《ただの世界最強の村人と雙子の弟子》第5話 力の在り方
===ユウキ視點====================
「そ、そんな…、あれはお父さんとお母さんの……!」
金髪は驚き、ルルは憎悪の目で《ダークゴブリンキング》を見ている。
いつの時代も、人は魔に、魔族に、ある日突然、幸せを、大切な人を奪われる。
分かっていた筈なのに、俺はどうしてもその事実がけれられない。
そうならないように、俺みたいに大切な人を失う人が出ないように、1000年前、剣を取り、魔神どもを倒したのに…。
「お前が……!お母さん達を!やったのか!?」
「………、許さない…!」
2人は自の『ソウルウェポン』を顕現させ、《ダークゴブリンキング》に襲いかかった。
「ちょっと待て!!お前ら!!今のお前らじゃ……!「ギィ、ギィ、ギィィィィ!」」
《ダークゴブリンキング》は2人に容赦無く襲い掛かった。金髪に剣を、ルルには杖で魔法を放ち、2人を撃退しようとしたが、
「させるか…!」
もう嫌だ!目の前で人が死ぬのは!例えそれが知らない奴らでも!
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「もしかしたら、俺は2人を助ける事で罪滅ぼしをしようとしているのか…?」
それは後で考えよう。今は!
俺は2人と《ダークゴブリンキング》の間に立ち、魔法を刀で斬り裂き、剣をけ止め、
「よう、俺を忘れてないか?
てめぇは失敗した。
それが原因でてめぇは死ぬ。
てめぇの失敗を教えてやる。
それは、王都の人を殺しつくし、あまつさえ目の前で人を殺そうとした事だ!!」
俺は《ダークゴブリンキング》に殺気を向ける。
それだけで《ダークゴブリンキング》は後ずさろうとするが、剣を摑まれているから、離れられない。
《ダークゴブリンキング》は弱々しく、「ギィ……、ギィ……」と怯えている。
「おい、てめぇ。何、怯えてやがる。てめぇは怯えていたであろう人達を殺しただろう!」
「ギィ…!ギィィィィ……!」
《ダークゴブリンキング》は逆ギレをし、杖で毆りつけようとするが、
「杖は毆る為の道じゃねぇよ。雑魚が」
もう、これ以上、こいつの顔なんか見たくねぇ。
だから、刀で滅多斬りしてやった。
後ろを振り向くと、2人共目に涙を浮かべ、ただ呆然とこちらを見ていたが、耐えきれなかったのだろう…。
「「ふえぇぇぇん!!」」
2人共、俺に泣きついてきた。
幾ら剣を、杖を、振り回していても、子供には違いない。
両親が、王都の人達が、殺されたのは辛かったのだろう……。
両親には、自分達の立派になったところを見せたかったのだろう……。
王都の人達の中には、親しかった人や、挨拶を毎日わしていた人もいただろう……。
そんなこと、魔や魔族は関係なしに躙する。
1000年前、それが嫌だったから、魔神どもを倒した。
俺はもうこれで大丈夫だと、思い、姿を世間から消した。
魔神がいるだけで、魔や魔族は何十倍にも力を上げる。
10年前から、《冒険者ギルド》や《武業専門學校》は試験段階の狀態で稼働していたが、たかが10年で魔神に対抗できる筈もなく、最近は魔や魔族による被害が増えていっているようだ。
現にそれを目の前にある慘狀が示している。
《ブリュンビレ》を無視して來れる筈が無いので恐らく、2人を飛ばした相手が追加で魔神領の《ダークゴブリンキング》をとばしたのだろう…。
"転移"魔法対策が出來ていないから、《ブリュンビレ》に頼っていたから、なくとも人にも落ち度はあった…。
でも、やっぱり。奴らが悪い!
新たな魔神の強さはハッキリいって未知數だ。
1000年前の様に勝てるとは思えない…。
いや、俺が倒さずとも……、
ならやっぱり、酷だが……、
「なあ、お前ら。」
「「???」」
「俺の弟子にならないか?」
両親を殺され、故郷を躙され、魔の恐ろしさは分かった筈だ。
そして、それに対抗する為にはその魔より、強くならないといけない。そうなると、
「いいか、お前ら。
魔や魔族を殺すには強い"力"がいる。
でも、その"力"は同時に魔達と同じ事ができる"力"でもある。
"力"の在り方を間違えればそれはもう、魔だ、魔族だ。
お前らは"力"の在り方を間違えない、と誓えるか?」
2人は最後まで困した表だったが、俺とし間を空け、背筋をばし、涙を拭き、覚悟を決めた様に顔を上げ、
「「私たちをあなたの弟子にしてください!!私たちに"力"の在り方を!教えてください!!!」」
と、頭を下げた。
俺はこんな小さく脆い、の子達を戦場に出そうとしている…。
せめて、俺がいない時でもを守る事ができる力をにつけてやらなくては……。
俺は散々取らなかった弟子を取る事にした。
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次回は魔神視點の章です。
今後の展開であってしい展開や要や案を下さるとありがたいです。
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