《ただの世界最強の村人と雙子の弟子》第113話 最後の時間

===ルル視點========================

「はぁ?だったらそれを何で最初にーー」

「私はこれを言う前に貴方に許可を貰いたかったのが正直な想です」

お師匠様は深い溜息をついて、考え始めた。

……確かに私達は魔脈を悪用される前に攻めるつもりだったけど、間に合うかも分からないし、防ぐ方法があるのなら知っておいたらもしもの時に備えられる。

けど、シャルティ様はし強めの人間というだけで、その実力は多分、SSSランク冒険者より低い。

「…シャルティ様、方法だけ教えて、後は私達にーー」

「それは出來ません」

「ですよねー」と姉さんはし笑った後、溜息をついた。

私も姉さんが提案した通りにするのが一番だと思うけど、シャルティ様がれてくれなかったらどうしようもない。

私達に殘されたのはシャルティ様を連れて《魔神の砦》に攻め込むか、シャルティ様を置いて予定通りに攻め込むかの2つに1つしかない。

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シャルティ様を連れて行く場合だと、誰かがシャルティ様を守らないといけないけど、魔脈を何故悪用するかも、それを防ぐ方法も知る事が出來る。

置いていった場合は、誰かを守る必要は無いけど、『神の強ゴットグリード』が魔脈を悪用するのを止められなかった場合に防ぐ事が出來ない。

お師匠様はどっちを………

「はぁ~ぁ、なら、お前を連れて行くか」

「……っ!……ありがとうございます」

驚きを隠す事なくシャルティ様は真っ白に輝く目を見開き、頭を下げた。

「……良いんですか?」

「……まあ、仕方ないさ」

姉さんが確認したけど、お師匠様はどこか諦めたような目でシャルティ様を見た後、軽く微笑んだ後、椅子に座っているガレット様の頭を摑んだ。

「あ、覚えていてくれたのか……」

「ああ、そして忘れてくれ。"ブレイク"」

ガレット様はしビクリと震わせた後、機に突っ伏してかなくなった。が呼吸によっていている事から気絶しただけみたい。

それをグレース様とエンフィート様にもした後、お師匠様はシャルティ様と私と姉さんを摑んで転移した……。

「あ~っ!今までどこに………え?」

《アブェル》でも野営をしていた教會近くの広場に著いたところに、ずっと待っていたであろう、ティフィラさん達が駆け寄って來た。

けど、ティフィラさんはシャルティ様と目が合った途端、その場に立ち盡くしてしまった。恐らく、急な展開に頭がついていって無いんだろう。だって、エルガさんが顔の前で手を振っても……あ、投げ飛ばされた。

「…………ちょっとユウキ?そいつは何?」

「は?お前知らねえの?こいつは連合國の人族代表のーー」

「シャルティです。お久しぶりですね、ティフィラさん♪」

音を立てて空気が悪くなったのをじて、この場から離れ、教會る。

お師匠様や姉さん、エルガさん、イアさん、アイも私とほぼ同じタイミングでる。

「お、帰ったか」

教會にはんな人達が居たけど、その中でも一際目立つアギラさんは、その人達に何かの指示を出していた。恐らく、復興作業の指示だろう。逆に今の今まであまり進んでいなかったのがおかしいけど……。

「アルナ様がお呼びだ」

その言葉に教會めき立つが、アギラさんが慣れたきで教會から私達以外の人を押し出す。

「お呼び、お呼びって何度呼ぶのかね」とお師匠様は溜息をつきながら、教會にある長椅子に座って欠をした。

教會に差すはもう橙になっていた。思った以上に時間が経っていたみたいだ。

そして、アギラさんが門を作り終えるまでみんなで並んで座って時間を過ごした。左からアイ、イアさん、エルガさん、お師匠様、私、姉さんという順番だ。

姉さんはお師匠様の隣に座れなくて最初はし拗ねていたけど、私が姉さんともお師匠様とも隣になりたかったと言ったらすぐに機嫌を直してくれた。姉さんは自分が姉という事にこだわっているからこういう時に楽。

「あ~、靜かだな~」

「なら、私が騒がしくーー」

一瞬だけ守姫さんが出てきたけど、お師匠様がすぐさま守姫さんの手を摑んだら消えてしまった。

「………眠くなってきた…」

お師匠様は私の肩にし頭をもたれさせ気味になっている。それを見て、姉さんが何とも言えない、怒っているような羨ましがっているような、悔しがっているような顔になる。

「おーい、出來たぞ~」

とても靜かな空間にアギラさんが聲が割り込み、し不機嫌気味にお師匠様は立ち上がり、門へ向かっていく。

それに私と姉さんもついて行く。エルガさんとアイはそれを見て手を振っている。イアさんは私を見た後、し微笑んだ。

お師匠様の後を追い、何度目にもなる門を姉さんとともにくぐった………。

「さあ、いよいよですね」

ってすぐ、アルナ様は話しかけてくる。アハナ様はその隣で普段通り微笑んでいる。

「ああ、明日攻める」

お師匠様はいつもと変わらない口調で話すけど、隣の姉さんは勿論、私もいざ言葉に出されると張してくる。

「最低でも『強神』の抹殺、出來れば捕獲。そして、魔脈の悪用を防いで…………この地に平和を」

アルナ様は最後の言葉を言うのにし時間がかかった。アルナ様はアルナ様で思うところがあるんだろう。

「……俺はただ、俺の日常を壊そうとする奴を潰しに行くだけだ……。だから、そんなにあんたが気に病む事は無い」

アルナ様はその言葉を聞いて、目に手を當てて肩を震わせている。そんなアルナ様の背中を揺すっているのはアハナ様。

「……今回は多分、『地球』に居た連中よりも遙かに強い。……決して油斷する事なく、自分のを第一に。いざとなったらーー」

「そこまででいい」

お師匠様は話の途中だと言うのに、背を向け歩きだした。向かっているのはまだ空いている門。

「……もう失禮するぞ。明日は早いんでな」

私はし戸ってしまったけど、姉さんが私の腕を摑んで引っ張る。私は唖然となって、足だけを流れのまま、かしている。

私はアルナ様の顔は見えなかったけど、アハナ様の顔は見えた。その顔は涙ぐんでいたけど、とても晴れやかでもあった………。

「お、早いな……」

「こちとら、あまり時間がないんでな」

アギラさんと軽く會話をしながらも、お師匠様の足は止まらない。そのまま、教會を出て、広場に向かう。

その後をついて行くと、未だ口論中の2人に無理矢理今晩の夕食の準備をさせようとしている。

「さっさと寢ないと明日が辛いぞ?」

「私も手伝います!」

いきなり出てきた守姫さんと技姫さん、攻武さん。それを見て何かの対抗心を見せたティフィラさんが手伝い、流れ的に私と姉さん、シャルティ様も手伝う。

イアさんとアイ、エルガさんは場所の用意。

お師匠様と攻武さんを殘して、陣が料理をする。獻立はカレーというお師匠様や守姫さんから教わったし辛味のあるもの。

攻武さんとお師匠様が皿だしをしているのをチラリと見ながら作る夕食はとても懐かしくて楽しかった………。

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