらいなんだ？」

「結構危なかったのに簡単に流すのか……外はそろそろ代の時間だそうだ」

「そっか、ありがとう。あ、そうだ。もう一つ聞きたいことがあったんだ」

「なんだ？」

「最近、アトラのが白くなってきたんだけど、大丈夫かな？」

アトラとは、あの白くモフモフしたらしい仔蜘蛛で俺の天使の事だ

「……？……あゝ、娘の事か。それは大丈夫だ。ただお前の好みに変化しているだけだ」

「そうなのか。じゃ、またここにきた時に」

俺はそう言って、サナと代したのだった。