《ただの世界最強の村人と雙子の弟子》第118話 決著
===ユウキ視點========================
広い地下空。奧には群青にを放っているが見える。
そこへ行くのを阻むように立っている『強神』。今まで見た神の中でも特に異質なそれは不気味で生きているのかも分からない。
そして、出てきてすぐ半明の斬撃らしきものを飛ばして來た事から俺達を殺そうとしているのは間違いない。
ここは慎重にーー
「……ア、アアアアアア!!」
「『!?』」
突然、『強神』は本來なら口があるところを顔の隅辺りまで割り、まるで口裂けのようになり、んだ。
「……!?避けろっ!!」
『分かってます!!』
び聲に呆気を取られていたところに、さっき飛ばして來た斬撃のようなものを俺とリルの方へ中段に飛ばして來た。
それを俺は跳び越えて躱し、リルは宙に浮かぶ事で躱した。
その斬撃のようなものは、『強神』のから出ていたようで、腹らしきところが線2本分、し凹んでいる。
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「ここはすぐに決めるぞ!」
『はいっ!』
「『『魔導』"支離滅裂砲"』」
俺は奴の右側から、リルは左側から同じタイミングで放つ。
「……アアァァ」
小さな鳴き聲。たったそれだけで俺達の『魔導』がまるで見えない壁に當たったように奴から離れたところで発した。
『え!?何今の!?』
「知るかっ!それより今度は接近戦だ!」
俺はすぐさま走り、発の煙を掻い潛り、右手にある大剣を、リルは自の『ソウルウェポン』を"支離滅裂砲"が防がれた所を避け、奴に振るう。
「……ア、アァァ?」
俺達の剣は今度は防がれる事は無く、左右からしっかり當たったが、まるで斬れない鉄の塊に目掛けて振るったように、ビクともしない。
腕に反で痺れが來ているのは、リルのあの嫌そうな痛みをじたような顔からリルも同じようだ。
「……アァァ」
「……?うおっ!?」『……?キャアッ!?』
奴がまたも一言呟いた事で、今度はいきなり、見えない壁に吹っ飛ばされたように吹っ飛ぶ。
「……はぁ、こんなのアリかよ……」
『…ホント勘弁してしいです』
大したダメージでは無かったが、そんな事より正不明な攻撃をしてくる事をどうにかしないといけない。
リルと一旦合流し、考える。リルが言うには、神気が籠っているのは間違いないらしいんだが、あの斬撃のようなものは見えるからまだしも、壁のようなものに至っては見えないからいつ來るかも分からない。
そして、見えないだけなら良いんだが、ここでは魔素のれも魔力や神気のきをじるのが鈍くなっていて、どうしても反応に遅れてしまう。
「……こうなったら、全力でやってやる。…リル、一旦手を出すなよ?」
『………はい』
リルに言い聞かせ、俺は全に"強化"をかけ、足に"ライトニング"、背中に"ウィンドアクセル"、そして"ウィンド"で俺にとって追い風となる風の流れを作る。
「……ふっ!」
俺は全力で走り抜け、奴の全に360°からの斬りつける。殘像が出來るほど速くき、剣には"滅卻衝"を纏い、斬りつけ続けた。
「……ア、アアァァァァ!!」
斬りつけてから1分と経たずに、奴がんだを聞き、一旦距離を取ろうとした時、不意に左腕の覚が消えた。
(…ドサッ)
何かが落ちた音。何が落ちたかは、左腕の付けから急に來た痛みで、見る必要も無かった。
『……!!??お師匠!!』
リルの悲鳴のようなび聲を聞きながら、自分の左腕と左手に握り締められたままの刀を回収して、取り敢えずリルの所へ戻る。
「……はぁ、はぁ。チッ、化けかよ」
俺は素早く左腕を切られた斷面にくっ付け、"強化"をその傷口の治癒力のみに集中してくっ付ける。
『大丈夫ですか!?』
「……ああ、大丈夫だ」
腕がしっかり繋がっているのを確かめる為に腕を回したり、手を開いたり閉じたりし、それをリルに見せて落ち著かせる。
『………どうします?一か八か、私がーー』
「いや、まだ試してない事がある」
リルの言葉を遮り、右手にある大剣を、左腕をくっ付ける時に置いておいた刀の近くに刺し、し前へ出る。
奴はあんな事をされたのに、俺達の方へを向ける事も無く、ただ立ち盡くしている。
恐らく、あの魔神の片を全て吸収するまでかないつもりなんだろう。その片も、あまり時間が経っていないのに、初めて見た時より3割ほど減っている。
「早く仕留めないとな。なあ、イエリアス?」
『……ふふ、やっと読んでくれたね?』
俺の右肩に手が置かれ、顔は俺の顔のすぐそば、右肩側に來て、背中にはもたれかかれたような重みが來た。
俺は特に何もじる事は無いが、もうちょっと自然に現れても良いと思う。
「あれを倒せるか?」
『…………それは難しいね。神が相手となったら』
どうやらイエリアスは神とやらの事を知っているみたいだ。
「神って何だ?」
『ふふ、神というのは、高位な神の中でも更に高位、神王クラスの神にしか創れない最上位の武。あれや私の事を言うものよ』
イエリアスはサラッと凄い事を言ったが、自然とそうだとけれられた。
「……ア、アァァァ!!オ、マエ……!!」
いつの間にかこっちを見ていた『強神』は初めて言葉らしい事を言った。どうやら、お互いに會った事があるみたいだ。
『ええ、久しぶりね。"の神"、フラシスタ。覚えてくれて嬉しいわ』
「…イ……エ…アス…、アァァァ!!」
んだ後、無數の斬撃らしきものを飛ばしてくる。
『……はぁ、言葉が通じないって厄介ね。ユウキ、さあ、私で薙ぎ払って彼を殺しましょう』
「……は?俺かよ…」
イエリアスは勝手に剣の姿に戻ったので、イエリアスを使って斬撃らしきものを斬り伏せていく。
イエリアスを使うと、躱す事しか出來なさそうなこの斬撃らしきものがまるで弱々しいものへと思えるほど、簡単に斬り伏せる事が出來る。
「……ア、ァァァアアア!!」
今度は半明な壁を何個も作って立てたまま、らせて來た。きっと、これがさっきまで見えなかった壁の正なんだろう。斬撃よりも高位な壁が見えるようになったのもイエリアスのおかげだろう。
らせて來た壁は走りながら、イエリアスで突く事で簡単に壊せたので、徐々に迫っていく。
「……ア、ァァァアアア!!ヤァァァ!!!」
イエリアスが余程怖いのか、思いっきりんだ後、片の吸収を中斷して、半明な巨人のようなものを2作り出し、襲わせてきた。
「こんな奴らーー」
『あ、無理』
イエリアスの諦めたような聲と共に、急激に地面が近づいて來た。
いや、地面が近づいて來たんじゃなくて、俺が地面に近づいた。つまり、倒れてしまった。
「……ア、アァァァァァ!」
何が起こったのかも分からず、を起こそうと手を地面に付いた瞬間、頭を摑まれ、持ち上げられる。さっき現れた巨人によって。
『ごめんね、私の力が強すぎて、ユウキの魂が削れすぎちゃった』
「は?ちょっーー」
俺は最後まで言うことなく、吹っ飛ばされる。どうやら巨人に地面に投げつけられたみたいだ。
中が重く、意識が定まらない。不意に視界に映った膝に鎧が無い事から、『真の魂の融解放ソウルフルバースト』が解けてしまっているみたいだ。
とても悔しい。俺の魂の問題で、『強神』に負けたくはない。例え、命に代えてでも、奴だけはーー
『なら、死ぬ?』
……ああ、死んでやるよ。ありったけの魂をくれてやる。だから、奴を"殺させろ"。
『……ふふ、やっと見せてくれた。一番濃い殺意!いいよ、彼を殺せるだけの力をあげるから………真の意味での人パートナーになりましょ♪』
急に全に力がみなぎる。あれだけ定まらなかった視界は、クリアすぎるほど。
俺は迫っていた巨人の拳を躱し、奴へと一気に駆け寄り、真っ黒な心臓へとイエリアスを突き立てた………。
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さて、次の章で最後です。
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