《ただの世界最強の村人と雙子の弟子》第78話 めぐって
===ルル視點========================
「じゃあ、取り敢えずイアさんのところに行こうか」
「……………うん」
私は姉さんと後を追い、神殿の正面玄関の扉を開けると、正座で説教をされているティフィラさん達と無機質な顔で説教をするイアさんが。
「だいたい、知らない人からのお酒を飲むなんてあなたらしくない」
「それは………」
「あんまり責めないであげてよ。これでも心配していたんだよ?」
「なっ!?余計な事は言わなくていいの!!」
「ぐほぉっ!」
イアさんから庇ったふうに見えたエルガさんだけど、ちょっとしたを言ってイメージダウン(理的)。
でも、そういえばティフィラさんは酔ってた時に私達の事を師匠の『お気にり』とか言ってたような………
「まさか初めて會った瞬間に説教とはな………」
「お姉ちゃんっ………!!前に會った時よりが………!!昔のお姉ちゃんに戻ったかのようっ!!」
落ち込んでいるのかよく分からないオリナと見るからに歓喜しているアイ。うるさいアイにイアさんも気づき、近づいた。いよいよ、の姉妹の再會……!
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「……………あ、そういえばアイ」
「何!?お姉ちゃん!!」
「あなたは後でお仕置き」
「ええ!?…………でも、昔みたいに戻ってくれたから平気っ!!」
と思ったらまさかのSMプレーー
「何考えているの?」
「……………私はどっちかと言うとM」
「本當に何考えているの!?」
あ、いけないいけない。ついつい本音が………
「……なんでもないよ………、それよりもうし待つ?」
「何でもない事は無いけど…………。まあ、取り敢えず待とうか」
姉さんはそっと扉を閉め、神殿にある、恐らく集會等で使われる並んだ長椅子に座った。私も姉さんの橫にピッチリくっ付いて座る。普通の人なら怒るけど、姉さんは怒らず、むしろ微笑んでくれる。
「本當にルルって子供っぽいところが時々あるよね」
「……………だめ?」
もしかして我慢していたらと思うと、が苦しくなる。
「ううん、こういうのは好き」
でも、それは杞憂だったようで、私にを預けるかのようにし重みが來る。私も姉さんにを預けるかのように、力を抜いてもたれかかる。すると、ちょうどいいバランスになった。
「ふふ、こういった時でも息はピッタリだね」
「…………うん」
いつでも出來るかのような時間。でも、お師匠様のところに行く事になった今では貴重な時間。きっと、お師匠様がいる所はあの森同等かそれ以上だと思う。今ならあの森の魔をある程度余裕がある狀態で倒せる。
けど、そんな事は『戦神』のような強い神の前では何の価値も無い。もしかしたら、もっと強い神が居るかもしれない。だからこそ、お師匠様の所に行って、肩を並べて戦いたい。それは子供の頃の夢でもあり、今の目標でもあるから………。
「ごめん、意外と時間がかかった」
「あ、終わったんですね」
イアさんが扉を開けるのを見て、姉さんは立ち、私はそのまま橫に倒れそうになるが、何とか手を使わずに普通の座る姿勢にする事が出來た。
かに変な達をじていると、続々とティフィラさん、エルガさん、オリナ、アイがって來た。
「ふぅ、変に時間を取られたわ」
「まあ、元は僕達が悪いんだけどね」
「すまんの、酒如きで足手まといになってしもうて」
「いやー、私は満足したから結果オーライと思ってーー「次、同じ事をしたらあなたを妹とは思わーー」よしっ!敵を潰しに行きましょう!!」
さっきまで穏やかに姉さんとくつろいでいたのに、一気に騒がしくなる。でも、これはまるであの森で過ごしていた時のよう。
お師匠様にり寄る守姫さんとティフィラさんに混じろうとする姉さん、ティフィラさんとお近づきになろうとするエルガさん、それを笑って見る攻武さんに呆れる技姫さんとオリナ。お師匠様は面倒くさそうにしながらも笑っていたあの頃。いつものようにどんちゃん騒ぎをしていたあの頃に戻る。それだけでいい。
「……………姉さん」
「ん?何?」
「絶対にお師匠様を『神の強ゴットグリード』なんかに………」
「うん、分かってる。絶対に間に合わせよう」
私と姉さんは手をギュッと繋ぎ、騒いでいるみんなの方を向く。
「今から!師匠が居る《デットラス》に行こうと思います!!恐らく、そこには強い神だらけだと思います!!それでも協力してくれますか!?」
姉さんの張り上げた聲に「今から!」の時點から全員真面目な顔で私達の方を向いた。
そして、姉さんが協力をお願いした時も誰も嫌な顔も恐怖に満ちた顔もせず、強い眼差しを向けて、口々に………
「勿論、私はマスターを助ける。それにはあなた達と協力した方が良いと判斷しましたから」
「當たり前よ!ユウキが居なくなった世界なんて考えたくも無いもの!!」
「ま、ティフィラさんを悲しませたく無いからね」
「當然!妾は皆に比べると弱いがそれでも行くぞ!!」
「私はお姉ちゃんの力になりたいのは勿論ですし、あなた達の力になると決めましたからっ!」
各々、々な理由があるけど、こんな実力だけがついて10年ちょいしか生きていない子供に協力してくれるのは本當に有難いと思う。いや、協力してくれるじゃなくて協力し合えるこの人達には謝しかない。
「「ありがとうございます!!」」
「謝はしなくていい。私が助けたいだけ」
「ユウキに會える♪ユウキに會える♪」
「元々、イアに會ったら合流する予定だったし」
「妾ではあまり力になれんかもしれんが」
「『全能の大英雄』さんってどんな人なんだろう?」
腰が90°になるほど頭を下げてお禮を言ったのに、いつも通りの雰囲気が漂い始め、思わず口元がほころんだ…………。
===???時點========================
「いよいよ《デットラス》ですね」
「ああ、あれから落者は?」
「出ていませんが、暫くの休養が必要ですね」
「仕方ない。十分に休ませよ」
「はっ」
「ところで、『戦神』の方はどうだ?」
「それが………、連絡係も兼任している『影神』からは何の連絡も………」
「そうか………、やられたのかもしれんな」
「そうだとしたら、戦闘も出來る連絡係でも中々の実力者を失った事になりますね」
「構わん、元々あまり強くなかった奴だ。代わりはすぐ出來る」
「そう………ですね」
「なんだ?何か意見でも?」
「いえっ!何も!!ではっ、2日後に《デットラス》を強襲という事でよろしいでしょうか?」
「明日ではないのか?」
「申し訳ありませんが、一部重傷を負った者がいまして………」
「はぁ………。これだから集団行は嫌いなんだ」
「申し訳ありません!すぐにその者を処分してーー」
「構わん。待とう」
「……………よろしいので?」
「二度も言わせるな」
「………っ!申し訳ありませんっ!!必ずやあなた様に勝利を!!!」
「當たり前だ。もっとも、俺が出た方がすぐ終わると思うがな」
「それは………、一部とはいえ、世界を破壊されては困りますので………」
「分かっている」
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もうそろそろでユウキが出てきます!
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