《ただの世界最強の村人と雙子の弟子》第66話 アブェル

===ルル視點========================

「……………これはまた……」

「……私達には何かトラブルが起きる呪いでも付いているのかしら」

「…………妾をそれに含めるなよ」

「……私も」

現在、時々、通り道の村に泊まったりしながら1週間にも及ぶ長い旅を終え、《アブェル》に著いたけど、家々は燃え、街にはドラゴンなど中々強い魔が街を破壊し回っている。はっきり言って、異常事態。

「そもそも連合國にある神殿の中でもトップクラスの神殿がある《アブェル》に行きたいって言ったのはリリとルルよね?」

確かに姉さんと《ネイト》の次は《アブェル》に行きたいと言ったけど、こんな狀態だとは思わないでしょ。

「いやいやいや!ティフィラさんだって、「師匠の居場所を神に聞いてやるっ!」って息巻いて言ってましたよね!?」

「あの時はユウキと離れてすぐだったから悲しかったの!それにユウキの居場所は分かったから私のせいじゃありません!!」

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因みに、ティフィラさんが言った事で大わかったかと思うけど、《アブェル》の事を言ったのは《ネイト》に初めて著いた時の夜。その時のティフィラさんはノリノリだった。

「大!あなた達はユウキにいっぱい構ってもらって良いわよね!!私なんか……!私なんか……!!」

「ティフィラさんだって!そんな事を言っておきながら、師匠との付き合いは私達より長いんじゃないんですか!?」

姉さんとティフィラさんは火花を散らしているかのように睨み合い、それを私とエルガさん、オリナとアイは黙って見學。………起こっている姉さんも中々見ないから良い……!!

「何!?私とやり合う気!!?」

「ええ!良い機會です!!この際、ハッキリーー」

「何やってんだ!?あんたら!!!」

姉さんとティフィラさんの喧嘩に割り込んで來たのは全ボロボロで來ている鎧は焦げまくりの凹みまくりの満創痍のおっさん。人族なのは當たり前として、來ている鎧が騎士団とはちょっと違い、防力より象徴的な意味として著られている鎧だ。恐らく、神殿を守護する神騎士。神が自発的に騎士の真似事をした連中の1人か。

「あんたら腕は立つか!?人手が全く足りないんだ!この街を助けてほしいっ!!」

おっさんはそう言って、私達に土下座した。そう、土下座。因みにおっさんはハゲだから、を良く反する。よってーー

「「眩しっ!!」」

「失禮な!!」

近くにいた姉さんとティフィラさんは燃え盛る火のがハゲ頭で反したを目にけて悶えてしまった。

「ええいっ!そんな事はどうでもいい!!頼む!このままでは!我らの神"アルナ"様が悲しまれるっ!!」

人より神優先って…………。

「もしっ!救って頂けるなら!《アブェル》最高峰の神による"アルナ"様との謁見を特別に許そーー」

「やるよ!ルル!!」

「…………勿論!!」

全く、そういう事は早く言ってしい。そういう事なら協力もやぶさかではないのに。

私と悶えていたのにすぐ起き上がった姉さんは、いち早く燃え盛る街の中にり、姉さんは自の魔力で炎を押しのけ、私は"ウィンド"を周囲に展開して寄せ付けないようにしながら、姉さんは師匠から貰った鉄棒で魔を毆り殺したり、斬り殺したり、刈り取ったりして魔を減らし、私はバレット系に"ウィンド"を付與して貫通力と速度を上げ、魔の脳天を穿ちまくった。

街の魔退治は10分程度で完了し、今は消化活。鉄棒をバケツに変化させた姉さんに"ウォーター"を定期的に渡しながら消化活は進み、これは50分程度で完了。意外と街は広かったから大変だった。

「終わりましたよ~~」

「………………あんたら一何者なんだ?魔の中には《ワイバーン》どころか《フレアドラゴン》や《アースドラゴン》も居たはずだが?」

「居たっけ?」

「………姉さんは魔をあまり確認せずに倒していたから気づかなかっただけ」

姉さんが剣やら斧、ハンマーを一振りすると、まとめて5~7は一気に両斷されたり、弾け飛んだりしていたから気づかなかったのだろう。………あれはお師匠様の『殲滅武』に関する文獻に載っていた"一振りで10を相手にする"という言葉にそっくり。………あれ?その文獻を書いた人はどうやってその事を知り得たんだろう?著者は誰だっけ?………確か『魔導』に関してもかなり本當の事に近い事を書いていた人なんだけど…………。

「ーール?ルル!?」

「………っ!!……どうしたの?」

「いや、ルルが話しかけても反応しなかったから。それより、どうしたの?」

「……………何でもない」

「………?」

多分、姉さんも覚えていない。容は覚えているんだろうけど、著者までは……。何せ、『全能の大英雄』様についてかなり調べたのは今から5年も前だし。まあ、そこまで重要な事じゃないから気にしないでおこう。

「おいっ!お主ら、禮を言う!ありがとう!!お主らのおで街は救われた!!」

「いえいえ」

「ティフィラさんは何もやってないでしょ」

「この禮は必ずっ!"アルナ"様に誓って葉えると約束しよう!!では、神殿の様子が気になるので!!明日、お會いしましょう!!!」

そう言って、おっさんは一目散に街の中心部へ向かった。の怪我を気にもしない様子で。

「……信者?神?はすごいね…」

「………うん」

「それより、宿どうしましょ」

「「あ」」

街はほぼ焼けて全焼とまではいかなくても、かなり焼けている。そんな中、宿だけ無事なはずがない。そして、この街の近くには小さな村すらない。……神の影響か知らないけど、ここは孤立しているとも言える。他の街や村との流は行われているが、その頻度はない。ここは畑も牧場もあり、し進めば炭鉱もある。山もある。湖もある。

「………今日は野宿ですね」

「ええ」

お師匠様がくれたポーチには快適な野宿が出來るセットがあるから良かった……。

===???視點========================

「雙子が《アブェル》に著いたそうだ」

「そうか、向こうは?」

「多分、もうしだと思う」

「なら、向こうに合わせてこちらを行するぞ」

「へいへい」

功しますかね?」

「してもらわないと困る」

「確かに」

「これからは雙子の向をしっかり監視しておけ。有益な報を得られるかもしれん」

「"アルナ"との接の可能は………」

「別に接したところでこちらには大した影響は無い。それより、"慈のアルナ"には手を出すなよ?まだ神王らと対峙するのには時期が早すぎるからな」

「了解」

===アルナ視點========================

「今回の襲撃は間違いなくーー」

「ええ、『神の強ゴットグリード』の仕業でしょうね」

私は自の神界から、私に強い信仰を持っている人が大勢いる街を見る。街は火に包まれ、魔が徘徊していたけど、今は鎮火され、魔は影すらない。それはあの雙子のの子2人が魔を殲滅し、街に燃え盛っていた火を消した。まだいのに人間離れした実力を持つあの雙子。…………間違いない。あれこそが世界を救う鍵…………。

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《アブェル》で早速目立ったリリ達。《アブェル》の神達やアルナは果たして味方か敵か…………

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