《ただの世界最強の村人と雙子の弟子》第0話の14 改裝

===ユウキ視點========================

俺は手を引いて彼を立ち上がらせた。

手を離そうかと思ったが、みんなが納得していないかもしれない村を歩くのは辛いと思ったので、手を繋いだまま、小屋を出た。

そして、家や畑が並ぶ、村の中心を村人たちが見る中を堂々と通った。斜め左下側にいるティフィラは終始顔を俯かせて俺の手を頼りに歩いていた。

村に馴染むのは時間がかかるなとし不安になりながら歩いていたら、いつの間にか家に著いていた。

「……ここが?」

「ああ、そうだ。ここが俺の家だ」

目の前にある三角屋の家。

所々にくすみがあり、しボロい。だけど、このじが気にってしまったので、特に手れもしていない。例えると、日本の木造住宅に古き良さをじるみたいな、そんなじだ。

「もっと豪勢な家に住んでるものかと…」

「は?俺はただの居候だからな。居候にとっては、だいぶ良い待遇だけどな」

俺は呆けているティフィラを置いて、黒ずんだ木の扉を開けて家にった。

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家にったら見えるダイニングと奧のキッチン。

ダイニングの左側には扉が2つあり、トイレと風呂場に繋がっている。

右側には小さいリビングがあるが、小さいと言っても布団を2枚敷くほどの場所はあるので、満足している。

「さ、今日からここがお前の家な。俺はここの隣に魔法で適當にーー」

「嫌っ」

俺はティフィラを家に押しれて、そのまま扉を閉めようとしたが、扉を摑まれた。

ティフィラは恥ずかしそうに頬を赤らめながら、今度は扉の隙間から手を出して俺の服の裾を摑む。

(何ですか!その仕草っ!!私もがあればやりたかったシチュを~!!)

(即刻、彼から離れる事をお勧めします!)

(おいぃぃ!王の所為でさっきからこいつらがうるせぇぞぉぉ!!)

やかましい聲が聞こえるが、今はティフィラを説得せねば。

「嫌って何でだ?汚いと思うなら掃除してやるし、1人が怖いって言うなら暇な時には遊びに來てやるからな。だから、ここに住め。な?」

子供をあやすように言うが、なお首を橫に振るティフィラ。

「ならどうすれば住んでくれる?」と聞いたら、予想外の答えが返って來た。

「……あなたと一緒に住みたい」

(はぁぁあ!?何言ってんですか!?このは!?)

(即刻、斬り伏せして問題無いかと)

(…ほう、中々モテますな。王よ。これは男として嬉しーー)

((死ね!!))

攻武は派手に大きなび聲をあげた後、靜まり返り、守姫と技姫の荒々しい息遣いが良く聞こえる。

「……ユウキ?」

「……あ、悪りぃ」

側で結構な爭いがあった所為で、どうやら意識がし飛んでいたみたいだ。ティフィラが家から完全に出て俺を心配そうに見ている。

「……だから、その……ユウキと一緒に住みたい……」

ティフィラはもう一度、恥ずかしそうに言った。顔は真っ赤で、周りを見渡したり、手をもじもじさせてたりして、ソワソワしながら俺の返事を待っている。

……俺はティフィラの為に別々に住もうと思ったのだが、本人が一緒に住みたいというなら、これは別に問題無いんじゃないだろうか。

((問題ありです!!))

「…よしっ、分かった。お前が良いなら別に構わないぞ」

「えっ!?ホント!!??」

俺は2人の反対を押し切って、同居する事にした。だって、俺と一緒に住むという事だけでこんなにも喜んでいるんだ。ここで斷るのは男じゃないと思う。

(よく言った!それでこそーー)

((死ねっ!!))

攻武の悲鳴が頭が痛くなるほど響き、俺は靜かに手を合わせた後、ティフィラと一緒に家にった。

攻武……、お前は良い奴だったよ…。

(まだ……死んでーー)

((死ねっ!!))

……冗談で言ったつもりが、攻武がマジで死にそうなので、技姫を顕現させる。

(ちょっ!?……いきなり何するんですか?今、ちょっとしたお仕置きをしていただけなのですが…)

ドスの効いた聲に一瞬怖気おじけそうになるが、ここで引いたら攻武がやられてしまう。ここは何とかして気を良くしてやらないと…。

「……?何その剣?何かするの?」

いきなり技姫を顕現させた事に不思議がりつつ、技姫を見ながら聞いてくる。

(元はあなたの所為ではありませんか。ちょっと我が主人、切っ先をこのにーー)

「ちょっとこの刀でしか出來ない事をしようと思ってな」

俺は技姫の話を搔き消すように、技姫を一回軽く振った後、技姫を逆手に持ち、切っ先を地面に向ける。それを不思議そうに、まるで好奇心旺盛な子供のように見るティフィラ。

よし、頼むぞ。

(………全く、我が主人は都合が良いんですからっ)

技姫は素っ気なく言ってるが、嬉しそうな聲から、気分が良くなってるのは分かった。

("質再構"、開始)

さっきまでの嬉しそうな聲から、事務的なの無い聲になった技姫にし安心した。どんなに揺してもそこはブレないらしい。

技姫の刀び、床に刺さり、いよいよ始まった。

(リビングの天井高を高く、橫幅も広くし、それと同時にキッチン等や他の部屋も並行して拡張を開始し、2人で同居するのに最適な家に変化させます)

「え!?何が起きてるの!?」

俺を中心にして、家が音を立てて大きくなっていく。魔力が大量に食われるのはキツイが、一度してしまえばそのまま殘るので、しっかりとやっていく。

ティフィラは俺の腰辺りに抱きついて、変わっていく家の裝をただ見ている。

そして、10分前後で改裝が完了した。

ありがとな。やっぱり、技姫は技姫にしか出來ない事があるから助かるよ。

(いえっ、そんな……これからも、頼ってくださいね?)

當たり前だろ。

(それなら良いんです。それでは…)

ああ、本當にありがとな。

技姫をなおし、腰にへばり付くかのように抱きついているティフィラを無理やり剝がして、裝を見ていく。

ダイニングは大して変わってないが、機の橫幅が広くなり、元からあった2つのイスも立派なクッションがある良いものに。

キッチンは技姫が新しく作ったであろう、コンロと流し臺がしっかり完備してある。前のはコンロがあまり火のつかない火打ち石だったり、流し臺が無かったりとしていたからな。

リビングはかなり広くなった。布団3枚は敷けるだろう。天井も高くなって広い空間をじられる。

風呂場は、鏡のある洗面臺が出り口付近にあり、奧にはし広めになった浴槽とシャワーがあった。広い浴槽も嬉しいが、何よりシャワーが嬉しかった。今までは自分で"ウォーター"でを洗っていたからな。

トイレはまさかの洋式に。しかも水洗まで出來るみたいだ。今までのほぼボットン便所とはえらい違いだ。

(我が主人は、何度も私が改築を進言してもしようとしなかったので、この際、あらかじめ作っていた魔導も完備させて頂きました)

し自慢げに技姫が解説してくれた。これは本當に嬉しい。今までも何度も技姫に々言われてたんだが、めんどくさくてやらなかった。

々変わった我が家だが、最も変わったのは……

「あれ、何?」

(個室です。しっかり2部屋あります)

広くなった事により、浴室の隣に空間が出來たのだが、そこに見た事の無い扉が2つ用意されていたのだ。

(これで、プライバシーは守れますね)

技姫の強めの口調に俺は「うん、そうだね」としか返せなかった。

あ、因みにティフィラはというとーー

「何この鉄が変にびてるの?……キャッ!…水が出た~!!」

見た事の無いであろう魔導たちに完全に夢中になっていた………。

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