《異世界不適合者の愚かな選択》終焉

俺とグリナは今、浜辺にいる。

一緒に月を鑑賞していた。

優しく頬をでる風、

心地よく響く波音、

俺の隣に寄り添う人、

こんな時間がいつまでも続いてほしい。

そう思っていると、ふと、グリナの方から話しかけてきた。

「ねぇ、カナタ様。」

俺の隣で、俺に抱かれていたグリナは、見上げて、俺を呼ぶ。

「なんだ?」

俺はそれに優しく答えた。

「私、もう一つ見たいものが出來ました。」

人は深い生きだ。

何かをし遂げれば、次のことを求む。

それはたとえ一國の姫であっても同じのようだ。

そんなグリナに俺は、微笑んで返した。

「そうか、何が見たいんだ?」

「はい!それは、日が昇る瞬間です。」

沈む瞬間を見たなら次は昇る瞬間を見たがる。

姫様は、そんなことも許されてなかったのか?

意外とこの國王は、厳しいんだな。

だったら何故國の外に出したんだ?

それとも逃げてきたのか?

々と疑問は浮かぶ、が、そんなことはどうでもよかった。そんなことよりグリナの方が大事だ。

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「そうか、じゃあ一緒に見ような。」

俺がそう返すと、グリナはとても嬉しそうに微笑んでくれた。

俺としても、可いグリナの顔が見れて満足だ。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

しかし、こんな幸福な時間がいつまでも続くわけがなかった。

空は黒く澄んでいた。

その空を幾つもの影がまるで引き裂くように橫切った。

グリナもそれに気付いてパッと起きる。

顔は一気に険しくなり

「魔…ガーゴイルです!

あの方向は…ガルナ王國の方です!」

「なんだと?!夜襲か?!」

いや、にしては、數が多すぎる。

嫌な予がする。

それにガーゴイルは速い、本気を出せば

誰にも気付かれずに飛ぶことだってできる。

「グリナ!こっちへ來い!」

「はい!」

俺はグリナの手を握って、転移を使った。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

王國についた。

すると、突然兵が俺たちを囲う。

「どういうつもりだ!」

俺がそう聞くと、騎士団団長が、前へ出た。

「王國を欺いた貴様には話すつもりは無い!」

「王國を欺いた?

どういう意味だ?」

何を言っているのか意味わからん。

「とぼけるな!貴様がグリナ姫を外に攫い、その捜索に兵を當てた時に魔族に奇襲を仕掛けさせただろ!」

「どういうことだ!

姫を攫ったのは確かだが、魔族に奇襲を仕掛けさせた?

何を言っている?」

「お父様!お父様は?」

グリナが大きな聲でんだ。

すると、兵は一同に頭を下に向いた。

「國王は、奇襲の時に、殺された。」

「なん……だと?

國王が死んだ?」

バダン

俺の橫でグリナが倒れた。

「え?噓?

お父様が……」

目が虛ろになり、現実をれられずにいる。

俺ももちろんそうだ。

國王が死んだことも、俺が奇襲を指示したことも。

俺がそう考えている時に騎士団団長が

「姫様!あいつから離れるのです!

あいつは魔王です!

私水晶を使ってあいつの事について調べました

するとステータスに、魔王と書かれていた!

これは揺るがぬ事実!」

団長が、そうぶと、グリナは急に立ち上がった。

虛ろな目から、一変し、3分の憎しみと7分の信じられない目で、俺の見つめた。

「どうなのですか?

団長様が言っていることは本當なのですか?!

どうなんですか?!

答えてください!」

グリナは俺のを強く揺さぶった。

俺は、何も答えることが出來なかった。

自分の人には噓はつけない…

しかし

「俺は……

あぁ、俺は確かに魔王だ!

だが!俺は魔族に奇襲を仕掛けさせるようなことはしてない!」

本當のことである。

するとグリナは、今までのを一つ殘しすべて閉ざした。

殘されたのは、強い憎悪だった。

「すべて噓だったのですか…」

「違う!俺は本気だ!」

「この後に及んでまだ……」

「姫様!こちらへ!」

団長が、ぶ。

「うるさぁい!」

初めて聞く、グリナの怒った聲だった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

もし、あなたと私わたくしの出會い方が違うのであれば。

こんな気持ちになることはなかったのでしょうか?

こんな結末を辿ることもなかったのでしょうか?

あぁ、しのあなた、憎いあなた》

城の外は戦場、

人族は獣人族と結盟し、魔族と対抗している

戦場は赤で染まっている。それに、同調したかのように天空も紅に染まっている。

とてもこの世のものとは思えない悲鳴。

このような結果をあなたは願っていたのでしょうか?

おしくて、憎いあなたが私の中をかきす。

《もし運命が存在するのなら私はきっと願っていたでしょう。あなたと私が、違う形で出會うことを

こんな気持ちにさせるあなたを私は……》

そう、運命が存在するのならきっと、私達はきっとやり直せます。

このような悲しい歴史を辿ることのないような。

そんな運命に……

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

此度より、我らは

この大戦に、悲しい歴史に、終止符を打ちます!

「姫様」

「グrin」

俺がぶより前に、俺の足元に魔法陣が現れた。

それは一瞬の速さで俺とグリナの足元を包み。

そして、

【古き時代に起こしり慘劇、我は我を生贄に祈りを捧げん、さすれば我が願い聞き屆け給え!】

グリナによる詠唱。

それが終わった途端

兵士は皆消滅し、城には凄まじい冷気が侵食する。

グリナのがみるみる凍っていく。

俺はそれを見て

「グリナ!」

びながら、グリナの元へ走ろうとした。

しかし、俺の足元は既に凍っており、まともにくことすらできなかった。

「くそ!」

『ユニークスキル:否定を発

凍るのを防ぐために使った。

だが、それはまるで意味をなさなかった。

俺の足元の氷が一瞬消えただけだった。

しかし、それはその一瞬で、グリナの元へ駆けつけた。

グリナは既に凍っていた。

俺は凍っているグリナを抱え、目に涙を浮かべる。

俺のはもう凍っていた。

(くそ……何でこんなことに…

くそ……くs…。)

城は崩れ、殘ったのは一つの、氷の塊だけであった。

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