《異世界召喚!?ゲーム気分で目指すはスローライフ~加減知らずと馴染の異世界生活~》1-1異世界召喚!?

「起きて、朝だよ。ユウくん學校遅れちゃうよ」

午前8時、寢ている悠人を起こしに來たのは、出會ってからかれこれ9年近く経つ馴染の舞香だった。

「あと5分、5分だけ寢かせてくれ」

昨日も遅くまでゲームしてたんだよ。もうし寢ないとく気がしない。

「いいから早く起きる。ゲームのデータ消しちゃうよ」

ゲームのデータを人質ならぬ、質にとられた悠人は今までの態度が噓のようにじられるような爽やかな笑顔を舞香に向ける。

「おはよう。今日も天気がいいな、舞香」

なんて恐ろしい脅迫だ。起きるか。パーカー子キャラコンプしたというのに。

「もう、相変わらずゲームの事になるとユウくん反応するんだから」

しだけ、自分が相手にされてない事にマイカは不満な態度をする」

「だいたい高2になっても起こしにくる馴染ってのもどうかと思うぞ。だいたいそんなんだから、ってなんでそんな機嫌悪そうなんですかね」

「知らない。早く學校行こうよ。本當に遅刻しちゃうよ。新學期初日から遅刻は目立っちゃうよ。早く、早く」

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舞香は悠人の部屋にある時計を見て、急かすように言う。

「ちょっと待ってろ、すぐ著替えていくから」

俺、森谷もりや悠人ゆうとは今日から県立伊勢山高校の2年になる。悠々自適な高校生活を夢見ていたが、馴染の上川かみかわ舞香まいかによって1年の頃は自由にできなかった。だから、今年こそはと祈りながら著替え、舞香のいる玄関に急いだ。

「著替えたね。早く行こ」

舞香は有無を言わさないような勢いで悠人の腕を摑み、無理やり引っ張っていこうとする。

「ところで俺は朝飯まだ食べてないんですけど」

「今日は、すぐ終わるし大丈夫だよ」

ねぇ、1日の健康は朝食からって習わなかった? 寢坊をして、遅刻することを防いでくれた舞香にそんな事を悠人が言えるはずもなく、舞香と共に悠人は學校に急いだ。

*****

學校について早々、悠人は信じられないといったをそのまま顔に出し、一言らした。

「噓だろ……」

どうやら祈りは通じなかったらしい。また舞香と同じクラス、奪われる自由。悠人の顔は良いものとは言えないものになった。

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「やった。また同じクラスだね」

「ソウダナ、ヨカッタヨ」

悠人は今年も悠々自適な高校生活が送れない事を悔やみながら、片言の日本語で返す。

「なんか片言だよ」

「気のせいだ。それより教室に行くぞ」

急がないと、朝飯を抜いたにもかかわらず遅刻する事になる。

「あっ、そうだね」

しかし、まぁ、馴染とのんびりとした高校生活も悪くはないと、悠人は心の何処かで思っていた。

教室に著くや否や、俺は機にうつぶして睡眠をとろうとした。流石に睡眠時間2時間はきついからな。

しかしその願いは葉わず、程なくして教師がって來た。

「あー、遅くなってすまない、今日からお前らの擔任になる先生は調不良で休む事を忘れてた。とりあえず始業式行くから廊下に並べ」

クラス全員の心が、初日からなんで休むんだよ。と1つになった。

俺も休みたかったな。とはいえ來てしまったからには仕方ない。やたら長い始業式の間は寢ることにするか。

「ねぇ、ユウくん。校長先生の話長いし、退屈だから私と暇つぶしでもしようよ」

始業式が始まって數分、そろそろ眠ろうか、と悠人が考え始めたが、舞香はどうやらそれを許してはくれないようだ。

「いや、眠いし寢る予定なんですけど」

このままだと本當にまずい気しかしないし。

「それは遅くまで起きてた、ユウくんが悪いんでしょ」

仕方なじゃないか、可いパーカー子があとしでコンプ出來たんだから。っていうか、それ遊ぶ理由になってないぞ。

「で、なにするんだ? 限界になったら寢落ちすると思うが、それまでなら別に構わねぇぞ」

「ユウくんのそういうところ、直してもっと素直になった方がいいよ。まぁ、そういうとこも好きだけどさ」

なにを言いだすんだ、この馴染は。

悠人は、久しぶりに聞いた舞香からの好きにしだけ照れながらも、なにをするのかだけ聞いて、眠ろうとする。

「それでなにするんだ、なにもしないなら寢るぞ」

「じゃあ、喋ってようよ。ユウくんと喋るの楽しいしさ、會えてなかった分を取り戻したいもん」

俺と話すのが楽しいのは嬉しいが、喋ってもいいのだろうか。

「別にまわりも喋ってるし、靜かに喋れば大丈夫だよ~」

実際にまわりの人間もかなり喋っている。ゲームなどをしていたりする人たちもちらほらと見られ、話を聞いているのはほんの數人といったじだ。

「そういうもんか。なら別にいいが」

こうして、悠人は舞香と雑談をしつつ、眠気と闘いながら、始業式を過ごした。

結局、始業式中は寢かせてもらえなかった。寢落ちする寸前でを揺すられて、辛口のタブレットを口に突っ込まれたら嫌でも目がさめる。

LHRの時間は、自己紹介だし自分の時だけ起きて、あとは寢よう。

「あー、待たせてすまなかった。LHRは自己紹介を出席番號順にしてもらう」

よし、もう寢よう。

*****

「次は森谷さんですね。森谷さん起きて自己紹介してください」

もう俺か。

悠人が目を覚ますと、そこそこの時間が経っており、悠人の自己紹介の番になっていた。

「えーっと、森谷悠人です。これから1年よろしくお願いします」

よし、もう寢よう。俺の仕事は終わった。

悠人の自己紹介が終わり、悠人が寢ようとしたその時、教室の床がり出して、クラスにいた全員がとっさに目をつぶってしまう。

俺の目がようやく視界を取り戻すと、そこは城の中だった。それも、西洋の王族でも住んでいそうな、そんな城の中だった。クラスの奴らもみんなここにいた。俺の後の2人自己紹介出來てないな、可哀想に。そんなことを考えていると、奧から王らしき人が出てきて魔王を討伐しろだの召喚した時に神から恩恵ギフトを貰っているからだの魔王を討伐した際には帰る方法が神から告げられるだのなんだの言っている。正直言って面倒だ。

「おい、舞香。俺は今からちょっとこの城から出て行く。魔王討伐とか面倒臭いから。後は任せた」

睡眠妨害をくらい、更には勝手に呼びつけて置いて、挙げ句の果ては命を駒に魔王を倒せなどと言われた。倒しても帰り方が分かるだけで、帰すとは言わない、上から目線な言いをする王らしい人の言。その他すべてに腹が立った悠人は、舞香に隠居生活をしようとしている事を告げ、1人出て行こうとする。

「えっ、ちょっと待ってよ。ユウくん抜け出すつもりなの? 私もついてくよ」

「いや、危ないと思うし。っておま、なんでそんな泣きそうなんだよ」

勝手にやる事で、舞香には迷をかけたくもないし、最悪この國を敵に回すかもしれないので、悠人は舞香の同行を認めようとはしなかった。

「だって、そしたらもう、會えないじゃん。そんなの、やだよ」

やっぱりあの時の事を、引きずってんのか?

過去の2人の別れを思い出させ舞香が涙し、昔から舞香の涙には弱い悠人は、仕方なく同行の許可をする。

「はぁ、付いてきたきゃ、勝手に付いてこい。その代わりどうなって、ゴフッ」

舞香はすごい勢いで、悠人に抱きついて來たので、悠人はかなりのダメージを負った。

「ユウくんありがとう」

「いきなり抱きついてくんなよ」

いやだってね、ほらが気持ちいいっていうか、恥ずかしいっていうか。実はこいつパーカー似合うな、可い」

「ユウくん、可いなんて、恥ずかしいよ」

舞香は顔を真っ赤に染めて、久々に悠人の口から出た素直な褒め言葉に照れていた。

どうやら聲に出てたらしい。まぁ、いいか。

「じゃあ行くか」

「うん」

こうして、2人の異世界生活は幕を開けた。

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