《俺の転生は異世界の最兇魔剣だった!?》29 合格通知が來ました

アトラを迎えに行って、俺は宿に戻った。やっぱり宿の將さんはうちの天使の可さを理解してくれる良い人だ。

ただ殘念なのは、夫さんが最近浮気しているところかな?

「さて、結果は明日來るらしいけど……今はアトラを沢山でるか!」

部屋に戻って早々、俺はアトラを沢山可がった。最近は小さなボールを転がして遊んでいる。特に、ちょこちょことボールを突っついて転がしているところが可い。

砕骨折による神的な苦痛はこれで癒されたし、そろそろ寢るか。

真夜中、一人の男が宿屋の裏口からコッソリ出てきた。その男は小さな風呂敷を擔ぎ、足音を殺してその場を去ってしまった。

暫くして、男は後ろを向いた。どうして後ろを向いたのかと言うと、彼は視線をじた。しかし、気の所為だと思い、再び足音を殺して歩き始めた。

辺りは暗闇で包まれ、街燈の燈りが等間隔に寂しく路を照らしている。今夜は曇りで月明かりさえも屆かない夜だった。この暗さなら誰にも見えないだろう。

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だから男は、目的の彼の家に向かう事にした。だが、やはり視線をじる。しかも、気配も薄っすらとじる。おそらく距離がんでいるのだろう。

し恐怖をじ歩みを速める。が、恐怖に負け、直ぐに走り始めた。

それと同時に、影が男を追う様に追いかけて來た。しかし、足音はその影には存在しない。

「ひぃぃぃぃ!」

は思わず聲を上げる。しかし、直ぐに聲が出なくなった。男は驚いて立ち止まってしまう。

どこも痛みはじない。しかし、首元がやけに熱い。更に、首からは何か生暖かいものが垂れている様な気もした。

「ッ――――!」

聲を出そうと思って男は気が付いた。そう、笛が綺麗に切られていたのだ。更に首に手を當てると切り口からは生暖かいと一緒に空気がれ、男は苦しさもじ始めた。

そこで男の背中から短剣が生えた。その短剣は、左側に生え、心臓を摘出する為にいている様だった。いや実際に、男を追っていた影が心臓を背後から摘出している。返りには気にも留めず影は心臓を摘出した。そして、小さな祭壇を懐から用意するとそれを置き、祭壇の上には心臓を捧げ、祈った。

「我らが神、イゴールナク様。主の子の心ノ臓を今宵も捧げます…………」

祈りが終わると心臓は消え、黒い靄が影を包んだ。

「おい!そこで何をしている!」

見回りをしていた兵士が影に方へ聲を掛けて來た。影はその聲を聞いて急いで首をから離し、その場から闇に紛れ消えてしまった。

兵士が影の板場所へ駆け寄ると、そこには心臓を背後から抉られ首を刈られた男の死が放置されていた。

「うぷっ……これは酷い……」

どうやら兵士はまだ新米らしく、今夜が初めての夜回りだったらしい。

兵士は吐き気を我慢しながら直ぐに報告しに戻っていってしまった。その場にはまだ、小さな祭壇があった事も知らずに。

新しい朝が來た。希は特に持ってないけど朝は來た。

俺はアトラを起こさない様にを起こし、ベッドから出る。耳を澄ませるがこの時間はまだ早いらしく、まだ包丁などの音すらしない。それもそうだと思った。何故なら、俺は日の出と同時に起きたのだから。

「日頃の生活の癖だな。ま、下には降りてみるけど」

階段を下りると、辺りは散らかっていた。その散らかり方は異様で、盜人の仕業では無い気がした。

俺はそのまま階段を上り、自分の部屋に戻った。今、誰かに見られたら疑われるに違いない。そう思った。そう、だから俺は何も見なかった。何も荒らされていなかった。君たちも何も見なかった。いいね?

部屋に戻ると、アトラは起きていた。部屋中をき回り俺を探している様だったが、俺が部屋にると直ぐに飛びついて來た。

「おっと、ごめんよ。ちょっと外の様子を見ていただけだから安心して」

俺がそう言ってやると、直ぐに降りてくれた。こう従順な子ほど可がりたいのは俺だけだろうか…………?

そんな事を思いながら、完全に白になったアトラとボールで遊びながら俺は朝の時間を過ごした。

將さんが手紙を屆けに來てくれた。結果は案の定合格。しかし、気になることがあった。それは、將さんの様子がいつも以上に明るい事だった。

「何か良い事でもあったのですか?」

手紙をけ取る前、嬉しそうな理由を聞いてみた。

「あら?分かっちゃう?」

「ええ、雰囲気的に」

「実はね〜ウチの旦那が他のの所に行ったの」

え?それって喜んで良い事なの?

「しかもね、金目のものも漁っていたのよ」

それはもっと良い事じゃな気が……

「ウフフッ、確かに不幸な事だけど私には裏通帳が有るから問題無いのよ」

「そ、そうですか……」

「しかも店の手伝いもおろか、家の手伝いもしないから本當に良かったわ〜口減らしせずに済んで」

「は、はぁ……って、そろそろ朝食を作らないのですか?」

「あらいっけない!話しすぎたわね、それと合格おめでとう!それじゃ!」

そう言って將さんは階段を下りて行ってしまった。本當に若々しいと思う。でも、あれで五十と幾つなんだよな……恐るべしアンチエイジング…………

「凄い元気な人だな……(そんなを裏切った夫さん、見かけたら闇討ち」

ま、今は朝食を頂いてからキリカに報告するか。

朝食が出來たらしいから降りたら荒らされていた形跡は、元からなかった様に綺麗だった。あ、元から荒らされていなかったんだった。なんで荒らされたって思ったんだろう?元から荒らされていなかったのに。まぁいっか。

そして朝食も豪華だった。どう言う心境なんだこの人は…………でも味しい。

味しかった………あ、キリカに結果を報告しないと」

そう呟いて、俺は魔剣を腰に下げて學園に向かった。

その途中で野次馬の集まる所に、將さんの夫の人形を見たのは言うまでもない。

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