《ただの世界最強の村人と雙子の弟子》第0話の7 頼み

===ユウキ視點========================

「あ~~~、今どこだ~~?」

(さあ?)(分かりません)(知らん)

さっきからトボトボとよく分からない道を歩いているけど、一向に村も民家も見えない。

俺より何故か魔法とかが詳しい守姫達も分からないっぽいし、どうしよ?

(いったん上に飛んでみたらいかがでしょう?)

うーん、お腹が空いてあまり力が出ないんだけどなー。

(我が主人の力なら空腹の狀態でも問題ないかと)

いや…… 、そうかも知れないけど、気分的にあまり進まないーー

(いいからやれよ!)

……………へいへい。

俺の事を全く気遣ってくれないから悲しくなるけど、(え!?そんなつもりじゃあーー)(私もそういう訳ではありませんよ!?)とにかく飛んでみた。

「………………………おっ、チラッと屋が見えた!」

(やりましたね!!)(流石です)(いや、あんたらさっきまであんなに慌ててーー)

突如、聞こえなくなった攻武の聲は無視して、赤い屋が見えた方向に走る。幸いにも、さっきまで歩いていた道と同じ方向だったから、さっきまでの努力が無駄にならなくて良かった~~!

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「おっ、見えて來た!」

走る事、數分。俺が見た屋が見えて來た。どうやら赤い屋は赤みの強いレンガで出來ていて、壁や柱は石レンガというレンガ盡くしの家だった。

そして、そのような家は他にもあった事から、ここは村か街という事になる。

「やった~~ぁぁあ………」

(…………え?ご主人様!?ご主人様!?ーー)

俺は突如、眠気に襲われてその場に倒れた……………。

「う、…………うーん」

俺は耐え難い空腹で目が覚め、を起こすと、には薄い藁で出來た布団(?)のようながかけられており、し視線を橫にずらすと、小さなの子が俺の腕を枕にして、寢ていた。

「………………………おい」

「………ん?んにゃ、んにゃ………」

「頼むから起きてくれ」

「……………うーん、んにゃ」

「………軽い"スパーク"」

「あぎゃあぎゃあぎゃ!!」

俺のから出た弱くも多の痺れがある"スパーク"をけ、の子が出したらいけないような聲を出しながらも、の子は俺から離れる。

「お、漸く起きたか?悪いんだが、今の狀況をーー」

「うぇぇぇぇぇん!!お兄ちゃんがいじめるぅぅぅ!!!」

よくよく考えれば、まだの子が最弱の雷屬とはいえ、魔法をけて何とも無い事がある訳無い。よって、泣かれた。

………………………どうしよ?

(((……………………………)))

こんな時だけ黙る守姫達に怒りを覚えるが、今はの子を泣き止ますのが先だ!

「………あ、ほらほら見て。クマさん!」

俺は即興で"クラフト"で作った可らしさ重視の土製のクマの人形をの子に差し出す。

それを見たの子は、泣き止みはしたが、人形を見つめるだけで、いつ泣いてもおかしくないような顔になっている。

「…………"グラビティゾーン"」

俺は人形を地面に置いて、足や腕に重力を発生させての子の所まで歩かせる。の子は興味津々でクマの人形を見て、時折はしゃいでいるが、こっちはかなりキツイ作を強いられ、さらに空腹だから安定出來ず………

(ドン!)「どうしたんだ!?まさか、倒れていたあの男がーー」

髭をもじゃもじゃと生やした男が、の子の後ろにあったらしい扉から勢いよくって來た。恐らく、の子の泣き聲を聞き、駆けつけたのだろう。だが、あまりにもいきなりすぎて驚いてしまい、

(バシャ!)

土製のクマの人形は、狂った重力作をけて破裂した。そう、破裂。い子供に見せるには……………あまりにも殘酷な景だった。

「………クマさん……、クマさんがいなくなっちゃった~~~!!えぇぇぇぇぇん!!!」

「おいっ!何他人の子供を泣かせているんだ!?」

「あんたが泣かせたんだろう!?………あ、やべ。また眠く……ーー」

「え?ちょっ!気を失うならせめて泣き止ませてからーー」

「う、うーん」

俺は耐え難い空腹で目が覚め、を起こすと、そこには涙を啜ってこちらを見ているの子と、青筋を浮かべながら俺を見ているもじゃもじゃ髭の男が………

「もう一回、寢ても良いですか?」

「駄目に決まってるだろ」

「………………ですよねー」

(グリュュュウ~)

「……………お腹が減っているのか?」

「………このご恩は必ず返しますので、どうかお食事を」

「…………ご馳走様でした!!」

「ふふ、はーい♪」

「……………お前……、1週間分の飯を……!!」

俺が男からパンを貰って、食べていたら、奧さんらしきって來て、何としっかりとご飯をご馳走してくださり、気づいた時にはかなりの量を食っていた。

「いや~~、20日間くらい何も食べてなかったもので……」

「え?そうだったんですか~。それにしては………あまり痩せていないような~……」

奧さんらしいを見渡されて、よくよく思ったら、そこまで痩せこけたではなかった事に心ヒヤッとするが…

「どうやらこいつは重力魔法に土屬魔法を使えるみたいだ。多分、20日間くらいは自の魔力で補っていたんじゃないか?」

「ええ、そうなんです。ハハハ……」

もじゃもじゃ男かと思いきや、意外と魔法の事を知っているみたいようだ。

もじゃもじゃ男は背丈は俺と同じくらいで、髪は茶で農家っぽい服を著ていて、奧さんも茶の髪で、背丈は守姫よりし小さいくらいで、こちらは麥わら帽子に赤の上とスカートを著ている。

の子は年は2・3歳くらいだろうか、母親と同じ赤い服と薄橙のズボンを著ていた。

「それで、気になっていたんですけど~、あなたは一何者なんですか~?」

おっとりとした雰囲気で話しかけてきた奧さん。

やっぱり聞かれると思ってたし、ここは一つ、お世話になるか!

「自分は旅の者で、追い剝ぎに襲われて無一文の、誠に恐ですが、自分を用心棒として置いてください!!」

俺はそう言って、土下座した。え?プライド?そんなの、恩人を前にして気にしてられないよ!!

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