《ただの世界最強の村人と雙子の弟子》第64話 シャルティの未來

===シャルティ視點========================

え……………見えない。私の!私の!未來が!!真っ暗で何も見えない!こんな事は今までなかった!!…………もしかして、私がリリさんやルルさん達を連れ去ったから『全能の大英雄』様の分が來て、私は…………死ぬの?

そんな………!嫌だ!嫌だ!嫌だ!嫌だ!!まだ死にたくない!!未來を救えてないのに!!

「…………うっ、うぅぅ……!!」

私は思わずその場に項垂れるようにへたりこむ。に力がらず、魔法を使う気力もない。『ソウルウェポン』だって、手に持っているのか分からない。それほど覚や意識が麻痺していても、分が私に近づいて來るのは分かる。コツコツと石レンガを敷き詰めた地面を歩く音が鮮明にはっきりと聞こえる。やがて、足音も聞こえなくなった。

「………………どうした?」

「………え?」

これからあの日本刀で殺されると思っていた私にかけられた言葉は優しさがこもった心配している言葉だった。思い切って、私はゆっくりと顔を上げると困ったような顔をしている分が私に手を差しばしていた。

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「…………どうして、私を殺さないの?」

「は?初めからお前を殺す気なんてなかったけど」

「………っ!私の『ソウルウェポン』は!?」

差しばされた手を無視して自の『ソウルウェポン』を探す。それは案外早く見つかって、へたりこんだ私の足元にあった。

急いで『ソウルウェポン』を摑んで未來を見る。……………私の未來はしっかり1年後近くまで見れた!!

「………良かった!良かったよ~~!!」

「うわっ!?いきなり泣きやがった」

私は嬉しさの余り、ドレスのスカート部分に顔を埋めて泣いてしまう。それを見て、分はちょっと引いたみたいだけど、私は泣き続けた………。

===リリ視點========================

「どいて!」

「ぎゃあっ!!」

「…………邪魔」

「ぐへぇっ!!」

私達は私とルルを先頭にして捕まえた騎士の人を脅して聞き出した裏口へと向かっています。その道中には騎士がたくさんいましたが、私がほとんど蹴散らし、殘りはルルが潰すといった合で順調に進んでいます。

私とルルの後ろにオリナとアイ、その後ろにティフィラさん、最後尾にエルガさんという後ろからの敵にも対応出來るようにしました。

「あとし!」

ここを右に曲がって一直線に進めば裏口の扉が見えてくるはず!!

私達は曲がった次の瞬間………

(ドゴォン!)

真っ直ぐ一直線に走る通路の左側壁の一部が砕け散りました。砂埃が舞い、私達は視界を遮られたので、私はルルと肩がれ合うくらい近くに立ってそれぞれが近い壁の方向にを傾け、通路という狹い空間なので前からしか相手は來ないというのを利用して、どちらかから來る攻撃に備えます。

「………………逃がさん」

「ぐっ!!」

いきなり砂埃が一部、私の目の前で突風によって飛ばされ、鋭い貫手が飛んで來ます。それを同じく貫手で相殺しようとしますが、突然だったので、威力もキレも相手の方が強くて肩をってしまいます。幸いな事にルルには當たらなかったようですが。

「………大丈夫?姉さん」

「……平気。それより相手は?」

さっきの貫手を逸らされてから私達から距離をとった所為で、砂埃がはれ、正が分かりました。

私を襲ったのは、シャルティ様の最強の護衛、騎士団長。名前は分かりませんが、し背丈が高くて、灰の髪に黒の目、ガチガチの騎士団特有の鉄の鎧に先が尖っている両手剣を腰にぶら下げています。

「…………あれで仕留められないとは……あなたはとても強い。ですが!」

騎士団長は今度はぶら下げた両手剣を抜き、私に斬りかかって來ました。

「………甘いですよ!!」

(ガキィィン!)

私は師匠から貰った鉄の棒で騎士団長の上段の剣をけ止めます。

「なっ!?一どこからっ!?」

「私達が荷を置いて逃げるとでも!?」

「ぐっ!?」

驚いた隙に、私は彼を弾き、腹に鋭い突きを放って吹っ飛ばします。一応、槍に変化はさせなかったので、死んではいないでしょう。

それにしても、牢屋の近くに私達の武が置かれてて良かった~~!!走出來ないという強い思い込みのおし緩んでいてたからね。

「………くそっ、図に乗るなよ!!」

「それはあなたにも言える事!」

「があっ!!」

勢を取り直した騎士団長は今度は私を突き刺そうと剣を真っ直ぐ突いて來ましたが、それをハンマーで打ち返し、剣をへし折りつつ、剣とまとめて騎士団長をぶっ飛ばします。私の一撃で、騎士団長は裏口の扉をぶち抜き、草むらで転がり回ります。

「早く出よう!!」

私達はその先に騎士団長がいるのを気にも留めず、ぶち破られた扉跡から城を出れました!!それと同時に魔法とかが使えるようになったようで、の魔力が全に駆け巡る覚が私達に來ました。

「…………なるほど、の魔力の活を著しく低下させ、その狀態から魔法等を封印するようなものを城に張り巡らせていたのか」

ルルが城から出たりったりしながら、原因を突き止めたようです。………私にはルルが考えているような小難しい事は分からないけど、城から出たら、『ソウルウェポン』が使えるという事は分かりました。………けど、それは相手も同じで……

「………城で全力を出せるのはお嬢だけ。私も実力を制限されていた。ここでなら!全力で!貴様らを潰せる!!」

騎士団長は立ち上がって、魔力を解放したようで、辺りに強い魔力が広がります。…………確かに強い魔力だけど、これぐらいなら、森にいた《オルライトス》の上位に位置する《ライベトロス》の方が強かった!!

===一年の修行期間時========================

「今日は《ライベトロス》と戦ってもらう」

「「《ライベトロス》??」」

いつも通りの朝ご飯時の予定発表時、師匠は聞いたことのない魔の名前を口にしました。私達は分からなかったけど、守姫さんを始め、ティフィラさん達は分かったようで、なるほどとでも言いたげな表をしています。

「ま、戦ってみたら分かるさ」

「グルゥゥガァッ!!」

(ドゴォォーーン!!)

「「きゃあぁぁ!!」」

凄まじい一撃を持った前足の振り下ろしを何とか躱しても、発生した突風で木々に吹き飛ばされ、鈍い痛みが走ります。

「くっ………いっ!」

「あー、お前達にはまだ早かったかな?」

木々にぶつかってんなところが痛んで立てずに座り込んでいた私達の前に師匠は現れました。

《ライベトロス》とは三つの頭を持った雷を纏った巨大な犬で、膨大な魔力を持っています。《オルライトス》とは違い、複數の魔法を使わない代わりに雷屬魔法を極めていて、目にも止まらないスピードで走り回り、雷で強化された足や牙で襲いかかって來ます。………ハッキリ言って、一撃をギリギリ躱すぐらいで一杯です。

だけど………!今、ここで師匠に助けて貰ったら、強くなるのが遅くなる。……時間はあるようで無いかもしれない。いきなり神々が襲いかかって來るかもしれない。

「…………いえ、私達でやります」

私達は立ち上がり、《ライベトロス》の正面に立ちます。《ライベトロス》はまるで獲を見るかのようによだれを垂らして私達を見據えています。

「行くよ!"強化"!!」

「"ウィンド・スパークアクセル"!!」

私は背中に突風、四肢に雷を纏って、《ライベトロス》に薄して、『ソウルウェポン』に魔力を吸わせ、刀を巨大化させ、振り下ろしました…………。

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リリの『ソウルウェポン』の能力が"相手、自からの魔力を吸収し、剣に纏う"に変化した瞬間を過去の戦いを折り混ぜました!

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