《天の仙人様》第5話 生を知る
一か月の月日がたった。
おそらく一か月であろう。月が満月から新月に変わるまでの期間をまたその逆を、俺は見ていたのだから。
いまだにこの國の言語は理解できてはいないが、地球ではないということはわかっている。わかってしまったのである。
魔法があったのだ。
メイド服を著たがたまに指先に火をともしながら廊下を歩いている姿を目撃していた。そうして俺は、ここが別の世界だということに気づいたのだ。というか、廻転生って地球とかに転生するもんだと思っていたのだがな。そんなことはないらしい。そもそも、他にも世界があるのだと思ったものである。地球だけに生命がいるとは思わなかったが、魔法を使える世界があるとは。なかなかに面白い世界だと思うわけであった。
で、肝心の仙の方であるが……全く進展していない。仙の「せ」の字すら見えていないのである。
今やるべきことはに存在するエネルギー、気ともいうのだが、それをじ取ることである。それが難しい。ヒントとして教えてもらったのは、「生きているということをじろ」というのであるが、わからん。
なので今は、生きているということを頭の中で復唱しながら生活している。生活しているといっても、寢て、食べて、出して、の繰り返しではあるが。心の中で「俺は生きているぞ!」とびながらだから、他の人とはしばかり違う生活を送っているかもしれない。
「―――――」
父さんが俺の部屋にってきて、俺のことを抱き上げた。たまに、父さんは俺にかまいたがるのだ。ストレスでも溜まっているのだろうか。
俺は元気を出してもらうために、手で頬をぺシぺシと叩く。すると、にやけたような表が緩んだ顔を見せるのである。俺はその顔が好きであった。
「ハハハ、――――――――」
父さんは笑いながら何かを言ったのだが、いまだにわからない。
しばらく、父さんに頬をつつかれていた。それに飽きたらしく、俺をベッドに戻すと部屋を出ていった。
俺はぼーっと扉を見つめていたが、特に誰かがってくることはなかった。
で、修行に戻ろう。修業とは言うが、なんのことはない。俺は生きていると思うだけである。しかし、これが正しいのかはわからない。そもそも、生きているということを俺の中では理解しているつもりでも、理解できていないということになるわけであるが、では生きているということを理解するというのはどういうことなのかがさっぱりわからないわけだ。
俺は試しに手を握ったり閉じたりしてみるが、だからといって何の意味もない。意味はあるかもしれないが、がいているということがわかるだけである。
「あーあー。だぶだーぶ。だーだーだー。だーだぶぶっぶ」
歌っているわけだ。何の曲かは知らない。そもそも、存在しない可能がある。俺が作曲した曲というわけである。歌は文化だからな。とはいえ、文化がなければ生きていないのかというとそうでもないから、これも違うわけではあるが。生きるということと、文明的な生活を送ることはイコールで結ばれることはないだろう。俺はそう思っているし、そう思っているからこそ、その方向からでは行きつくことは出來ないのだろう。
いつごろか。夕方か。空が赤く染まってきている。今日もダメだったのだろうか。殘念ながら、しも手掛かりはつかめない。難しいですお師匠様。
俺はその思いをお師匠様に屆けるように、窓の外を見た。と、窓から見える一本の木の上に一羽の鳥がとまっていた。足元には何かがいている。じっと観察してみると、ネズミのようであった。白いをしたネズミが逃れようともがいていた。しかし、爪の力が強く、逃れることなどできそうにない。
「あー……」
俺はその景を見ながら、聲を発していた。頑張れという意味なのか、ご愁傷さまという意味なのか、どちらなのかわからない。ただ、ネズミに何か聲をかけようという思いだけはあった。
しかし、だからといってネズミがどうにかできるものではなかった。だんだんともがく力がなくなっていく。かろうじて痙攣しているだけになった。
そうして、ネズミはかなくなった。
ネズミは死んでしまったのか。俺はそう思った。悲しいものである。死というものはあまりに唐突に訪れてしまうのだから。誰も、わからないのだ。
「―――っ!」
と、突然、俺のの中から何かが湧きだすようながした。今の熱いものは何なのか。
もう一度しっかりと先ほどの覚を思い出す。一度見つけたのだ。また見つけられるはずだ。心の中を、の中を探してみる。
「おー」
見つかった。全に巡るようにして熱い何かが存在している。これは何なのか考えていき、ある答えにたどり著いた。これしかない。俺が探していたエネルギーだ。気だ。これをようやく見つけることが出來たのだ。一か月かけてようやく見つけることが出來たのだ。
俺は嬉しさで涙が出てきた。
「おぎゃあおぎゃあおぎゃあ!」
ついでに泣き出してしまった。
しかし、これで、修行の第一段階が終わった。ようやくスタートすることが出來たのであった。
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