《天の仙人様》第11話 魔力をかすということ
今日、俺は自室で魔法の修行をすることにした。自分のにある魔力を扱えるようになっておきたいとふと思ったからである。自分のを、の中にあるをれるようになることは、まわりまわって仙の修練としても役に立つのだ。
魔法はまず魔力をかせるように出來なければ発現しない。一番基本的なこととして、魔力をかし、放出、詠唱によるキーワードで魔法が発。この組み合わせが基本である。また、詠唱というのも使う言葉が魔導言語と呼ばれる、魔法を扱うための言語であり、それを習得する必要がある。その言語は言霊の力を引き出しやすい言語であるからだ。それ以外の言葉では魔法は発現することはない。
とはいっても、最初にするべきことは魔力をかすことなわけだから、魔力をかしてみることにする。
それから一週間ほどたっただろうか。暇な時間があれば魔力をかす修行をしているわけであるが、全くき気配を見せない。三日目で、魔書を読み直して魔力について復習したほどである。もし間違っているのなら、今までの修行と呼べるものが一切何の役にも立っていないということになるのだから。それはあまりにも、みじめで虛しい。だから、俺のやり方が間違っていないのだと証明するための確認でもあるのだった。
Advertisement
『魔力とは、すべての生に存在する質であるが、普通に生きていく上では全く使いどころのない質である。そのため、使おうという意識がなければ扱うなどもってのほかであり、魔力を扱うことのできる生は、魔か知を持った植しかいない。ただ、すべての生に備わっている質のため、自分の手足のごとくかすことは容易である。しかし、自分の手足がどのようにくのかということをしっかりと言葉にして詳細に伝えるということはどれほどに難しいのかというのは語るまでもないことである。そのため、多くの人々が魔力をかすということで、躓いてしまう。人々は歩行の仕組みをしっかりと話すことが出來ないのだから。だから、基本的には親など魔力をかせる人の協力を――』
読み返してみればわかるのだが、歩行のリハビリに近いことなのではないだろうか。かせることは當たり前だが、その當り前に持っていくためにのにじむような努力が必要なのと一緒だ。魔力作はリハビリのような辛さがあるのかもしれない。まあ、気長にやっていくしかないだろう。なくとも、この社會で魔力を扱えないのは致命的だということは今までの生活でわかっている。
しばらくたった。何度寢て起きたことだろうか。七回數えたところでバカバカしくなって數えるのはやめた。
「……かねえ」
何度も魔力と対話をしてくようお願いしているわけだが、全くく気配がない。俺は、父さんたちが魔力をかしている様子を何度も見ているために、なんとなく魔力がく覚は知っているわけだが、その通りにいかない。
どうすればいいんだ?
……いや、かないものをかそうと働きかけているからダメなのではないだろうか。くものだと思えばいいのでは? くことが當たり前であり、くものだと思ってかせばくのではないだろうか。ではさっそく。
「…………。……ダメだな」
數時間やってみたが駄目だ。ああ、けと命令しているからダメなのかもしれないとふと思った。くものだという認識以外必要ないという考えを思いつく。けと思ってはいけないだろう。
瞑想だ。魔力がくことを當り前だという認識のまま、そこに居続ける。太が東から昇り西へと沈むように。その事実に何の疑問を持たないように。魔力がくことに疑問を持たせずに。かないものがくものだと思い込ませる。
どれほど経っただろうか。俺のに謎のをじて意識が戻ってくる。俺は目を開けた。そこには俺の妹であるアリス=バンディ―リンがいた。しかも、キスをしていた。俺のに。
「アリス?」
「アー!」
俺が聲をかけると、アリスは目を開けて喜びながら抱きついた。どこかで、親がキスしているところを見たのだろう。おませさんである。だが、そういうところもおしくじるのである。
俺は窓の外を見ると、太は真南に位置していた。そういえば、まだ晝食を食べていなかったと思いだす。
と、俺はの中にある違和を覚えた。瞑想する前にはなかった違和。それに気づいた。全く気にならなかったが、意識すると気づいてしまった。
「……いてる」
魔力がわずかにいていた。く速度はカタツムリのように遅くはあるが、ゆっくりと、を駆け巡るようにいているのがわかる。意識してかしてみても、確かにかせるのがわかる。手足を意識的にもかせるように、魔力も意識的にかせるようだ。
「アラン様―。アリス様―。お食事の用意が出來ましたよー」
使用人が俺たちを呼ぶ聲が聞こえる。俺はアリスから離れると、部屋から出る。アリスは俺を追い越して食堂の方へと走り出す。そして転んだ。
「うう……う……うう……」
今にも泣きだしそうなアリス。俺はすぐに駆け寄り、頭をなでる。しばらくでていると、段々と泣き止んでいく。
「一緒に行こうか」
俺はアリスの手を握り、アリスを立ち上がらせる。アリスは嬉しそうな顔をしながら俺と一緒に食堂まで歩き出した。
その様子に使用人たちはほほえましい笑みを浮かべていたが、俺はそんなことを気にせずに、食堂の中へとり、自分の席へと座る。
「二人ともちゃんと來れたようだね」
父さんはにこりと笑った。
「……まあ、アラン。いつ魔力をかせるようになったの?」
と、サラ母さんが俺のお腹のあたりを凝視しながらそう聞いてきた。魔力をしっかりとれると、他人の魔力までもしっかり知覚できるのだな。俺にはまだ出來ていない。自分のの中にある魔力がいているということしかわかっていない。
「ん、本當か?」
それには、父さんも反応を示した。
「ルイスもそうだけど、アランも自力で魔力をかせるのねえ」
ケイト母さんは驚いたように口を開いた。ルイス兄さんが魔力をかせるといったときは、もうし驚きがあったものだが、二人目ともなると、この程度の反応にはなるだろうな。まあ、驚きに慣れてしまっているということなのだろう。たしかに、俺だって、ルイス兄さんが魔力をれることを知らなければかしてみようなどと思わなかったわけであるし。
「ふむ……俺の息子はみんな才能があるんだな。恵まれ過ぎだな」
父さんは喜びが隠せないように大きく笑った。
「えー、オレも魔力かせるようになりたい!」
カイン兄さんは不機嫌そうに頬を膨らませている。それを見た父さんはカイン兄さんの頭にぽんぽんと手を乗せた。
「そうだな、カインには後で魔力をかす訓練をしてやろう」
「約束だよ、父さん!」
カイン兄さんの顔に笑顔が戻った。
その後、晝食の間は家族団らんとした時間を過ごしていた。
國民的歌手のクーデレ美少女との戀愛フラグが丈夫すぎる〜距離を置いてるのに、なんで俺が助けたことになってるんだ!?
三度も振られて女性不信に陥った主人公は良い人を辭めて、ある歌い手にハマりのめり込む。 オタクになって高校生活を送る中、時に女子に嫌われようと構うことなく過ごすのだが、その行動がなぜか1人の女子を救うことに繋がって……? その女子は隣の席の地味な女の子、山田さん。だけどその正體は主人公の憧れの歌い手だった! そんなことを知らずに過ごす主人公。トラウマのせいで女子から距離を置くため行動するのだが、全部裏目に出て、山田さんからの好感度がどんどん上がっていってしまう。周りからも二人はいい感じだと見られるようになり、外堀まで埋まっていく始末。 なんでこうなるんだ……!
8 156【書籍化】落ちこぼれだった兄が実は最強〜史上最強の勇者は転生し、學園で無自覚に無雙する〜
※書籍化します! 10/1にKラノベブックス様で発売! コミカライズも決定してます! 史上最強の勇者である俺・ユージーン。 魔王を討伐した後、気づけば俺は貴族の息子・ユリウスとして転生していた。 どうやらこの世界の俺は、魔力ゼロの忌み子として、家から見捨てられていたらしい。 優秀な雙子の弟と比べられ、わがまま王女な婚約者を寢取られ、學校や屋敷の人たちからは無能とさげすまれる。散々な日々を送っていたみたいだ。 しかし別人に転生した俺は、それらを全く気にせず、2度目の人生を気ままに過ごすことを決意する。 このときの俺は知らなかった。 ここが勇者のいた時代から2000年後の未來であること。 平和な世界では、魔法も剣術も、すさまじくレベルが低下していたことに。 勇者としての最高の剣術、魔法、回復術、體術を引き継いだ狀態で転生した俺は、衰退した未來の世界で、自覚なく最強の力を振る。 周囲の悪評と常識をことごとく覆し、戀人や家族、そして俺を馬鹿にしていた弟からは嫉妬される。 けれどそんなこと全く気にせず、俺は今日も自由をただ謳歌するのだった。 ※書籍化に合わせてタイトル変更しました 舊「落ちこぼれの兄の方が実は最強〜史上最強の勇者、未來の世界へ転生する。優秀な弟に婚約者を寢取られ、家や學校からも無能と蔑まれてたが、前世の力を引き継ぎ気ままに生きてたらいつの間にか目立ってた」
8 75骸骨魔術師のプレイ日記
全感覚沒入型VRデバイスが一般的に普及した未來。このデバイスはあらゆる分野で利用されており、それはゲーム業界でも同じである。人々はまるで異世界に迷いこんだか、あるいは近未來にタイムトラベルしたかのような経験が可能ということもあって、全世界であらゆるジャンルのVRゲームが飛ぶように売れていた。 そんな好調なVRゲーム市場に、一本の新作タイトルが舞い降りる。その名は『Free Species World』。煽り文句は『あらゆる種族に成れるファンタジー』であった。人間にも、獣にも、はたまた魔物にも成れるのだという。人型以外の姿を取ることが可能なVRゲームは世界初であったので、βテストの抽選は數千倍、製品版の予約は開始一秒で売り切れ狀態となっていた。 これは後に社會現象を起こす程に大人気となったVRゲームで悪役ロールプレイに撤し、一つの大陸を支配して名を轟かせたとある社會人のプレイ日記である。 ◆◇◆◇◆◇ GCノベルス様から書籍化致しました。書籍版のタイトルは『悪役希望の骸骨魔術師』です!
8 92疑似転生記
技術進歩著しい世界ではVRゲームを活用した學習が行われるようになった。そんな世界で父親が開発した全く売れなかった異世界転生を可能にしたゲームをプレイしてみることになった少女の物語。
8 112不良の俺、異世界で召喚獣になる
あるところに『鬼神』と呼ばれる最強の不良がいた。 拳を振るえば暴風が吹き荒れ、地面を踏めば亀裂が走る……そんなイカれた體質の不良が。 その者の名は『百鬼(なきり) 兇牙(きょうが)』。 そんな兇牙は、ある日『異世界』へと召喚される。 目が覚め、目の前にいたのは――― 「……あなたが伝説の『反逆霊鬼』?」 「あァ?」 兇牙を召喚した『召喚士 リリアナ』と出會い、彼の運命は加速していく―――
8 57コミュ障だけど転生したし、なんだかいけそうな気がします!!
ある日から不登校になってしまって家でゲームばかりしていた少女にゲームの運営からあるプレゼントが屆く。 「プレイ時間が一定數以上のプレイヤーの中で抽選してあなたが當選しました」 中には可愛いスキンとかわいい裝備しかも能力はどれも飛び抜けていた。 ついでに頼まれた変な質問が多いアンケートに答えていざログイン! ゲームのバグかそれとも………ってやっぱり私転生しちゃったの!? 私、何年も人と會話すらしてない、というかそもそもコミュ障だから人に話しかけられないんだけど!! 神様からもらったかわいい見た目と飛び抜けた能力の裝備があるから平気?ほんと? 確かに、せっかくつまらない現実じゃなくなったんだし!今までいなかった友達も欲しい!勇気、出してみようかな。そう思うとなんだかいけそうな気がしてきた!! 時には癒し?時にはピンチ!?いきなり異世界にとばされた少女がコミュ障ながらも色んな出會いをして沢山の人と仲良くなっていくお話です。 小説家になろうでも書いてます。
8 81