《拾ったのはダンジョンコアでした!?》26話 ダンジョンゲートを移させました!

「どうしょうか?」

「どうしましょう?」

「わお?」

「「モキュ?」」

『私に提案があります、マスター』

ここが冒険者たちにバレてしまったのでどうしようかとみんなで考えていた。

「提案?」

『はい、ここがバレてしまったので移してしまいましょう、マスター』

ダンジョンコアが提案したのはダンジョンを移させることだった。

「どうやって移するんだ?」

ダンジョンコアはダンジョンから出すことはできないためここから移するなんてできないはずなんだけど。

『ダンジョンゲートを移させるのです、マスター』

ダンジョンゲートとダンジョンと外の世界を繋げる扉みたいなものだ。確かにダンジョンゲートを移させたら冒険者たちから逃げることは出來るけど。

「どれくらいの魔力が必要なんだ?」

『全部です、マスター』

「はぁ~全部か」

『はい、全部です、マスター』

ダンジョンゲートを移させるにはゴブリンとの戦いから貯めてきた魔力を全て使わないと出來ないようだ。

「仕方ないよな」

『仕方ないと思います、マスター』

ここで魔力を殘しておいて冒険者たちと戦うよりも、魔力を使いダンジョンゲートを移させた方が安全で確実に生き殘れるだろう。冒険者たちはたくさんいるので倒しても倒してもやってくるだろう。そしてそのうちめっちゃくちゃ強い冒険者が來て攻略されてしまう危険があるのでやっぱり移させた方が安全だな。

「それで移先はどこになるんだ?」

「分かりません、マスター」

「え!?」

『移先はランダムに決まります、マスター』

ダンジョンゲートの移先はランダムに決まってしまうとのことだ。

「はぁ~それでもやるしかないよな」

『そうですね、やるしかありません、マスター』

「それじゃ移させるか」

『分かりました、マスター』

僕はダンジョンゲートを移させることにした。僕が生まれた村とももうお別れになってしまう。だが別に村にはいい思い出がないので別にどうってこともないけどな。なんたって僕の家はこのダンジョンなんだから、生まれた村とも離れても悲しくもなんともない。村長も僕が消えてくれて喜んでいるはずだからな。

「それじゃダンジョンゲート移!」

『それではダンジョンゲートをランダムに移させます、マスター』

僕達のダンジョンゲートがあった窟から消えていった。窟はダンジョンゲートがなくなったことで普通の窟に戻っていた。もうここから僕のダンジョンコに侵することも出て行くことも出來なくなってしまった。

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