《ただの世界最強の村人と雙子の弟子》第82話 始まる戦い
===リル視點========================
現在、私は《魔神領》の荒地の上を走っている。どうやら《魔神領》は森の次に荒地、そして遠くからでも見えるあの砦と火山が奧地みたい。
當然、私は砦なんかに用は無いし、橋は火山の方に架かっているから《デットラス》は火山地帯にあるのだろう。
『……………!まあ、このまま進ませてくれる訳が無いよね』
私は走るスピードを弱めないが、橋の上に多種多様な魔が乗ってきて、私を向かい討つ準備をしている。數は多いが、どれもAランク冒険者が瞬殺出來るくらいの低レベルの魔のようなので、私は魔力を解放して魔達を押しつぶす。
『…………これだけ?』
なんか呆気無くてむしろ怖いけど、気にせず進む。さっきの魔は『神の強ゴットグリード』の仕業なのか大魔王辺りの仕業なのかは分からないけど、今のを見てもうちょっかいを出して來なかったらいいけど、また出して來たら面倒だな~。
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結局、何も來ず、いよいよ火山地帯にる。火山地帯はいつ噴火してもおかしくない山々が大小様々であり、地面は普通に流れている溶巖によって熱され、ドラゴンやゴーレムといった魔以外は生息する事すら不可能という、まさに地獄のような地帯。
『もうすぐで火山地帯だからか、熱くなって來たし、心なしかドラゴンが多くなって來たような………』
一応神気を纏って熱さを凌ぎ、飛んでいるドラゴンに気づかれないように魔力を極限まで抑えて靜かに走る。別にドラゴンに見つかったからって大した障害にはならないと思うけど、時間を無駄にされるし、何より橋を壊されたくないから。
『…………ん?え!?ちょっ!!』
(ドゴォーーン!!)
いきなり橋の向こう側、つまり《デットラス》方面から飛んで來た気配は三つ。その全てが私の前に降り立ち、橋はひび割れた。
『ちょっと!橋を壊さないでもらえませんか!?』
マジで橋が壊れそうだったので、橋に手を付けて"グランド"で補強しながら、砂煙で見えない三人組にぶ。
「ふふふふふ。私達を前にしてそんな余裕があるなんて……」
「グルルゥウっ!!」
「汝は今、ここで死すべき!!」
返って來た聲は一人はお姉さんと言えそうなの聲。一人はもはや獣。一人は張りのあるおっさんの聲。
三人組から滲み出る神気から間違いなく『神の強ゴットグリード』の構員だと分かる。あと、上から目線のような態度でも。
『はいはい、あなた達のような人達を相手にするのはしんどいので、早く終わらせましょうね』
私は魔力も神気もかなり解放しながら砂煙の方へ歩く。
そして、砂煙が晴れたところに居たのは、ドレス姿の化粧の濃いお姉さんに、全が金ので覆われた男。そして、高い襟を立てて、茶いコートを著ているおっさん。どれも髪のはし輝きが無い金で、目も同じような。間違いなく普通の神に現れる特徴と一致している。
「あなた………!本當に神じゃないんですか?」
「クゥゥゥン……」
「おやおや…………、まさかここまでとは……」
もう既に戦意をほぼ失っている三人だけど、あの『神の強ゴットグリード』に所屬しているなら、容赦はしない。
『………あなた達を倒す!』
「…………っ!行きますよ!!」
「ウルゥルゥルっ!ガアァァ!!」
「私が汝に與えるのは死のみ!!」
===オリナ視點=========================
「よしっ!それじゃあ通るわよ…」
ご主人の守姫と喧嘩ばかりしておるエルフ族が初めに『移の門ゲート』やらを通る。が黒い楕円にりきったあと、ひょこっと頭だけを出してきおった。
「本當に行けたみたいだし、ここならユウキの魔力をほんのほんのしだけどじられるわ!!」
本當に嬉しそうに話すエルフの言葉に無表ドワーフもフェンリルから戻ったチビもアンデットドワーフも嬉しそうじゃ。勿論、妾も嬉しいが。
「通るなら早く通れ。多分、気づかれているからな」
神のおっさんが周りを見渡しながら警告してくる。それを聞いた皆は我先にと『移の門ゲート』を通ろうとする。勿論、妾もじゃが。
「は~や~く行かないと~」
「……………邪魔」
「お姉ちゃん!ちょっと痛いよ!!」
「どかんか!お主ら!妾が通れんじゃろう!!」
みんなが他の人を退けようとする中、急に門が広くなり、妾達はまとめて飛び出るように門をくぐった。
「「「うわっ!!!」」」
(ドカン!ジュッ!)
「「「熱っ!!」」」
ちゃんと行けたのは良かったが、《デットラス》は火山地帯なので、顔面から落ちてしもうた妾達は早速顔面を火傷する。
「はぁ~、何やってんのよ」
妾達はエルフに"ウォーター"をかけてもらい、やっと落ち著けた狀態で目の前の大きな巖の隙間から周りを見渡して見ると、ざっと見ただけで竜が50は居た。
「………ここはどうやら竜達からは見えないようじゃな」
「ええ、良いところに出れたみたい」
あのおっさんに禮でも言おうかと後ろを振り返ってみたが、そこにはあの門は無かった。
「…………禮ぐらい言わせてくれてもーー」
「しっ!」
頭から大きな耳を生やしたチビが口に人差し指を當てて、周りを警戒しておる。
今、妾達は目の前には巨大な巖、左右には絶壁、背後には溶巖の海が広がっておる。妾達が見つけた竜はどれも目の前の巖の先にある山々に居て、お互いがお互いを牽制していて、いつ喧嘩が始まってもおかしくはなかった。
「………確かにここは隠れるのには良いけど、ここから《デットラス》の何処かにいるユウキを探すのは難しいね」
チビは大きな耳をピクピクとさせ、冷や汗をかきながら苦しい表になっておる。
「恐らくじゃが、ここは《デットラス》の端っこなんじゃろう」
妾の歴代魔神の記憶では《デットラス》は溶巖の海に囲まれた地だったはず。多分、背後にある溶巖の海が《デットラス》の周りにある溶巖の海なんじゃろう。
「つまり、ここからは自分達で何とかしろって事ね」
エルフの一言で、皆が頭を悩ませたが、妾は竜達に見つからない方法がある。
「…………それなら妾に任せい」
「……本當にあなたって使えたのね」
「……この報も記憶します」
「いや~、流石は魔神だね♪」
「…………お姉ちゃんの方が凄いけどね…!」
現在の妾達は妾の後ろに皆がピタリと張り付いて歩いている。勿論、妾達が竜の隣を歩いても、竜は何も無いかのように反応しない。それもそのはず、今、妾達は誰からも認識されないからの。
「まさか、《ネイト》でやった方法が通じるなんてね」
「………ここは魔素が濃いからより強く出來たのじゃ!」
そう、妾達は《ネイト》で暗殺者達から隠れる時に使った魔素による認識阻害を使っておる。これも『魔素支配』によるもので、相手は妾達を視覚出來ず、聴覚による認識も出來ず、魔力の察知も出來ないようになっておる。魔素でを屈折させ、音を吸収し、魔力を魔素で外にらさないようにする。
「完璧じゃろう!この…………、『魔素支配』の応用の仕方は!!」
「…………この技の名前が無いのね……」
「うう!うるさいわ!!」
見事に思っておった事を當てられてエルフに怒っておると、目の前に急に青年が現れた。
「なら、私がつけましょうか?」
明らかに妾達を認識しておる青年が……!
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いよいよ次回から激突します!(多分)
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