《俺の転生は異世界の最兇魔剣だった!?》27 骨折は後が面倒臭い

昨日の午後は地獄だった……

何が地獄だったのかは思い出したく無い。

今日は南風の月30日目。學園から編試験の日だと通知が丁度來た。全くそう言う類の手紙すら來なかったのでし心配だった。

「でも當日に來るって嫌がらせかよ……しかも今日はアトラと一緒に過ごそうと思ったのに……」

愚癡っても仕方がない。だから俺は、アトラと一緒に學園に編試験をけに行った。

「どうしてこうなった……」

現在、編試験のウチの実技試験の途中だった。相手は試験なのだが、威力は俺を殺す位の技を連発していた。

は用意されていた木製の武の中から木刀を俺は選んだ。そして試験も同じく木製の武で大剣を選んだ。

初めは軽い手合わせ位の威力だったのが、どこかで火が付いたらしく現在に至る。

「どうした!まだ呟く程の余裕があるのか?ぁあん?」

「そう言う貴方だってそうじゃないですか!」

「ハッハッハッハッ。そりゃあ、まだ二割しか出してないからな」

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oh……まだ二割って化けかよ……

け流して一杯な俺にとって、今とても重要なのは生き殘る方法なのだが全く見つからない。試験の敗北は、武が使えなくなるか、試験が続行できなくなるかの二つだが、やはり外部からって來るものに厳しくしているのだろう。でないとこんな化けを試験にしないだろうし。

「!」

け流しながら考えていたら強烈な蹴りを橫から喰らった。その衝撃で左の二の腕の骨が折れた。

痛い。気を失う程に痛い。しかし、今ので冷靜になれた。ここは一旦距離を取ろう。

俺は後方に飛び、試験から距離をとった。

「もう止めた方がいいんじゃねぇか?左腕はもう使いにならなくなっている様だしな」

そうだ、左腕の骨は折れた。ただ折れたのではなく砕されたのだ。たとえ癒したとしても、変に骨が繋がってしまう。

「いえ、まだやれます。お様で冷靜になれました」

〈屬付與エンチャントⅠ:毒〉を木刀に付與し前に突き出す。左腕の骨が砕けた今、腕は筋だけで繋がっている為、ゆらゆらと肩から垂れ下がっている。偶に自分のに軽くぶつかるので、そのぶつかった瞬間に痛みが走る。だが我慢して構えに移る。

「先に言っておきます。この木刀にはれた植類を腐敗させる毒屬を付與しています」

「ほう、それがどうした?」

「手加減が分からないので、れない様にしてくださいっ」

そう言い終えると同時に俺は踏み込む。そして〈居合〉を発する。そこから速さと威力を上げるために〈強化Ⅰ〉、脳の処理を追いつかせるために〈思考加速Ⅰ〉も一緒に発する。

風の抵抗をけて後ろに引っ張られる左腕が気を狂わせる程に痛い。

「おいマジかよ⁉︎試験だぞこれは!こいつイカれてっ⁉︎」

この人を殺す気で俺は懐に潛り込んだ。この時點でもう武破壊は俺の頭の端から抜け落ちていた。一応言っておくが、木刀に付與した毒はアトラジンだ。アトラジンは除草剤の一つで、環境汚染が問題になっただ。ちゃんと毒を持っているので、扱いには注意が必要だ。

「噓だろ……」

「それは俺の臺詞だ。つか、マジで殺しに來やがった……」

決めたと思ったのだが、間一髪のところで防がれた。この防へと回す速さは先程の二割の強さではあり得ない速さだ。しかし、木剣は俺の木刀にれた。その瞬間から木剣は腐り、崩れた。普通は時間がかかるのだが、ここはやっぱりファンタジーな所だと改めて思わされる。

丁度、試合が終わったのでアトラが俺に飛びついて來た。ずっと手を出さずに待っててくれていた様なので、これはご褒をあげなければ……

「終わりましたね。もう帰っていいですよね?」

「ああ、ちょっと待て。結果は明日に送られるだろうが、その前にその腕はどうするんだ?」

おっと忘れてた。確かにこの腕はもう使えないんだよな……今のままだったら。

「大丈夫です。ちゃんと考えがあるので」

「そうかい。ま、合格だって俺は思うからその時はまた

殺り合うか?」

「遠慮します」

やり合うが、殺り合うって言う雰囲気だったのですぐに斷った。

垂れ下がっている左腕がにコツ、コツ、とぶつかって來る。正直に思ったことは、もう使えない左腕を引き千切りたい。しかし、流石にアトラの前では出來ない。

そして俺は試験會場を後にして、とある場所へと向かった。

「キリカ=エムメレク様はいらっしゃいますか?」

キリカの部屋の扉をノックして俺は言った。し時間が経ったので、左腕の痛みに慣れた。だが、まだ痛い。この腕の狀態をキリカが見たらどう反応するか、ふと気になった。

「はい、今向かいます」と反応があってから、し時間が経った。

扉が開かれると、直ぐにキリカは驚いた。

「お待たせしました……ど、どうしたのですか⁉︎」

予想通りの反応だった。だがそこが可い!

背景では「ハワワワ……」という様な雰囲気がキリカが出していて、更に可く思える。

「試験の人にやられた。確か……ゴーレム?みたいな名前で筋巨人だった」

「ローサム先生の事ですか?」

「そうそう。ローサム、ローサム。そういう名前の化けの二割の力にやられた」

「ああ……確かのあの人は人外みたいな強さですからね……経歴にはランクS以上の冒険者だったそうですし…………」

「ランクS?」

「そう言えばケイト様は知りませんでしたよね。ランクSと言うのは……って、そんな事よりその左腕は大丈夫なのですか⁉︎」

あー、流石に流れないか……

「正直に言うと邪魔で仕方がない。(一度死んで再構築しようかなぁ……」

「ですよね……あ、確か私の友達のシャヌアちゃんがそう言う系の回復もできる神でした!多分今はあそこにいると思うのですが……」

ブツブツと何か言い始めたキリカの上にいつのまにかアトラが乗っていた。これは何かこう……可い以上の可さが……

「ん?シャヌアって、聖って呼ばれている人?」

「はい、そうですよ。今は多分図書室にいると思います」

「へー、キリカと同じ本が好きなのか」

「は、はい……本が…好き?な子だと………思い…ます……はい」

何か相手が知られていないと思っている事を知っている風な言い方でキリカが肯定する。しかし、今は一度消滅しないで腕がもと通りになれる方法の方が重要だろう。なので俺は、アトラをキリカに預けて図書室に向かうことにした。

「あ、ケイト様に筆記試験の出來合を訊きそびれました……」

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