《ただの世界最強の村人と雙子の弟子》第86話 歪む
こんなにも投稿出來ず、すみません!
===リル?視點========================
真っ黒な海に落ちていく…………。いや、の無い海か………。
先程まで湧き上がっていた怒りは消え、心はとても穏やかなもの。
…………………今、私は訳の分からない所に落ちているのに、不思議と恐怖や不安は無い。…………いや、が無いのか……。
(…………………何をしているの?)
聞こえるのは聞いた事も無い穏やかなの聲。……けど、馴染みのある聲のような気がする。………いや、馴染みがあって當たり前なのか。
(……………聞いてる?)
『…………はい』
(………じゃあ、答えてよ?)
『……………………何を?』
そういえばさっき、何かを言われたような………。けど、思い出せない。……いや、記憶出來ないのか。
(……あなたは今、何をしたいの?)
『……………何もしたくない』
私はうずくまり、落ちていく覚をじながら海にを任せる。
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(……それは本心?)
『…………分からない……。けど』
(けど?)
『………今は何も考えたくない』
(……………………)
急に何者かの聲が聞こえなくなった。…もしかしたら、私に想でも盡かしたのかもしれない。……まあ、私には関係の無い事だと思うけど………………。
===オリナ視點========================
「はぁっ!!」
「おっと~~っ、危ないじゃねーのぉぉ?」
「ぐぅぅっ!」
巨大な斧を持った男は、エルフと仲良く話していた《ブラストドラゴン》の竜そのものの爪を使った連続引っ掻きを、を後ろに反らしながら後ろに退がるだけで躱しきり、がら空きになってしまった《ブラストドラゴン》の腹を思いっ切り蹴飛ばしおった。
《ブラストドラゴン》はまるでボールのように勢いよく飛び、近くの巖を破壊して崩れ落ちてしもうた。
「貴様っ!よくもレイラを!!」
同じ《ブラストドラゴン》の男が《インフェルノドラゴン》と《グランドドラゴン》を引き連れて男に向かうが、
「もっとマシになってから出直して來いやぁぁぁ!!」
男は巨大な斧を軽々と持ち上げ、竜達に振り切ると、激しい風が竜達を襲った。
並の人間なら簡単に吹っ飛ばされて、どこかにぶち當たって即死になると思う突風を足の指から生えた鋭い爪を地面に立てて耐えておる。
「…………っ!これ……し…き…の事でっ!!」
「だろうなぁぁ!!」
「ぎゃぁぁあぁ!!」
男はきが取れなくなった竜達を斧で上半と下半に分かれるように一刀両斷していく。……たった4人を殺すのに大した時間はかからず、全員皆殺しにされてしもうた……。
「おいおいぃぃ!?お前は呑気に見學かよぉぉっ!?」
男が妾を指差して笑うが、こっちは全く笑い事ではないわ!
さっきからに魔素を吸収していっておるのに、全くあの形態になれん!!
「くっ!一何故!?どうして妾のが変化ーー」
(ドクンッ!!)
突如、強い衝撃のようなものをにじ、思わず膝をつく。………の辺りを見るが、別になんともーー
(ドクンッ!!!)
また起きた衝撃。今度はを見ていた時になりおったから気付いた。……妾の心臓のある辺りから無數の蛇が出て來たおった事に。
その蛇は妾ので赤く塗られておったが、赤い目だけが強くっており、その目がとても不気味で………
『殺す。殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す』
急に無數の蛇が口を揃えて喋り出しおった!それも騒なーー
(ギロリッ)
「ひっ!!」
急に妾の顔の方に振り返り、細長い舌をチロチロと出しながら妾の目をジッと見つめてくる。ここで妾はさっさと蛇どもを斬り落とすべきだと思ったが、既に遅かった。
『けない!けない!けない!けない!弱い魔神なんて要らないっ!!せめて、にナレェェェェェェェ!!!!!』
大聲量でんだ瞬間、蛇が妾のに巻き付いてきおった!
「……っ!!!離れんか!!この……あああぁぁぁぁぁぁぁ!!」
妾は"ボルテックス"という、雷屬魔法でもかなり上位にる魔法を使おうとした瞬間、締め付ける力が急に強くなり、の至る所をへし折られた。
『なんだ、弱いな。強く変えれば良い。そうだな。なら、さっさと潰しちゃえ』
蛇達が見えないが、どこかで話し合い、結論が出た瞬間、より一層締め付ける力が強くなり、へし折るどころか腕やら足が雑巾のようにねじられ、が辺りに撒き散らされた。
「あああぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
激しい激痛の中、蛇で埋まった視界を眺めながら、自分の無力をただ恨んだ………。
(グシャリッ!!)
===ユウキ視點========================
「………っ!?また禍々しい気配が!?」
突如、のがよだつような気配が現れ、振り向くが、どうやら遠くで現れたらしく、背後には居なかった。
「おいっ!何、よそ見してる!?」
ドラコの叱咤で意識を戦闘に向ける。十分な距離をとった俺とドラコの間に佇む一人の男。
男は40代ぐらいの整った顔立ちをしており、まるで棘のように尖った黒い髪をなびかせ、金に輝く目をこちらに向けている。武裝は特にしておらず、下は金の素人から見れば枝のように見える模様で裝飾された黒の袴、上はの上から袖の無い、袴と同じ羽織を羽織っただけ。
「さっさとかかってこい。"特異點"と竜の子供」
男はそういって、3本の赤い線が等間隔に並んで螺旋狀になって巻き付いているような模様がある両腕を組んで目を瞑った。
見るからに舐めた態度だが、そうなるのも頷ける。さっきから俺はガバメントのような片手銃を、ドラコは口からファイアーブレスを出して攻撃しているが、男の近くまで迫っても、何故か泥団子が崩れるかのように攻撃が崩れ落ちてしまう。
多分、それがあの男の能力なんだろう。おかけで全く攻撃が出來ない。
「くっそっ!どうする!?」
ドラコは再びファイアーブレスを撃ったが、効果が無く、半ば投げやり気味になっている。
多分、こいつをどうにか出來るのは………。攻武!
(はいよ)
今からリリとルルを探しに行ってくれ、多分、あいつらはここに向かってるはずだ!
「了解っと」
攻武は俺の中から出てくると、最初にじた禍々しい気配がする方に駆け出して行った。
(まあ、あの気配と戦えるのは2人ぐらいですからね)
技姫の言う通りで、最初にじた禍々しい気配は、今は目の前の男のせいで分からないが、明らかに誰かと対峙していたと思えるには十分なくらいの殺意があった。後は、あの気配には対抗出來るのは2人だけと思い至り、攻武も同じように思ったから向かったという訳だ。
「ドラコ!今からは時間稼ぎといこうか!!」
「……?よく分からんが承知した!!」
ドラコはよく分かってないみたいだけど、背中からの鱗と同じエメラルドのような綺麗なをした竜の力強い翼を出して飛び上がった。
因みにドラコは格以外はほぼドラゴン。人型になった竜族の中でも中々珍しい容姿だ。
爽やかそうというより、暑苦しそうな青年の雰囲気が出ているが、鋭く尖った牙をギラつかせる大きくて前に出ている口、鋭く尖った爪とそれに劣らないほど強靭そうな。最も目立つのはまるで剣のように扱える肩まである尾。
言うまでもなく竜族最強で、『暴神』を一人で倒せるほどの実力を持っているが、それでもこの男には全く何も出來ない。
「……さて、いつまで粘れるかな」
俺は"アイテムボックス"からもう一丁、片手銃を取り出しながら、男に向かいあった………。
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この度は本當に申し訳ございません!!
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