《ただの世界最強の村人と雙子の弟子》第104話 アハナ様

===ルル視點========================

今、目の前では頭を抱えて悩みに悩みまくっている姉さんとアハナ様を何とか説得しようとしているアルナ様。そして、どうしたらいいのか分からず戸っているアマナさんに、笑って見守っているアギラさんが居る。

私はどうしたらいいか分からず、ありのまま、思った事を口にした。

「………姉さんは今日も素敵……」

あの悩んでいながらも可らしいお顔、時々見せる知的な表や困り切った顔とか、もう最高っ!!

「………『魔導』に何か良いのないかな………」

ポーチから魔導書を取り出し、ページをペラペラとめくっていく。

なかなか良いのが見つからず、一心不にページをめくっていたら、急に手に重みが消えた。つまり、魔導書を取られた。

「へぇー、結構凄い魔法ばかりね~」

顔を上げると、そこには魔導書をペラペラとめくりながら速く読んでいるアハナ様が居た。

チラッとアルナ様の方を見ると、アルナ様は誰も居ない空間でも説教を続けていた。

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「……良いんですか?折角の娘さんとの再會なんでしょ?」

私の質問にキョトンとするアハナ様。てっきり、もうちょっと親子の再會を噛み締めるものかと……

「あ~あ、それはね~神の時間覚が貴方達と違うからよ~。貴方達からしてみれば、數ヶ月ぶりって程度よ~」

アハナ様はサラッと言うと、私に本を返した後、隣に腰を下ろした。私も習って腰を下ろす。

「……ちょっとリリちゃんも呼んでくれる?」

「………?はい……」

アハナ様に言われ、その場で姉さんに呼びかける。すると、気づいたようで、一瞬ビックリし、アルナ様の方と私の方を互に見比べた後、溜息らしきものをついてこっちに來た。

「………後で怒られても知りませんよ…」

「大丈夫よ~」

姉さんは呆れた様子で、私が真ん中になるように隣に座った。アハナ様は何故か笑顔で私と姉さんを姉さんが座り始めてから見つめている。

「………なんですか?」

「え?いやぁ~、大きくなったと思ってね~。やっぱり人間は長が早いわね~」

いや、単純に神の時間が違いすぎるだけだと思うけど。

「……貴方達に渡した『共神化』は上手く使いこなせているみたいね~」

「……ええ、まあ」

やっぱり、私達はアハナ様と會ったことがあるみたいだ。けど、記憶に無い。考えられるのは記憶を消されたか、あるいは記憶に殘らないほどサクッとされたか私達がい頃という事になるけど………

「大合ってるわ。私が貴方達に渡した時はまだ貴方達は赤ん坊でしたもの」

……それは覚えてる訳ない。

「………1つ良いですか?」

急に姉さんが真剣な表でアハナ様を見つめている。それを見たアハナ様は笑顔で頷いた事で了承の意を見せた。

「……どうして私達に『共神化』を與えたんですか?赤ん坊の私達なんて、これからどう長するかなんて分からないじゃないですか」

全くその通りだった。私達はそれこそ一応貴族だけど、家柄はそこそこだし、第1、実力貴族の子供だからといって強い子供が生まれる可能は大して高くない。なのに何故?

「…私はずっと『共神化』の最高適合者を探していたの。もう分かるでしょ?貴方達はこの世界において一番の最高適合者。ただそれだけよ」

さっきまでのアハナ様らしくない喋り方にちょっと驚いたけど、ただそれだけ。私も姉さんも納得のいく答えだったから普通に黙り込んでしまった。

「ん?…ん~ん……」

そんな空気をぶち壊したのはお師匠様の聲。あの聲のじはもうすぐで起きる合図だ。

「あ、師匠!」「あらあら~」

聲を聞きつけた姉さんとアハナ様はお師匠様の下に行くために立ち上がり、駆け出そうとした時にお互いにお互いを認識したらしく、ピタッと止まる。

「……どうされたんですか?アハナ様?」「そういうリリちゃんだって~」

フフフフとやけに怖い笑顔で微笑みながら睨み合う両者。一歩もかないので、私がお師匠様の所へ行く。

寢転がっているお師匠様の隣に腰を下ろして、先程まで居た場所を見てみると、私が居なくなった事すら見えてないらしく、ずっと睨み合っている。

「………本當にお師匠様はモテる……」

私は大好きな姉さんの想い人に語りかける。けど、返事は返って來ず、代わりにく聲が返って來た。

この際、獨り言でも良いから思った事を話しかけよう。

「……お師匠様、私は不思議と今は怖くありません。あの生死を分ける戦いは、私の心を強くしてくれた。姉さんもきっとそう…。だから、私達を頼って……。きっと期待に応えられるから………」

最後まで言ったところで、急に自分が何を言っているのかを思い出し、恥ずかしくなる。姉さんの方をチラッと見ると、まだ睨み合っているから、勘付かれてはない………よね?

「…………ふぁぁ~ぁ、よく寢……た……?」

お師匠様はそう言って、大きなあくびを首を傾げながらする。……どうやら聞かれてはいないみたい。

「……あ、師匠!!」「……あ、忘れてたわ~」「……あー!いつの間に!!」

こっちに駆け寄って來る姉さんとアハナ様。それを見て、漸くアハナ様の幻覚に気付いて怒りながら凄いスピードで走って來るアルナ様。

「………はぁ~あ、いつでもうるさ………え?」

お師匠様は呆れながら姉さんの方を見て固まってしまった。……そういえばお師匠様とアハナ様は関係が!

「あんたは……うっ!………あとしで思い出せそうなのに……!!」

お師匠様は頭を抱えていている。……こればっかりは私の出る幕では無い。姉さんとアルナ様を2人から離す事にしよう。

「……"強化"、"ウィンドアクセル"」

に力がみなぎり、足に風をじる。問題無く発しているみたいだ。あまり近接戦闘が強くない私はこれぐらいしないとあの2人を抱えられない。

私は思いっきり駆け出し、アハナ様の隣に居た姉さんとそのすぐ後ろに居たアルナ様を抱えてお師匠様から距離を取る。

「……ありがとう…」

通り過ぎる時にアハナ様の聲にじた。……やっぱりあの2人にはしっかりとした絆があるんだ。それを邪魔するのは無粋ってもの。

「……あのー、もう察しが付いてるんで下ろして貰って良いですか…?」

右腕に抱え込まれている姉さんが、恥ずかしそうに言ってくる。左腕で抱え込んでいるアルナ様も同じ気持ちのようで、姉さんの言葉にコクコクと激しく頭を縦に振っている。

「…分かった」

私はアルナ様だけ下ろして姉さんをお姫様抱っこした。

「………え?」

「姉さんはもうしこのままで」

姉さんは呆気に取られた表になっているけど、気にせず抱っこし続ける。

あ~あ!さっきの恥じらいの顔も良かったけど、呆気に取られる顔もあんまり見ないから新鮮っ!!脳保存!脳保存!

「……ここも邪魔しない方が良いかな?」

「いえっ!全然そんな事ないですよ!!?」

姉さんとアルナ様の聲が聞こえるけど、そんな事より、新しく見せた焦る顔も脳保存しなきゃ!!

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