《ただの世界最強の村人と雙子の弟子》第33話 魔神とルル

===ルル視點==================

「で、これからの予定はどうするので?」

気を取り直して、エルガさん以外の全員がダイニングで席につき、守姫さんが切り出しました。

「うーん、取り敢えず、リリとルル、それにオリナもれた3人を育てる」

「「!?」」

お師匠様が、私と姉さんを育てるのは分かりますけど、あのオリナとかいうも育てるの?

「師匠っ!オリナは魔神ですよ!敵に狙われているし、何より信用出來るんですか!?」

確かに………姉さんの言う通り。

「お主らの言い分はようわかった。その上で言う、妾はお主らを決して裏切んし、何なら命に代えてでもお主らを守ろう」

意外にもオリナ自が主張してきた。

「………その証拠は?」

「これじゃ」

突如、オリナのが薄っすらと輝き、見えてきたのは……

「「!?」」「奴隷紋!?」

私達は言葉を失ってしまったが、守姫さんははっきりと本人の目の前で言った。"奴隷紋"と。

奴隷紋、それは奴隷のみが刻まれる印。そんなものを刻まれる人は決まって奴隷商に連れて來られた人達のみ。その印は者によって異なるが、基本的には薄っすらと印が見える。だけど、この人のはさっきまで完全に消えていた事から、奴隷だと周りに示さないように要があった買取主だったのだろう。まさか……魔神を奴隷に出來る人がいるなんて…。まさか、さっきの話に出ていた神!?でも、それを見せる事が何の証拠に……?

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「見ての通り、妾は奴隷じゃ。ユウキのな」

オリナの弾発言で、一瞬にしてここの空気が悪くなった。………姉さんまでその雰囲気を出しているのが不満だけど…。

「あのー、ご主人様?それは一どういうことですか?」

「………我が主人よ、説明を求める」

「プププッ!年下子の次は奴(ドゴォーン!)……………」

「師匠?説明してくれますよね?」

茶化した攻武さんはエルガさん方面に吹き飛ばされたけど、そんなの構い無しに姉さん達はお師匠様にジリジリと黒くなった目で迫ってる。

「あ~あ、もうどうにでもなれ」

お師匠様は抵抗せず、両手を上げて降參の意を示した。

「では、私の部屋に………」

「私も行かせてもらう」「「私も」」

お師匠様は守姫さんに首っこを摑まれたまま、二階へと消えた。

「なかなか楽しそうな家じゃの」

オリナはそれを見て、微笑んでいる。ちょうど、今この場には私とオリナしかいない。

「……ねぇ、オリナ。聞きたい事があるの」

「………なんじゃ?」

「《オルガ》を襲った魔王は、貴方の指示?」

「…………!お主、もしかして……!」

「ええ、私と姉さんは《オルガ》出で、もっと言うと、《オルガ》を襲った魔王を撃退したのは、私と姉さん」

「……………!そうか、お主らが……」

ん?オリナは見るからに悲しんでいるのは分かる。けど、どっちに?

「すまんかったっ!妾が指示してないとは言え、魔王をしっかりと監視してなかった妾のせいじゃ!」

オリナは席を立ち、私に土下座した。

…………っ!今更謝られても!お父さんとお母さんは………!

「謝って済む問題じゃないっ!謝っても、お父さんとお母さんはっ………!」

分かってる!オリナだって、したくてした訳じゃない!お師匠様を助けたのが、何よりの証拠なのにっ!魔法をこいつに撃って敵討ちをしたいっ!そんな思いが私の頭の中を………!

「お前の"力"はそのためにあるのか?」

「………っ!」

気づくと、お師匠様は私の腕を摑んでいた。手には……私の『ソウルウェポン』が………。

「俺は言った筈だそ。"力の在り方を間違えるな"と。お前の"力"は、復讐のために在るのか?」

「…………………すみません」

「………俺も復讐に駆られて、復讐を遂げた事がある」

「………………っ!?」

お師匠様が………復讐を?

「結果、復讐をし遂げても、殘ったのは虛しさだけ。復讐なんて、何も殘らない。自己満足にもならないものさ」

「…………………」

「………ちょっと出てくる」

お師匠様はそう言って、転移した。

「……ルル?」

「………!」

振り向くと、悲しげな顔をした姉さんが、階段から降りていた。

「私はルルに復讐してしくないよ。ルルにそんな辛い事をさせたくない……だから」

「………………」

「気張ってないで、私に弱音を吐いていいんだよ?これでも貴の姉なんだから」

「………う、うぅぅ。うえぇぇぇぇぇぇん!!」

私は姉さんに抱きつき、ひたすら泣きました。そんな私を優しく抱きしめて、

「よく我慢……したねっ。……ごめんね、お姉ちゃんがっ………不甲斐ないからっ………甘えられないんでしょ………」

姉さんは泣きながら、めてくれました………。

===ユウキ視點=================

「お前が好きな酒はこれだったよな……」

俺は4つある墓のうちの1つに、"アイテムボックス"の中に買い置きしてある酒をかける。なかなか高かったはず。

「………お前は意外と酒に強かったよな」

次の墓には、アルコール度數の高い酒をかける。

「…………お前は酒は苦手だったな」

次の墓には、オレンジジュースをかけ

る。

「……お前はまさかの炭酸だったな」

最後の墓には、俺が作ってやってた炭酸をかける。

かけ終わった後、俺は4つ並ぶ墓がよく見える正面に座り、昔は飲んでた酒を飲む。

「…………今日から魔神を匿う事になったんだ。……許せねぇか?魔神を匿う俺の事が?」

案の定、墓からの応答は無い。それもそのはず、この墓には亡骸はってない。死が一片も殘らなかったからだ。ここは森の中だが、ここらだけ、草木一本も生えていない。墓だけがよく目立つ。ここに墓を建てたのは、ここで4人が死んだからだ。死も殘っていないから、ここじゃないと、あいつらの存在がいよいよ無くなるような気がする。

「………なあ、言い訳って訳じゃないんだけど、今回の魔神は心優しい奴なんだ。現に、俺は助けられたからな。ああ!言い忘れてたんだが、弟子を取る事になったんだ。リリとルルって言うんだが、雙子でな。しかも、10歳だ。べっ、別にロリコンって訳じゃねぇぞ!それにな………」

俺はここに來ると、ついつい近況報告をしてしまう。結局、暗くなるまで、話こんでしまった…………。

===守姫視點==================

「ふう、いくら強くなっても子供ですね」

私は今、リリとルルの相部屋にいます。リリとルルが泣き疲れて、ダイニングで寢ているのを発見し、ここまで運んで寢かせたからです。2人は抱き合ってぐっすりです。

「すまないな」

いつの間にか、ご主人様が私の隣に転移してきましたけど、今更気にしません。

「いえいえ、ご主人様は大丈夫ですか?」

「………ああ、大丈夫だ」

そう言いつも、ご主人様は私に後ろから抱きついています。

「ご主人様?」

「すまないが、今日は甘えたい日なんだ」

確かに……、今のご主人様は平靜に裝っていますけど、弱々しさが隠しきれてないですね……。

「いつでも甘えていいんですよ?」

「………今日は離れたくない」

珍しいですね……。いつもなら、私から迫っているのに……もしや、あそこに……。

「構いませんよ?ご主人様?」

私とご主人様は向かい合ってキスをした。いつもより激しく求めてくるご主人様はとても心に余裕が無くなっているように見えます。

結局気がついた時には、ご主人様のベットの上でした……………。

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ユウキと守姫は相思相ですが、どこかユウキには………。

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