見えた魔法組の訓練場には魔がおり、所々で戦闘が発生していた。空中にを投げ出した彌一は瞬時に全の戦況を把握、そして見つけた。たった今、二の狼型の魔に襲われそうになっている凜緒、ヘンリ、メイを

「間に合ぇええええええええーーーーーー！！」

空中にを投げ出した狀態でを弓のように反らし全のバネを使って【青羽】を魔に投擲、魔の一を仕留め空中に魔力で作った足場を蹴り加速、もう一の魔の前に躍り出る。

「大丈夫か！？凜緒！！」

凜緒はヘンリとメイを庇う様にして立っていた。その姿は攻撃をけたのか所々に傷があり服も所々破れていた。

「やいくん！！」

危機に駆けつけてくれた彌一に凜緒は目に涙を浮かべ名前を呼ぶ。

そんな凜緒に一言言って安心させる

「待ってろ。すぐ片付ける。」

一瞬のうちに仲間を殺されたことに魔は揺していたが、すぐに魔は彌一を敵だと判斷したのか襲いかかってくる。

「邪魔だ！！」

そう吐き捨て魔の顎を下から蹴り上げる。

魔はそのまま二回転し冗談のように飛んでいく。

彌一はその飛んで行った魔に左手の二本指を掲げ唱える

「《炎槍よ・疾く打ち抜け》！」

すると彌一の頭上に槍の形をした炎が形され、左手を振り下ろす。

槍は左手を振り下ろすと同時に出され、魔に吸い込まれるように突き刺さり焼き盡くした。

「凜緒！ヘンリ！メイ！無事か！！」

「やいくん！」

「彌一！」

「やいち！」

ヘンリやメイの方は凜緒が庇ったおかげか目立つような怪我はしていなかった。

「無事ならよかった。とりあえず俺は魔を片付けてくる、ここで待っててくれ。」

彌一は呪符を一枚凜緒たちの足元にり付け両手で手印を組み唱える。

「《汝の敵・その金の持って・阻みたまえ》」

すると呪符を中心に金のが凜緒たちを円球に包み込む。

魔霊対抗用結界。霊に対する魔や結界魔が専門の道にある除霊用結界に彌一が魔にも効くようにアレンジした結界で、呪符に込めた魔力が盡きない限り敵を阻み続ける。

結界を展開したあと彌一は魔に突き刺さったままの【蒼羽】を抜き滯納。

そうして彌一は左手を魔の集団に向け新たな詠唱を始めた。

「《吹雪の凍てつきよ・すべてを凍て盡くす・風となれ》」

彌一の手からすべてを凍てつかす吹雪の風が吹き荒れ、その風は魔ののをを細胞を瞬時に凍結、すべての魔を凍りつかせた。

「これで魔は終わりか・・・あとは・・・」

「やいくん！！大丈夫！？」

「來るな凜緒！そこにいろ！！」

結界が解けて凜緒が駆け寄ってこようするがそれを彌一は鋭い一喝で制し、【蒼羽】の柄に手を掛け抜刀の構えをとる。

すると凍らせた魔の奧から人の形をした何かが現れる。

「お前いったい何もんだ？勇者か？しかし勇者が召喚されたのはこの前だろ？これだけの魔法・・・ほんとに何もんだ？」

「それはこっちのセリフだ。その羽にその角・・・お前魔人とかいうやつか？」

「あぁ、そうさ。あとに脅威になる勇者どもを真っ先に殺しておこうかと思ったんだが・・・まぁいい、この俺ルブラ様が直々にぶっ殺してやるよ！！」

そしてルブラは右手を巨大化させ彌一に突進してきた。その速度はとても速く普通なら対応できないだろう、そして右手に宿る魔力は兇悪でこちらもれただけで普通は々になるだろう、そう、普通なら・・・

「なっ、！」

「遅い。」

迫り來るルブラの巨大な右手に対し【蒼羽】を抜刀すると同時に疑似分解を発、そのまま右腕を切り飛ばす。

「なんだと！？バカな！？」

そういってルブラは背の翼を羽ばたかせ飛び上がる。

「きいてねぇぞこんなの！！なんだあいつ！！俺の最強の右腕が効かねえ上に斬りとばすなんて！！」

そんな飛んでいるルブラを見て彌一は

「まだ【飛行魔】が使えるほど戻っちゃいないし、こうなりゃ使うか」

そう言って彌一は右手の指を鳴らすと右手に無の魔陣が出現し右手を通り抜けた瞬間、その手にはし大型の拳銃が収まっていた。

魔道ＮＯ．３【拳銃：レルバーホーク】。専用の魔弾丸を撃ち出すための拳銃で、弾丸には【弾速強化弾】【化弾】【鉱石魔弾】などがありまた、魔力を直接弾丸にし打ち出すことも可能である。

そしてレルバーホークをルブラに向け二度引き金を引く。

発された弾丸は【弾速強化弾】。音速を超え極超音速となり、斷熱圧によって膨大な熱でプラズマが発生する。

そんな速度に反応できるはずもなく、弾丸はプラズマを纏い大気を焦がしながらルブラの羽を撃ち抜いた。

「ぐぁあああああーーーー！！！」

羽を撃ち抜かれプラズマによって焼き抜かれたことでボロボロになり飛行を維持できず、悲鳴をあげながら墜落する。

「ぐっ、がぁあ！い、いったい、おめぇはなにもんだ、。」

墜落と羽を撃ち抜かれたことでダメージを負い、地面に這いつくばって聞いてくるルブラに彌一は眉間にレルバーホークを構え答える。

「《魔師》日伊月彌一だ」

引き金を引く。それによって眉間を撃ち抜かれたルブラはを一度痙攣させ、それ以降言わぬ存在となった。

そうして彌一はレルバーホークを腰の後ろのホルスターにしまい、凜緒たちの方に駆け寄った。

「安心しろ。3人とも、敵は全部片付けた。」

するとやはり怖かったのか、ヘンリとメイが正面から、凜緒は後ろから抱きついて泣き始めた。

「も、もうダメかと思ったよぉ〜。」

「ありがとうございます彌一。本當に怖くて。」

「うえぇーん！こわかったよやいち！」

そうして泣き止むまで彌一は著いていようと思っていると、ようやく到著したのか戦士組みも訓練場にってき、訓練場の慘事を見て驚愕し、魔法使いから彌一がこの魔と魔人を一人で倒したと聞いて二度驚愕している。

その後3人とも泣き止み、全員で跡かたずけを開始しようとしたその瞬間、

ルブラの死から超高濃度の魔力の嵐が吹き荒れた。

「！！全員退避しろ！！」

すると死から魔法陣が展開、そして吹き荒れた魔力の奔流が魔方陣に集まっていく。

(くそっ！油斷した！あの野郎、條件起型式を設定して死んだ時、自分の命を代償に魔力を生して、その魔力を方陣に集めて魔力過剰で破する気だ！！

あれだけの魔力が発したら、ここ一帯が消し飛ぶぞ！！)

最後の思わぬトラップに迂闊にも引っかかってしまった彌一はルブラの死に駆け寄る。

「やいくん！！」

凜緒の警告も無視し駆け寄る。

(今から止めるのは不可能。なら発しても影響がない場所に転移するしかない！けど今の俺が【転移魔】なんか使えるか？いいや、でも！やるしかない！！)

ルブラの死にたどり著いた彌一はもし失敗しても被害が周りに及ばないよう、ルブラと自分を包むように結界を発、そして【転移魔】の構築をフルスピードで構築していく。

(詳細な転移先を設定している余裕はない。転移先は森が続く東側！距離はどれくらい開くかわからないがもう一か八かだ！)

そしてルブラの魔方陣が限界を超え発しようとした瞬間、【転移魔】が発し思わず目を瞑るようなが発生する。

そうして【転移魔】を発している視界の端にこちらに向けて手をばす凜緒の姿が映った。

そして

(ごめんな、凜緒)

瞬間。訓練場がで満たされた