《ただの世界最強の村人と雙子の弟子》第73話 戦神

===リリ視點========================

「え?意外と若い聲なんですね?」

「いいや、さっきの聲は俺ではない」

確かめてみたら、やっぱり目の前のおっさんはおっさんらしい低くて漢っぽい聲でさっきの若そうな男の聲じゃないって事は、隠れているって事。

「あなた達は3人いるんですよね?」

私の問いかけにルルも目の前のおっさんも驚きました。まあ、おっさんは眉を上げただけだけど、それでも驚いているっていう事は分かります。

「私はルルよりも気配察知に優れているんですよ。何ならもう一人の方に斬撃を放っても良いんですよ?」

「…………………」

おっさんは何も言わず、やってみろとでも言ってるかのような堂々っぷり。なら、やりますよ?

「えいっ」

「なっ!?」

私はおっさんがいる方向の斜め右にあるし大きめの木に斬撃を放つと、木の影から一人の男が現れ、斬撃を躱しました。その男は何時ぞやの暗殺者のような黒ずくめの服を著ていて、口元は布で隠し、背中には刀を背負っています。

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「…………何故分かった?」

「だから言ったじゃないですか?私は気配察知が優れているって」

おっさんはかなり驚いている様子ですが、冷靜さは失わず、聞いてきたからそのまま答えると、隠れていた男が急に冷靜を失い始めました。

「………あり得ん!あり得ん!あり得ん!あり得ん!『影神いんしん』である俺の気配を察知する事など出來るはずが………!!」

「それが出來るんですよ?」

「なっ!?」

私は『影神』とかいう男の背後に回り込み、刀んだ剣を突き出すと、んでいた刀び、男のを貫きました。

「があっ!ぐぅぅぅ!!まさか、この俺が………!!」

「うるさいです」

膝をつき、必死に後ろから貫いた剣を押し出して抜こうとしているけど、私は剣が突き刺さったまま振り下ろし、から下を一刀両斷して、刀のを振り払い、刀をおっさんに構えます。

このおっさんは強い。私が倒した男の背後に回ったのを目で追えていた。矢を放つ奴より今倒した男より圧倒的に強い!

「…………どうして助けなかったのですか?」

「なに、そいつは弱いくせに神名を持っているからムカついていたんだ。むしろ、殺してくれて禮を言いたい気分さ」

おっさんはこっちを見ず、ルルが居る方向、つまり、ずっと視線を変えていません。………私ではさほど脅威ではないって事だとしたらヤバイかも。

弓使いだと思う男は私達から距離を取っていますが、先程と場所は変わっておらず、様子見をしているって事なんだと思う。

「それより、本當にお前らがあの『暴神』を倒せたのか?」

『暴神』は多分、あの気持ち悪い神か分からない奴の事なら、『神の強ゴットグリード』は私達の事を々と知っている可能がある。

「はぁ~あ、こんな事なら"特異點"を殺しに行く任務に同伴すれは良かったな」

「……………それってどういう事ですか?」

「ん?分からないのか?お前らの師を殺しに行ってるんだよ。そろそろ著いーーおい、いきなり何しやがる」

私は刀を、ルルは土の槍を地面から生やし、おっさんを攻撃していた。私の刀は片手で摑まれ、土の槍も片手で防がれたけど、我慢出來なかった。

私は強引に刀から鉄の棒に戻しておっさんの手から離れさせ、ルルの所にバックジャンプして戻る。

「ルル、あいつを殺して師匠の所に行こう」

「…………勿論」

「ハハッ!俺を殺すと言ったな!やってみろよ!!『戦神』である俺を殺してみろ!!」

おっさんは大剣と槍を二刀流のように持って構えています。おっさんのからは覇気のある魔力が溢れ、辺りの木々が吹き飛ぶ程、魔力を解放しています。

それを靜かに眺めながら、ルルと手を絡めるように握り、その手をおっさんに向けて一言。

「「共神化」」

今まで練習しても何の変化も生まれなかった合が、あの時のようにが溢れ、風が吹き荒れました。きっと『雙生の』という加護が手助けをしてくれたのでしょう。それにしても、あの時は意識が朦朧としていたけど、今はあるでルルと溶け合うかのような安心と一がある。

「ハハッ!そういう事か!!良いぞ良いぞ良いぞ!!良い神気だ!これほどなら『暴神』が敗れたのも頷けるわっ!!」

『…………うるさい』

が消え、私はあの時と同じワンピースとカーディガンを著て、金と青互にある長い髪を垂らしながら何故か喜んでいるおっさんを睨みつける。

「良い目だ!良い神気だ!良い殺意だ!こうでなくては面白くないわ!!」

(ガキィィーーン!!)

おっさんが振り下ろしてきた大剣を顕現させた『ソウルウェポン』で防ぎ、突き刺そうとしてくる槍は摑む。

『壊れろ』(バキバキ!!)

「なぬっ!?ぐおっ!!」

槍に火屬の要素をれた神気を通して側から焦がして握り潰し、驚いた時に出來た隙を突いて腹に蹴りをれて吹き飛ばした。けど、腹に蹴りが當たる寸前、大剣で防がれたからダメージはないだろう。

木々は折れ、かなり飛んだようだけど今の私なら気配察知も強化されているからどこに居るか分かる。

「おぅぅりゃぁっ!!」

背後から迫ってくるモーニングスターを振り向いてから普通に毆って々にし、片手を開いて突き出し、"サンダーレイン"を放つ。

それを躱しているおっさんに人差し指で狙いを定めて"クラノサグト"を放つ。

「ぐぅぉうっ!!」

"クラノサグト"は肩を貫き、出來た膠著狀態に"サンダーレイン"が降り注ぐ。

「ぐあぁぁぁぁぁっ!!」

『ソウルウェポン』を収納してから喚くおっさんに瞬時に近づき、拳を今度はしっかりとにめり込ませ、

『『殲滅武』"拳・羅波貫"』

凄い衝撃波が中を貫き、おっさんは木々がまるで紙と思うくらい簡単にへし折りながら吹き飛び、運の良い事にどうやら山の頂上で止まったようだ。

私は頂上に瞬時に著くと、おっさんは全塗れで時々口から吐していた。

「がふうっ!!まさか、これほどとは……!」

『…………私は敵には容赦ないから』

私はおっさんの周囲に神気を漂わせ、それに火屬の要素をーー

「だが、まだまだだ!!」

『えっ?うっ!!』

いきなり起き上がり、飛んできた回し蹴りに腕をクロスさせて防ぐことしか出來ず、私は空に吹き飛ぶ。けど、今の私なら飛べるから勢はすぐに立て直せた。

山の頂上には、傷が治っていくおっさんが私を笑みを浮かべながら見ている。手には禍々しい細長い赤の槍と長い柄の剣を持っていた。

「我が名は『戦神』!我が戦う戦に負けは無い!!!」

なんか宣言した後、を屈めてこっちに突っ込む為に力を溜めている。『魔導』や魔法を放っても良いけど、隙を突かれる可能がある。ここは………

私は右手に『ソウルウェポン』を顕現させ、左手を突き出し、右手は引いて構える。これは私獨自のカウンターの構え。両手利きの今だからこそ最大限に活かせる構えだ。

「いくぞ!!名もなき神の子よ!!!」

『私はリルだ!!』

おっさんが突っ込んできたのと同時に私もおっさんに突っ込んだ…………。

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『雙生の』は二人の覚や思いを無意識に同調させるから、『共神化』が出來たのです!!

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