《ただの世界最強の村人と雙子の弟子》第32話 魔神と雙子

===ユウキ視點=================

「さて、そろそろ行くか」

「ああ、ご主人様!」

魔神…いやオリナはご機嫌だ。………奴隷になれて喜ぶ奴なんてこいつぐらいだろうな。

「あっ、ちょっとその前に……」

「?」

「"魔法解除"」

俺はオリナの背中についていた、ある魔法を解除する。

「一何を?」

オリナは全く気がついていなかったみたいだ。

「背中に追跡用の魔法が付いていたんだ」

そう、オリナの背中には見た事のない魔法が付いていた。まあ、見た事は無くても効果ぐらいは分かる。そして、その効果が現在の居場所をどこかに発信する魔法だった。まあ、言わばGPS見たいなものだ。

……………そういや、今の地球はどうなってんだろうな。1000年以上も経っているんだ、きっとスマホも何か違うものに変わってんだろうな………。

「………ご主人様?」

おっと、いけね。今更どうでもいい事を考えても仕方ねぇしな。

「よしっ!今度こそ行くぞ!"転移"!」

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===リリ視點==================

(カンカンカンカン)

はぁ、師匠が居なくなってからもう3

日。守姫さんも技姫さんもティフィラさんも元気が無くなっています。

(カンカンカンカン)

一応修行もやっているんですが、イマイチらなくて、昨日からやってません。食事も、守姫さんが元気無くなってから各自で作ってます。

(カンカンカンカン)

早く帰って來て!!師匠っ!

「だぁぁぁあ!!いつまで落ち込んでいるんだお前ら!!空気が暗すぎて、息が詰まりそうなんだよ!第一、どうして俺が!お前らが壊した家の修理をしないといけねぇんだよ!!!」

攻武さんも遂に壊れた様です。私達がエルガさんをぶちのめす時に壊れた家の半分を修理し続けて………。

「くそったれ!!壊したお前らが修理すればいいのに、どうして俺がやんねぇといけねぇんだぁぁぁー!!」

え?エルガさんはどうしてるって?あそこに転がっている焼死(?)がそうですよ。何故(?)が付くかというと、ティフィラさんがたまたま近くを通った時にいたんですよ、ティフィラさんの方に……。それまで全くかなかったのに……。だから、(?)が付いているんです。

「………姉さん、そろそろ元気出してよ」

ルルが膝を抱えて座っている私の隣に座りました。今、私とルルは、家の近くの小さな丘にいます。……家にいると辛くなりますからね……。それに、帰ってきた時に、いち早くお迎え出來るから。

「………………守姫さんと技姫さんは?」

「寢込んでる」

「………そう」

こんな事、思いたくないけど……もしかしたら!師匠はっ!もうっ!私の意思とは裏腹に、勝手に涙が………!

「う、うぅぅぅう。しっ、師匠………」

「ん?どうした?」

もう、幻聴が……。今、師匠の聲が……。

「「え?」」

「え?」

顔を上げると、そこには師匠が……!

「うぅぅぅう!しっ!師匠~~!!」

「うわっ!ちょっ!どうしたんだ?」

私が泣きつくと、師匠は本當に訳が分からないとでも言いたげな顔になっていましたけど、黙って抱きしめてくれました。

「………姉さん?」「……ご主人様?」

あ、忘れてた。ルルの事。………ん?今、守姫さんの聲じゃないのに、ご主人様って…………。

「「あなた誰!?」」

さっきまで気づきませんでしたが、師匠の隣には、褐に赤黒い髪、黒の當ての様なものと、Tバックのようなものを著た、出狂のようなが……!

「妾はオリナ。元魔神じゃ」

「「え?」」

師匠は、3日ぶりに帰ってくると、今度は元魔神を連れて來たようです……。

「あ、でも、元では語弊があるかの……。今も魔神じゃが、魔神としての生き方を捨てた者と言った方が適切かの」

え、え~と、どうしよ。修行の目的である魔神討伐。その魔神が今目の前にいるんですけど………。

「どうする、ルル」

「……ここはお師匠様に聞いた方がいい」

「そうだね」

私とルルの會議の結果、師匠に判斷を委ね………

「ご主人様~~!!」「ユウキ~~!!」

「ぐべらっ!!」

(ヒューーーーン………ドゴォーーーン!!)

ようと思ったけど、守姫さんとティフィラさんに吹き飛ばされた後でした。

「取り敢えず、家にろうか」

「………うん」「邪魔するぞ」

私達はいつの間にか完全に直っていた家へと向かいます。途中に、明らかに誰かに吹き飛ばされた攻武さんと焼死(?)が転がっており、玄関には、息を荒げて座り込んでいる技姫さんがいました。

>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>

「まあ、今から3日も帰って來れなかった訳を話そうと思うのだが………!お前らいい加減離れろっ!!」

青筋を必死に立てないよう、気を使っていた師匠が遂にキレました。理由は……

「もうし!もうしだけっ!!」「ユウキ分をもうしだけ!補給させてっ!!」

鼻息を荒げて師匠のに纏わり付いている守姫さんとティフィラさんのせいです。……私も行こうとしたけど、ルルに止められました………なんで?

「なあ、早く説明してくれよ、王よ。王が居なかった所為でどれだけ大変だっ(ドゴォォン!)…………」

余計な事を言いかけた攻武さんには悪いんですが、ちょっと黙っててもらいました。…勿論、平和的な解決方法ですよ?

「……はぁ、リリもだいぶやるようになったみたいだが、修行、サボっただろ?」

「「…………っ!!」」

「はあ、図星か。後で罰ゲームしてもらうからな」

ああ、師匠が居なくてもしっかりやっえおけばよかった………。

「はあ、2人はもうこのままでいいか。……技姫、頼むからヨダレを垂らしてこっちに來ないでくれ」

技姫さんがヨダレを垂らすなんて……!あ、垂らしてた。

「もう気にしてられねぇからさっさと話すぞ」

強引に話し出した師匠の話は、とんでもない話でした。

>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>

「……まあ、そんな訳で俺はオリナに毒抜きみたいな事をしてもらい、起きたのが、今日という訳だ」

師匠は簡単に言っていましたが、『戯神』と呼ばれる神は、守姫さん達を持っていない師匠と同じくらいの実力者で、その神より上がいる可能が大きい。それに、その神達はオリナを狙っている。はっきり言って、やばい狀況なんじゃ?

「で、ご主人様はどうするので?」

「我らは、我が主人に付き従うのみです」

「強い奴と戦えるなんて……!楽しみだな!おいっ!」

「……ユウキに何かあったら私は………!!」

(モガモガモガ!!)

「ん?今のは何だ?」

あ、ヤバ。

「って!エルガ!?」

師匠は焼死から包帯ぐるぐる巻きになったエルガさんを見て、相當驚いています。

「お、おい!これは一誰にやられたんだ!?守姫、治療しろっ!」

「え、え~と。そ、それは………」

守姫さんは、あからさまに目を背けました。………それだと気づかれますよ!!

「守姫、治療しろ。じゃないとお前の事を嫌「すぐにやらせていただきますっ!!"エクストラヒール"!!」」

守姫さんはわざわざエルガさんの為に連合國でも10人ぐらいしかできない回復魔法を………。

「助かったよ、ユウキ」

「すまないな、うちの連中がやり過ぎたみたいで………しっかりと言い聞かせておくよ」

「それより、ティフィラさんの下著で「死ねっ!」(ドゴォーン)………」

エルガさんの変態発言を聞いた瞬間の師匠の対応はとっても迅速で、エルガさんは壁を突き破って、どこかへ行ってしまいました……。

「すまないな、お前達よりあっちの方を気にして……」

「「「いえいえ」」」

守姫さんとティフィラさんと私の聲は見事にハモりました………。

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最近、リリとルル視點がなくなってしまいました!これだと、ユウキ1人が主人公みたいになりますから、しばらくはリリとルル視點を多めにしようと思います。

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