《召喚チート付きで異世界に飛ばされたので、とりあえず俺を転移させた神さまを召喚することにしました》第17話 冒険者ギルドへ

「おぉ……!」

プロメリウスに無事にった俺たちを迎えたのは、雑多な街並みだった。

冒険者らしき人や商人、ただの村人や僧のような格好をした者もいる。

人間だけでなく、ケモミミの生えた獣人や、ドラゴンのような翼の生えた人もいた。

実にファンタジーである。

門のすぐ近くの表通りだからか、人も多いが店も多い。

怪しげな食べを売っている出店や武屋、類やアクセサリー類の店などもある。

向こうのほうに見えるのは、もしかするとポーションの店だろうか。

見慣れない形狀のガラス瓶の中に、鮮やかなが詰められている。

しかしあれを飲むのか。かなり勇気が必要だな……。

「どうですか、プロメリウスは?」

「いや、すごい。ここまで大きな街とは思ってなかった」

フィンのドヤ顔に、俺は素直な想をらした。

街全にものすごい活気がある。

日本でもここまで元気な街はそうないだろう。

「しかしプロメリウスに來たのはいいが、どうしたものか……」

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やるべきことは多い。

パパさんに貰ったお金があるので、まずは生活必需品の調達をするべきか。

しばらく滯在するとなると、泊まる場所も考えなければならない。

フィンもいることだし、安い宿を取るのが無難な選択肢だろうか。

日銭を稼ぐ方法も考えなければならないが、本格的にくのは明日からでもいいだろう。

今日はもう午後を回ってしまっているし、々とやっていたらすぐに日が暮れてしまうはずだ。

「ソーマさんが悩んでいるんでしたら、まずは冒険者ギルドに行きたいんですけど、いいですか?」

「あ、ああ。じゃあまず冒険者ギルドに行くか」

「はい!」

フィンのそんな提案をれ、俺たちは冒険者ギルドまで足を運ぶことにした。

フィンがいるので、冒険者ギルドに行こうとして道に迷うことはない。

の後について行って、しばらくして著いたのは、無骨な役所のような建だった。

あまりファンタジーなじはしない。

実際役所なのだから仕方ないのかもしれないが。

り口で突っ立っていても仕方ないので、フィンと共に中へる。

中も、日本の役所とそこまで大きな差はない。

し違うのは、冒険者らしき人達が椅子に座ってたむろしていることくらいだ。

その椅子とテーブルは、書類などを書くときのために用意されているものなのではないのだろうか。

そんな益のない想を抱きながら、俺とフィンは冒険者ギルドの付へと向かった。

付にいるのは淺黒いをした男だ。

他の付も見たが、かわいいお姉さんなどいない。

まあ別にいいのだが。

「いらっしゃい。今日はどんな用かな?」

「冒険者ギルドに登録したい。二人、頼めるか?」

「あいよ。一人五百ディールだ」

金取るのかよ。

と思ったが、そりゃ登録料は必要だろう。

おとなしく払うことにする。

……いや、ちょっと待てよ。

「召喚士が冒険者ギルドに登録しても大丈夫なのか? 召喚士のジョブが消えたりとかは」

「大丈夫だと思いますよ。ソーマさんが召喚士ギルドに登録したいとおっしゃるなら話は別ですけど」

フィンに小聲で聞くと、そんな答えが返ってきた。

どうやら大丈夫らしい。

「ん? 兄ちゃんは召喚士なのか?」

「ああ、まあな」

付の男にも聞こえていたらしい。

これからはし聲量に気を付けて話した方がいいかもしれない。

「召喚士ギルドに行くのはお勧めできねえぞ。あいつらは自分たちの利権を守るのに頭がいっぱいだからな。新しい召喚士を快く迎えれようなんていう気はさらさらねえよ」

「ふむ……そうなのか?」

たしかに、それはあるかもしれない。

召喚士というのは召喚の時だけ働けばいいのだから、普段は特に何もする必要がないのだろう。

それだけで十分な稼ぎができればの話だが。

新しい召喚士を迎えるということは、それまでいた召喚士たちの利権が減ることに直結する。

召喚士たちと繋がっているであろう召喚士ギルドの方も、新しい召喚士の訪問など面倒でしかないに違いない。

「おうよ。由緒正しき召喚士様たちを抱えてればいいだけの簡単なお仕事さ。それで食っていけるだけの金が手にるんだから、世の中イカれてるぜ」

付の男は忌々しそうに召喚士ギルドの悪口を言っている。

あまり好かれてはいない……というか、完全に嫌われている。

それは同じような組織に所屬しているのに、彼らの利権が守られているからなのだろうか。

「それより、うちのギルドにったほうがいいさ。冒険者ギルドは誰でも歓迎する。ちゃんと依頼さえこなせば、だがね」

男はにやりと笑った。

裏を返せば、依頼をこなさなければ歓迎しないということでもある。

どの程度の依頼をこなせばいいのかはわからないが、ルーキーにいきなりえげつないノルマを課すようなことはないだろう。

そこまで心配するほどのことでもないか。

とにかく、冒険者になることに抵抗もない。

ずっとプロメリウスにいるわけでもないため、移しながら日銭を稼ぐにはちょうどいい手段だろう。

「そうだな。それじゃあ俺もお願いしよう」

「ああ、歓迎するぜ新り」

そんなわけで、フィンと一緒に俺も冒険者ギルドに登録することになった。

フィンに利用規約を一通り読んでもらったが、俺が知る常識の範囲の行をとっていれば何も問題なさそうだ。

「ほー。これがギルドカードか」

「はい! 私も初めて見ました」

フィンが嬉しそうにしながら手に持っているのは、銅をした小さいカードだ。

これが冒険者ギルドに所屬していることの証になるもの、つまり分証になる。

記載されている報は簡単なものだ。

その人の名前、年齢、種族、依頼を功した回數、今現在の冒険者のランク、こんなものか。

ちなみにランクは1から5まであり、5が最高ランクとなる。

ランクによってカードの材質も豪華になっていく。

一番上のランク5のカードはプラチナでできているらしい。無駄に豪華である。

冒険者になりたてほやほやである俺たちのランクは、もちろん1だ。

に輝くブロンズのカードがまぶしい。

ランクを上げるには、とにかく依頼をこなすか、魔を討伐してドロップ品を冒険者ギルドに売卻することが近道のようだ。

五段階しかない分、簡単にはランクは上がらない。

ランクを上げると、ギルドからいろいろな支援をけられるようになるらしいが、だいぶ先の話だろうと思いあまり調べていない。

とにかく、俺たちは無事に冒険者になることができた。

明日から頑張ろう。

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