《ただの世界最強の村人と雙子の弟子》第31話 魔神の名前

===ユウキ視點=================

「さて、そろそろ帰るか」

俺はびをしながら立ち上がった。魔神はそれを見て、悲しそうな顔をしながら、

「もう……行ってしまうのか?」

「ああ、…………?」

「そうか………のう、もしお主が良かったらまた會ってくれんか?」

魔神はおそるおそるといったじで聞いてきたが、もしかして………

「いや、お前も來るんだよ」

「………………は?」

魔神は案の定、これから離れる事になると思っていたようで、固まってしまった。

「だって、今度あいつみたいな奴が來たらお前じゃ、勝つどころか逃げるのも無理だな」

「………!」

図星だったみたいだな。

「俺がお前を守ってやる。だからその代わりに、『魔素支配』を教えろ」

「…………はい?」

魔神は意表を突かれたような、とういうか突かれた聲を出した。

何かおかしかったか?

「俺も、魔素を四散させたり、足場ぐらいの簡単な凝固は出來るんだが、支配とは言えない。だからこそ、教えてしい」

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俺は頭を下げた。これが教わる人の態度だという事を思い出したからだ。

そんな俺の様子に、魔神は慌て出し…

「お主が頭を下げるでない!分かったから!教えるからっ!!早く頭を上げてくれい!!」

いや、慌て過ぎだろ。まあ、でも教えてくれる事になって良かった!

「ありがとな」

「じゃから!お主が妾より下の態度で接するでないっ!!」

魔神は大層お怒りだ。……何でだ?

「それじゃあ、帰るか」

「ちょっ!ちょっと待ってくれんか!!」

「ん?何だ?」

魔神は慌てながらも俺の目の前で跪いた。……魔神はよく慌てるなー………って!!そうじゃなくて!!

「おい!?急にどうしたんだ!?」

「いいから黙っておれっ!」

魔神は聲を荒げ、何かしている。よーく見ると何やら小聲で喋っていた。

「…………………に我がを捧げ、いつ如何なる時も、側に付き添い、かの者に忠誠を誓う!!」

魔神の足下から魔法陣が現れ、魔神が何かの呪文?を言い終わった瞬間、が俺に一直線に飛んでいき、の中へと消えていった。

「……え?」

何かが起こった訳でもなく、俺のに変化も無く、魔神のには薄っすらと何かの模様が浮かんでいた。

「これで、奴隷契約はほぼほぼ完じゃ。あとは、妾に名前をつけると契約完了じゃ!」

は?今、何言った?奴隷契約って言わなかったか?

「……って!おいっ!?何やってんだよ!?」

「………奴隷契約?」

「分かってんのかよ!?奴隷契約は文字通り、奴隷になるための契約だぞ!?」

「勿論、分かっておるわい」

「はぁ?つまり、お前は俺の奴隷になりたいのか?」

「言わずとも分かるじゃろう」

「卻下だ!卻下!!さっさと解除するぞー!!」

「やっ!やめるんじゃ~!!」

俺が"魔法解除"をしようとすると、魔神に後ろから抱きつかれ、猛反対された。……普通、逆じゃね?

「妾は、お主の奴隷になりたいんじゃ~~!!頼むから奴隷にしてくれ~~!!」

魔神は頭をグリグリとしつつ、抱きつきながら必死に頼みこんできた。……だから、普通、逆じゃね?

「う、うるさいっ!俺が奴隷なんかつくったら、周りの目が冷たくなるわっ!!大人しく、解除させろーー!!!」

「じゃから、やめろって言ってるじゃろーー!!っていうか、お主、魔法すらも解除出來るのか!?」

「ああ、出來る。出來るから、解除させろー!」

俺の『魔導』の1つ、"魔法解除キャンセル"。守姫が考案した、魔法の狀態をかき式を俺が魔力で出來ている、赤外線のような特殊な電磁波のようなものを魔法にぶつけて、魔法の核の模様を大きく変化させることで、魔法が発出來なくなる代だ。

これは魔素に働きかける"魔法封印"とは違い、魔法の核そのものに働きかけるから、魔素を必要としない"強化"をも解除出來るが、代わりに距離がめちゃくちゃ短い。だいたい3mあるか無いかくらいだ。だが、"魔法封印"は視界に映る範囲くらいはあるが、魔法が完全に完する前にしか使えない。要は使い分けだ。

「いいから~!奴隷にならせるんじゃ~~!!」

「馬鹿な事を言ってんじゃねぇー!!」

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長い激闘(魔神の奴隷契約を止めるための闘い)の末、

「はぁ、仕方ないのう。奴隷になるのは勘弁してやるわい」

魔神は名殘惜しそうにしながらも、奴隷契約の時に出ていた模様が消した。

俺はよう分からんが、これで取り消したのだろう。

「ありがとうございます!」

俺は奴隷になりたがる人に頭を下げた………あれ?普通、逆じゃね?

「まあ、本當に、奴隷契約の為ではなく個人的にも名前をつけてしいんじゃ!お願いじゃ!妾に名前をつけて

くれ!!」

まじか………。

「………なあ、他の奴に付けて……もら……ったら…………」

魔神は、俺を上目遣いの涙目で見つめていた………。それは反則なんじゃ……!

「…………うーん…」

こいつは今日から魔神を捨てた人生になる。どうせなら、始まりに関する名前にしたいな。

……始まり……出発……原點……原點!

「よしっ!お前の名前はオリナだ!」

俺はあまり名前付けとか分からないから、原點(オリジン)をちょっと変えてやつにした。我ながら良い名前だと思うのだが………

「オリナ……オリナ!妾はこれからオリナじゃ!!これにて契約立!!!」

「……………………………は?」

俺が気づいた時には既に遅く、急に魔神のに模様が現れた。模様はさっきの薄っすらとしたものではなく、ハッキリと見えるくらい濃かった。

「ぐっ、ぐぅぅぅ!!……………はぁ」

その模様がり輝くと、魔神が苦しそうな聲を出したが、それもすぐ終わった。"魔法解除"をするよりも早く…。

「……これで契約完了じゃ!」

魔神はそれはもう、清々しい顔だった。まるで一仕事を終えた人のように……。

「おぉぉぉい!!何やってんの!?ねぇ、何やってんの!?今奴隷契約が出てたよね!?一回取り消した筈だろっ!?」

「ああ、確かに取り消したぞ」

「いや、でも奴隷契約がさっき急に発しただろう!?」

「ふっふっふっ!それはー!妾が『魔素支配』を使ったからじゃ!」

「………はい?」

魔神は自慢気に言ったのは、『魔素支配』………っ!まさかっ!

「魔素に魔法を引き継がせたのか!?」

俺が思いついた考えは合っていたらしく、魔神はニヤリと口の端を吊り上げ、

「そうじゃ、妾は魔素に"奴隷契約"魔法の核を薄っすらと、じゃが、確かなものを作らせ、お主が名前をくれた時に発させたのじゃ!!」

くっそ~!やられたな、これは。

「はぁ、しょうがねぇな。これでいいよ、もう」

これからの心労を考えると、涙が出てくるぜ……主に守姫達の対応だが………

「よろしく頼むぞ!ご主人様!!」

魔神の顔は、それはもう見惚れる程の笑顔だった……。

「………よろしくな」

はぁ~あ、どうしてこうなったんだろうな。リリとルルが來てから、こんな事ばかりだ。……俺はスローライフをしていた筈なのに……。まあ、いいか。

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次回!遂に魔神と守姫達が相見える!!

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