《ただの世界最強の村人と雙子の弟子》第115話 リルの本気
===リル視點========================
石レンガの床に天井、壁がある。天井は大きな円になっていて、まるで闘技場のよう。いや、砦の中だと思うから、円柱と言った方が良いかも。
私はお師匠といきなり離れ離れになったので『共神化』をして、いち早く合流しようと奧に見える扉に向かおうとした時、強大で不気味な神気をじ、合済みの自の『ソウルウェポン』を権限させて構えた。
いつ何処から襲ってくるかも分からないので、目を瞑り、覚を研ぎ澄まして時を待つ。
(カッ、カッ、カッ)
しめの靴で歩いて來ている足音が聞こえる。それに伴い神気がこっちに迫って來ているのをじる。
『………はぁっ!』
(ガキィィン!!)
私は目の前に魔素の歪みをじた瞬間、剣をそこへ振り降ろすとそれを防がれた。
反でし後ろへる音と何者かが著地したような音が鳴る。
「……よく門を見破ったな」
『最近良く見ていたので』
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私は目を開ける。そこには《デットラス》で戦った黒い神、『破壊神』が居た。
『破壊神』は上には何も著ておらず、それにより見えたあの時付けた傷は、完治こそしているが痕としての至る所に殘っていた。
「……また會えて嬉しいぞ。今度こそはそのを貰いけるからな」
『お斷りします。私のはそこまで安く無いんで』
『破壊神』は真っ黒な霧が集まったような剣を、私は"破壊されない"という要素を付與した神気を剣に纏って構える。
沈黙が辺りを支配する。窓も無いこの空間では風すら吹かない。この沈黙を破る要素が無い。よって、お互いに相手が先にくのを待っている狀態だ。
私は足にかに"ウィンドアクセル"を纏い、ゆっくりと全に"強化"をかける。
相手の事を意識しつつ、隙も無いように自を強化するのは意外と神が疲れてくる。
だけど、しでも隙を見せたらすぐにーー
『……っ!?』
(ガギィィン!!)
「……これも防ぐか…」
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急に背後に現れた『破壊神』の剣を、前に前転する事で躱そうとしたけど、ちょうど背中が地面に當たっている時にはもう當たりそうだったので、前転する時になおしていた自の『ソウルウェポン』を顕現しなおして防ぐけど、衝撃が凄くて、背中で地面をってしまう。
「ふっ!」
そこへ容赦なく蹴りをして來たけど、それを剣で防ぐ事しか出來ず、さらにる。
『ぐぅぅっ!はあぁぁ!!』
「なっ!?」
『破壊神』が右手を私に向けて何かをしようとしてきたので、"転移"で破壊神の背後に出る。
"転移"で勢を帰る事は出來ないから、転移してすぐ地面に手をつき、勢いのまま回転して剣を中段に振るう。
それを右へ大きく飛び込む事で躱される。
『『魔導』"支離滅裂砲"!!』
「"壊っ"!!」
私は剣を振った後に、地面についていた手を地面から離し、『魔導』でも珍しい攻撃的な『魔導』"支離滅裂砲"というあらゆるものを跡形も無く消す『魔導』を放つ。
それに対し、飛び込んだ後にしっかりと勢を立て直していた『破壊神』は、右手を左手で支えつつ、寸前で右手を力強く握り締める事で、私の『魔導』を霧散させた。
だけど、それにより、大きな隙が出來たので、私は『破壊神』の頭上に転移する。
『『殲滅武』"剣・大陸貫破"!!』
「権化の剣っ!!」
真上から振り下ろした渾の一振りを、『破壊神』の右腕が変化した大剣に防がれる。
その大剣は人1人くらいあり、肘辺りまで片刃剣に変化している。刃はノコギリのようにギザギザで、漆黒で所々に赤いのようなものが垂れている。
「……これは使いたく無かったんだがな」
『…隨分と余裕(パキィ)ーーっ!?』
何かいものが割れた音が鳴ったのと同時に酷い頭痛と目眩、神気の低下が起きる。
それは私の『ソウルウェポン』が原因だった。
私の『ソウルウェポン』のちょうどあの大剣に當たったところがしだけ欠けてしまっている。
私の『ソウルウェポン』には私の"破壊されない"という要素の神気を纏わせていたけど、どうやらあの剣が漂わせている禍々しくて冷たい神気の方が強かったみたい。
『ソウルウェポン』の欠損は魂の欠損。『ソウルウェポン』がしでも欠ければ私の能力がその分低下し、直後は目眩とかも出る。
幸いな事に頭痛とかがしている時に『破壊神』が攻めて來なかった。多分、その時攻めて來られたら私は死んでいただろう。
「権化の剣は高位な神が持てる、自の神としての役割や特徴を剣に濃し、利き腕を元に顕現するものだ。そういった事では、貴様らの『ソウルウェポン』と似て非なるものだろうな」
『破壊神』は私を見據えて、剣となった右腕を構える。
その顔は軽蔑している訳でも、敵として認めている訳でも無く、ただ事務的な作業をしようとしている無な顔。
「さあ、貴様はどうする?この破壊が現化されたこの剣を相手に」
『破壊神』は私がどう対処するのかを見たいのだろう。『破壊神』にとって、私やお師匠は初めて戦いを出來る相手。だから、どう切り抜けようとするのかをとても知りたいんだ。
……私は『神の強ゴットグリード』が嫌いだ。
勝手に攻め込んで來て、私の周りの人を傷つけて、お師匠なんて死にそうになった。
だから、手加減なんてしない。私の全霊をもって、『神の強ゴットグリード』は1人殘らず始末する。
私は右手を『破壊神』に向け、左手を自のに當てる。鼓を手でじると同時に右手に神気を集める。
鼓が時を刻むのを意識する。この世界は私の鼓が時を刻む。この世界は、私が左右する。この世界は……私だ。
右手から溢れ出すは私と『破壊神』を包み込み、『私の世界リル』を形作った………。
ここは私の世界。神々が創り出す神界と言うもの。けど、決定的に違うのは、ここ自が私であると言える事。
「……神界まで創り出せるとはな」
『ここは私、私はここ』
『破壊神』の呟きを無視して言葉を紡ぐ。
『ここにいるものは全て、私と同じ。私は全てここと同じ』
『……さあ、正々堂々な単純な殺し合いを始めましょう』
言い終えた瞬間、真っ白な空間であるこの世界に、私と破壊神の間の左側に実態の無い、黒い秒針しか無く、數字も短針も長針も無い黒い縁の円形の時計。
その時計の針は私の鼓があるかを示している。もし、あの針が止まったら私の鼓も止まっている事になる。
「………よく分からないが、この権化の剣の対策にはーー」
『破壊神』はそこまで言って、右腕を凝視して固まる。
その腕は先程までの不気味な大剣では無く、元の腕に戻っていて、手に真っ黒な霧で出來た刃の一部がし欠けた剣が一振り、あるだけ。
『私とあなたの狀況は全く同じ。一つに得一つ。『魔導』も『殲滅武』も使えるけど、神としての力は使えない。だって、私にはそんな力が無いんだから』
後半辺りから『破壊神』の顔は怒りに煮えくりまくっていた。でも、仕方ない。この世界ではそれが普通。
『私は勿論、『魔導』も『殲滅武』も使えるけど……あなたは使える?』
「~~っ!!貴様が神としての力を持っていないだと?笑わせるな!この世界そのものが神の力だろう!!」
私は次に『破壊神』が言う事が何となく予想がつく。けど、私の神としての力はあなたほど………強くは無い。
「貴様の力は『同調』!!忌々しい、全ての神の力を無力化するものだ!!!」
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