《魔がない世界で魔を使って世界最強》セナ

「う、うーん。あれっ、わたし・・・」

「おっ、気が付いたか。」

彌一は武の整備を中斷し、のもとに歩み寄る。そのままは彌一が掛けたコートをどけ、上半だけ起き上がる。

「あなたは・・・」

まだうまく頭が回らないのかし虛ろな表で聞いてくる

「俺は日伊月彌一。」

「ヤ、イ、チ。や、い、ち。・・・彌一?」

「そうそう。お前の名前も聞いていいか?」

「私は、セナ。セナ・アイヤード。セナと呼んで、彌一」

そう言ったセナというは、腰まで屆くくらいの綺麗な蒼い髪とその髪のと同じき通るような蒼い眼が特徴的なの子で年齢は彌一と同じくらいだろうか。背丈は彌一よりし小さいくらいでその顔はさは殘っているがしく整っており文句無しのと呼べるだろう。

そんな、セナに名前で呼んでと言われし頬を染めつつ名前を呼ぶ。

「ああ、わかった、セナ」

そういって彌一は恥ずかしさを誤魔化すように水のった木のコップを渡す。

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セナはそのコップをけ取りつつ疑問を口にする。

「水なんてどこから?ここには川なんてないけど?しかもコップも」

「ん?コートの中にれてた。」

「コートに水はらないよ?」

なにを言っているんだろうこの人は?という目で見つめてくるセナ。

「そうじゃない、こうゆうことだ」

そういって彌一はコートのポケットから【蒼羽】を取り出す。ちなみにこのポケット、ブレザーの四次元ポケットとつながっており収納しておいたものはどちらからでも取り出せる。また水などはもしもの時にということで王城で調達しておいたもので、水以外にもしの食糧がってる。

明らかにポケットにれるには大きすぎる武が出てきた事にセナは驚く

「!!すごい!!どうゆうこと!?」

「これは簡単にいえば【空間魔】を利用して別の空間にを収納してるんだ。」

「くうかんまじゅつ?」

するとやはり伝わらなかったのかセナが首をしかしげる

「あー、魔について話すとなると俺のことも話さないといけないんだが・・・長くなるけど聞くか?」

「うん。聞きたい。」

どうやらセナは彌一の話に興味心なようでを前のめりにし聞いてくる。

そんなセナにし苦笑いしつつ話始める。

そうして彌一は魔のこと、勇者のこと、自分が別世界の人間であることなどこれまでの経緯を話し出した。

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「てなわけで、こうしてここにいるわけだ。」

一通りの出來事を話した彌一は新しく用意した水を飲み干した。

「驚いた。まさか彌一が召喚された勇者なんて、でも納得。あれだけの強さなら勇者と言うものも納得出來る。」

「俺はそこまで強くない。父さんどころか、今じゃまだ昔の俺にすら屆かない。」

「そうなの?」

「ああ。」

そう言って彌一は話を逸らしてセナに質問する。

「セナはどうしてこんなところに閉じ込められていたんだ?ああ、別に無理ならいいんだが。」

その言葉にセナはし顔をしかめるが、決心を決めたように彌一の顔を見て、ゆっくりと語ってゆく。

「私は霊の里って言う霊神マーダーを祀る村の出で、私はそこで霊の巫だった。」

霊の巫?」

「私は人間の霊神を宿した半人半霊の、だから霊の巫と呼ばれていた。」

霊をに!?」

霊などの霊的存在は人間に恩恵を與える事はあっても、人間にのには宿る事はない。なぜなら人間の魂、アストラルが耐え切れず崩壊してしまうからだ。

地球でも霊を宿す事の出來るほどのアストラルを持った人は歴史上一人しかいない。そして彌一はもちろん、彌一の父親もそれほどのアストラルは持っていない。

つまりセナは霊を宿す事の出來る程の強力なアストラルを有している事になる。

彌一はいろいろと質問したいという逸る気持ちを抑えセナの話の続きを聞く。

「そうして私は崇められていた、だけど10年前、當時7歳だった私はこの部屋に閉じ込められた。」

「一どうして」

「わからない。みんなが私をしてくれた、私もみんなが大好きだった、でもしづつ何かがおかしくなっていった。そして「お前は忌み子だ」「お前はなんか」って言われて、お父さんやお母さんもみんなと一緒に私を責めた。」

セナの頬を一粒の涙が流れた。

「悲しかった!辛かった!苦しかった!寂しかった!私は何もしてないのに!みんな揃って私を!私を・・・!」

そうしてセナは溜まったものを吐き出すようにを吐き出すし、泣き出した。

そんなセナに彌一は正面から優しくけれど強く抱きしめ言い聞かせた。

「心配するなセナ。誰もがお前を責めるのなら俺がお前を認めてやる。誰もがお前を傷つけようとするなら俺の魔で全て守ってやる、俺の魔はそのためにある。だから、俺がずっとそばにいてやる。」

その言葉をけてセナはより一層大きく泣き出した。

暗く靜かな部屋にセナの泣き聲が響き、彌一はいつまでも抱きしめ続けた。

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