《魔がない世界で魔を使って世界最強》旅立ち

地下施設を発見しあれから2週間が経過していた。あれから準備してすぐ旅立つつもりだったのだが、新しい魔導の開発ためこうして殘っていた。

そんな彌一は現在制服の上から白の格好で異世界版パソコンの前でゲームで見る様な空中に浮かぶウィンドウに表示されている數字や魔式と睨めっこしていた。

「よし。これで魔式の方は完だな。ふー、疲れた。」

椅子の背もたれに寄りかかり眉間を指でグリグリ

「こっちはどうなったかな」

椅子ごと部屋の真ん中の大きなテーブルに向き直るとそこにはバスケットボールくらいの大きさの明な鉱石が何かしらの機械にセットされていた。

この鉱石は封印の部屋でセナを拘束していた神聖結晶だった。

これは魔鉱石と呼ばれる鉱石が形される際に魔力を吸い込んで魔力とよく馴染む鉱石の一種である。

地球にはこの神聖結晶は存在せず、こちらの世界でもこの神聖結晶は希で伝説級鉱石である。

そしてこの神聖結晶は二つの特徴がある。

一つ目は大気中から魔力を吸収する質で、この質のおかげでセナはなんとか命を繋ぎとめられていた。

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二つ目は魔処理に高い耐久を持つことである。

この質を見つけたことで彌一は現在こうして新しい魔導の開発している。

魔導No.5【解析眼】。失った右眼の代わりにするべく開発している義眼である。

今まで魔で新しい義眼を作り視力回復と魔を使える様になろうとしたのだが魔の処理に耐えるほどのが地球に存在しなかったので諦めていた。

だがこの神聖結晶を使えば、魔処理に高い耐久を持っているので眼のとなり得る。なのでこれを機會に義眼を作ることにしたのである。

【解析眼】とは神聖結晶を主材にナノマシンを組み込んだ義眼である。

この義眼は脳と直接リンクさせ脳の未使用領域を使って視力以外にも【解析魔】を使えるようにしたもので、【解析】で魔陣の寫真を撮らなくても義眼部に搭載したカメラが自でデータを【解析】に送り解析結果を右眼に送り返したりもできる。

また、魔陣解析以外にも【解析魔】で當人の思考と並列して演算をおこない、サーモグラフィーや地形報を3Dモデル化など出來ることは多岐にわたる。

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しかし、これほどの報量を脳がければいくら脳の未使用領域を使っているとはいえ、オーバーヒートしたり最悪、脳が焼き切れてしまう。

ではどうするか。この問題を解決したのがスキル【思考強化】だった。

【思考強化】とは文字どうり魔力が続く限り思考能力を強化するスキルで、このスキルを部分的に使用することによって【解析眼】の報量を処理している。

主材である神聖結晶は大気中から魔力を吸収する。サイズは目の大きさ程度なのでそれほど多く魔力を吸収できないのでが【思考強化】を継続できるくらいの魔力は吸収でき【思考強化】が途切れる事はない。

これが魔導No.5【解析眼】である。

こっちも問題なさそうだな。これであとは作製だけだ」

【解析眼】の進捗狀況も順調でし休憩するかとリビングに出る。

リビングに出るとリビング続きのキッチンにセナがいた。

白のエプロンを著て綺麗な蒼髪をポニーテールにし、手にはお玉を持って完全な料理スタイルだ。

そんないつもとは違った新鮮な格好にドキッとしているとセナがこちらに気づく。

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「もうすぐご飯にするからちょっとだけ待ってて」

「あ、ああ。わかった」

できた料理をセナがテーブルに持ってくるのと彌一のお腹が空腹を主張するのはほぼ同じだった。セナは微笑みつつ彌一の反対側の席に座る。

「さ、食べよう」

「そうだな。俺ももう限界だ」

二人で手を合わせ合掌する。

「「いただきます」」

今晩の獻立は魚の塩焼きにご飯と味噌、野菜といったメニューだ。

魚の塩焼きはがとてもらかく、塩の加減もちょうどよく魚の旨味が引き上げられている。味噌し濃いめの味付けで逆にそれが開発で凝り固まったに暖かく染み渡る。野菜はそのままでシャキシャキしてみずみずしい。

食べる人に細かく配慮された見事な料理だ。

そんなセナの暖かな気遣いと料理の味しさに自然と頬が緩む。

味しい?」

「當たり前だろ?今日も最高の出來だ!」

ガツガツと味しそうに食べる彌一に頬を赤くし嬉しそうな表で自分も食べ進める。

ちなみにこの食材などは全て地下施設で採れたもので魚は養の池で、野菜は畑でだ。

その後もお互い料理に舌鼓を打ちつつ、お腹が満足する頃には料理が全て綺麗になくなった。

「「ごちそうさまでした」」

食べ終わったあとはセナは食の片付け、彌一はテーブルを拭くとそこに大きな紙を引く。それはこの辺り一帯の地図だった。地図にはグリノア迷宮を中心として地図全を山や森が覆っている。

セナが食の片付けを終え、お盆に紅茶を乗せて彌一の隣にやってくる。

そして二人は今後の旅の確認をし始めた。

「ここからさらに東に進んで・・・大この辺に霊の里、セナの故郷があるわけだな?」

「うん。大その辺」

そう言って彌一が指したのはここからさやに東に山を越えた森の一部だった。ここにセナの故郷である霊の里が存在する。

そう次の目的地は霊の里なのである。

何故次の目的地が霊の里なのかというと。最初彌一は凜緒達と合流するべく王都に向かうことにしたのだがセナが、あれから隨分経つから何かしらの変化があるはず。と言うので次の目的地を霊の里にしたにである。

最初彌一は心配したのだがしれも覚悟の上だとの事だったので彌一も引き下がった。

「この辺にまでだと距離的に三日くらいだな」

「でもこの辺りは崖なんかが多いから時間がかかると思うよ」

「それじゃあ一週間を目処で準備するか。食料は7日分で、足りなければ現地調達で行こう。幸いここら辺はが多いみたいだし」

「うん。そうしよう」

こうして旅の確認が済んでゆき、気がつけばもう深夜になろうかという時間だったので別々で風呂にって就寢する。のだが、

「じ、じゃあおやすみ」

「う、うん。おやすみ」

そういってお互いに背中あわせで同じベットにり寢る。

この地下施設はもともと甲明が一人で使っていたものだったので當然ベッドは一つしかない。そのため最初の頃は彌一はリビングのソファーで寢ていたのだが、それじゃあ悪いからとセナに言われてこうして二人して同じベッドで寢ている。

しばらくするとセナから規則正しい呼吸が聞こえて著たのでホッと一息つき彌一も寢ようとするが

ふにょん  ギュッ

(!?!?)

不意に右腕にらかいじて目を開けるとセナが右腕に抱きついていた。

寢返りを打ったせいか元がしはだけておりそこから膨よかなが彌一の腕で形を変えているのが見える。右腕全から伝わるらかいと髪から香る甘い香りが彌一の理を全力で潰しにかかる。

(落ち著け日伊月彌一!今ここで手を出したら俺は本人の意思を無視して手を出す鬼畜野郎になっちまう!それだけは絶対に許されない!平常心だ!平常心を保つんだ!平常心平常心平常心・・・・・らかい。ってちがぁああああああああううう!!!)

その後彌一は徹夜を覚悟しながら理の限界挑戦に強制チャレンジするのであった。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「彌一。準備できたよ〜。」

「わかったー」

カバンを肩にかけリビングに出ると同じくカバンを持ったセナがいた。このカバンはコートのポケットと同じ【空間魔】で作ったカバンでポケットに比べ容量が大きくなっている。

「それじゃあ行くか」

「うん」

二人はリビングを出て廊下の最奧の部屋にる。

そこは祭壇のような場所で階段狀に段差がある。頂上には四本の白い石柱と床には大きな魔陣と小さな魔陣が合わさった巨大な魔陣が描かれていた。転移用魔陣だ。

陣の真ん中で止まり彌一はセナの方を向く。

「セナ。最後の確認だが、本當にいいのか?」

彌一の問いにコクリと頷き瞳を見つめる。

「私は逃げない。なんで私が封印されなきゃいけなかったのか、それをわからないままにしておくと後悔すると思うから。確かに行くのは怖い、またあの時みたいに冷たい目で見られて何か言われるかと思うとそれだけで足が竦む。でも・・・」

「でも?」

「彌一がいてくれる。あの時私を守ってくれるといってくれた。だから私は何があっても大丈夫って安心できる。ねぇ彌一。あの時の言葉、噓じゃない?」

し不安そうに瞳を潤ませて、でもそこには彌一への信頼も見て取れる。

あの時の言葉に全ての信頼を置いている。ならそれに答えなくてどうする

「當たり前だ。俺の魔で全部守ってやる。どんなものが來ようがそのことごとくと戦って守ってやる。俺の魔はそのためにあるんだから」

大切な人、大切な何か、そういった『大切』を守るために彌一は戦う。それを失わないように。彌一にとってセナはもうとっくに彌一の『大切』だった。

そんな彌一の言葉でセナは顔を赤くし嬉しいを顔に表して彌一の腕に抱きつき耳元でし恥ずかしさが混じった聲で呟く。

「ありがと。」

そんなセナに負けず劣らず彌一も顔を真っ赤にする。

「よ、よし。そろそろ行くぞ!」

「うん!」

左手を魔陣にかざし魔力を流し唱える。

「《導きの手よ・その手が示す道に沿い・かの場所と繋げよ・ーーーー》」

陣に蒼く輝く魔力が巡り、魔陣を起。魔陣から辺りに眩い魔力で満たされ始め、魔陣が回転を始める。回転數は徐々に加速しギギギと機械音のようなものが響く。加速につられも強くなる。そして

「《我が先にあらん事を》」

が部屋を埋め盡くし全てを呑み込んでいった。

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