《ただの世界最強の村人と雙子の弟子》第106話 相棒達は
===ユウキ視點========================
「良い?この世界は貴方達が思っているほど軽いじゃないの。『地球』よりもこの世界は守らなくちゃならないの」
「そんなのはどうでも良い!!私は、私達はただ!ご主人様を守る!ご主人様の剣になる!その為なら、例えご主人様に嫌われたってっ!!」
守姫の言葉を真っ向から否定するかのようにお姉さんは話す。
「矛盾しているわ、そんなの。ユウキを守る為に世界を見捨てる。そしたら、ユウキは死ぬわよ。そんな事も分からなーー」
「"神界創理"」
「……っ!?あなたまさかーー」
俺は訳も分からず、イエリアスを見る。するとイエリアスは微笑んだ後、の粒子になり、俺の右手に剣として戻った。
「それは見過ごせませんね」
突如、アルナが守姫の背中に現れ、手刀を後頭部に突きつけている。
どうやら守姫は"絶界隔離"を維持するのを忘れていたらしく、後ろを振り返ると有った筈の"絶界隔離"が消え、リリ達がこっちに走ってきていた。
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「師匠!!」「お師匠様…!」
リリ達は俺を見てホッとしたような顔になるが、俺の右手にある剣を見て複雑そうな顔になった。
「あー、これはだな……。その、なんて言うか……」
「………大丈夫です」
イエリアスをどう説明しようかと悩んでいたら、リリがし寂しそうな顔で微笑んだ。
「…お師匠様がどんな危険な目に遭っても、私達が一緒に戦う……」
ルルがなんかとても頼もしい事を言ってくれた。これを聞いただけで俺は恵まれている事が分かる。
………ああ、こいつらを弟子にとって良かったな……。
「……さて、傷に浸るのもこれぐらいにして、守姫、攻武、技姫。來い」
こういう時はしっかりとスイッチを切り替えるべきなので、イエリアスを俺の中になおした後、し小さめだが、はっきりと相棒達の名前を呼ぶ。
「「「………………………」」」
すると、音も無く俺の前に3人が現れ、無言で跪く。3人とも悪いとは思っているみたいだが、反省も後悔もしていないような顔だった。
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「………もう言うまでもないよな?」
「はい」「……ああ」「罰は覚悟しています」
今までどんな危険な戦いでも、こいつらと一緒に乗り越えた。はっきり言って、俺はこいつらが居ないと弱いだろう。
………俺は『魔導』と『殲滅武』を創る際、ある目標を決めていた。それは守姫達が居なくても戦えるモノにする。
この機會は逆に良かったのかもしれない。今回の事が無かったら俺は提案すら出來なかっただろうから。
「……お前達に選択肢を與える。俺の『ソウルウェポン』としてこれからも俺を支えるか、それとも俺の下を離れるか」
「「「……………っ!!??」」」
俺の下を離れる、それを聞いた瞬間、3人の顔が何よりも悲しく、辛そうな顔になった。今すぐにでも異を唱えそうになっているのを必死に堪えているように見える。
最初に変化が現れたのは守姫だった。
「……………私はこれからもずっと………ずっと………死ぬまで…ご主人様の側に居たい……です……」
そう呟いた後、跪く姿勢が崩れ、へたり込んだような座り方になった後、顔を手で覆って泣き出した。
「………でもっ……もしっ…私の事がっ………今回の事で……嫌いに…なったんだと……………したら……私はっ………」
…………………不味いな、自我崩壊が始まっている。その証拠して守姫のが一部分だけだが、歪んでしまっている。
守姫達は一応はしているが、本當のではないので、神が崩壊してしまうとが維持できなくなってしまう。
次に技姫がおかしくなりだした。
「………私は不要と判斷されたのですか?私は不要………なのですか?……確かに主人の命令を聞かない従者は必要ないですよね……。私は不要、私は不要、私は不要、私は不要、私は不要、私は不要、私は不要、私は不要、私は不要、私は不要、私は不要、私は不要、私はーー」
まるで壊れた機會のように呟き続けている技姫も自我崩壊が始まってしまっている。
唯一、攻武は自我崩壊してない。ただ、俺の真意を探っているかのように考え込んでいるだけだ。
「………あのー、師匠。守姫さんと技姫さんがおかしくーー」
そこまでリリから聞いた時點で、『魔導』"ブラックルーム"を発し、真っ黒な壁と天井が俺と守姫達を囲い、地面からはゆっくりと真っ黒な床が上がって來る。
"ブラックルーム"は音も當然も外に出さない、いつでもプライベートを確保出來るようにと作った魔導だ。もっと早く展開すべきだったが、ここまで揺するとは思えなかった。
「…………1つ勘違いしているようだが、俺はお前達を心の底からしている。だから、お前達に1つの命をやろうと思っているだけだ。決して、お前達を捨てたいなんて思ってない」
俺の言葉を聞いた途端、ビクッと肩を震わせながら俺を指の間から見る守姫とピタリと呟きをやめた技姫、なんか納得顔になった攻武。
急に靜かになり、守姫の鼻をすする音のみになったこの空間で、どう切り出すか迷っているとーー
「………私はーー」
守姫の小さな呟く聲が聞こえた瞬間、姿が消え、代わりに俺の口の中に舌がってきた。
「~~~!」
守姫の甘い舌を絡め合い、口の中を、守姫の甘い匂いが鼻を、守姫で満たされていくようだ。
ここで俺は不甲斐なくも守姫に押し倒されてしまい、守姫が上に乗った狀態で未だキスをし続ける。
守姫の目元は幸せそうで、思わず守姫の背中に手を回し、こっちから舌を激しくしていく。
多は戸っているようだが、俺にを委ねたようで、に守姫の軽めの重がかかった………。
「…………分かって頂けましたか?」
「……ああ」
守姫は未だ火照っている顔を俺のに乗せながら呟いた。
もう気持ちは伝わった。今はたった一回のやり取りで全てが通じる。
俺は守姫をなおした後、を起こして技姫を見る。
技姫は俺と守姫のやり取り(キスのみ)を見たというのに、真剣な表になっている。
「…………我が主人よ、私はあなたにとって何ですか?」
「家族、もしくは相棒」
技姫の答えに即答する。他にもんな言い方はあるかも知れないが、大切な人を表す言葉なら殆ど當てはまるだろう。
「……私は我が主人…いや、ユ…ユウキさんと一緒に居たいです」
今まで一緒に暮らしていた中で、最もと言えるほど顔を真っ赤にして上目遣いで俺を見てくる。
(え!?技姫がご主人様を名前呼びぃぃ!!??)
とか守姫がしうるさいが、俺も驚いた。
技姫はいつだって俺の事を"我が主人"と呼んでいた。し事務的な言い方を良くする技姫だから普通にけ止めていたが…………ちょっと良いな、普段は事務的な態度をする人に上目遣いで名前呼びされるのは。
(ちょっと~~!!ご主人様!!??)
とかまだうるさい守姫は置いといて、技姫に歩み寄る。
技姫は未だ上目遣いでこっちを見ている。
「………なら、俺の中に戻ってこい」
俺は技姫のおでこに軽くキスをした後、技姫を抱きしめる。最初は戸っていたらしいが、徐々に手を俺の背中に回し、一言。
「………はいっ!!」
そして、俺の中に技姫をなおし、攻武を見る。腕の中にさっきまであった溫もりが消えたのはし寂しいが、攻武の判斷も聞かないといけない。
「……お前はどうする?」
「そんなん、決まってるだろ」
攻武はニヤリと興を抑えられない子供のように笑った後、自を顕現させて走りこんできた………。
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…………守姫みたいな彼、しい。
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